子供が3Dヘッドマウントディスプレイを使うと斜視になる危険性がある

バーチャルリアリティー(VR)用のヘッドマウントディスプレイ(HMD)が近年注目されています。 ハイテクにワクワクするのは大人だけではなく、子供たちも憧れるものです。しかし子供にスマホやタブレットと同じ感覚でHMDを与えてしまうのは少し控えておいたほうが良さそうです。小さい子供が HMDを使用すると大きなリスクが伴うためです。

大阪大学で感覚機能形成学を研究する不二門尚氏は、HMDの使用に際してのリスクを説明したガイドラインを発表しています。

ImmersiON VRelia Virtual Reality Headset

人間の立体視(対象物を立体的に見る力)はおおよそ生後2ヶ月から2歳ごろまでに形成され、6歳くらいまでに完成するそうです。弱視斜視学会の専門医師は、この時期にVRを見ると、素因のある子どもはまれに斜視になる場合があると注意を促しています。ニンテンドー3DSが6歳以下の3Dモード使用を禁止しているのもこのためです。

3DS boy.

6歳ごろで立体視細胞がしっかり発達しても、そこで立体視に関わる成長が終わるわけではありません。頭が大きくなるに従って、目と目の間の距離も変化していきます。不二門氏のまとめでは13-14歳まで目の間の距離は増長するとのことなので注意が必要です。この距離に合わせて調整できるHMDもありますが、両目で一つの立体像を見る機能が弱い場合には慎重な対応が必要です。

YouTube/VR コンソーシアム

斜視になると立体視が困難になるだけでなく、いじめや差別の元になったり、対人恐怖症やコミュニケーション障害の原因になることもあります。また2歳頃になるまでの間に斜視が続くと、手術をしても立体視を得ることが難しくなります。

Wikimedia Commons

大人は子供に比べてHMDによる斜視のリスクは低いですが、それでも人によっては目にかかる負担が強すぎることがあります。そのような場合はできるだけ使用を避けたほうがよさそうです。

Tired Eyes

HMDには年齢に関する注意書きがありますが、子供にねだられるとつい使わせてあげたくなってしまいます。そんな時はこの研究を思い出しましょう。また他の子供のいる家族にもシェアして教えてあげましょう。

大阪大学大学院不二門氏のHMDガイドラインについての講演はこちらのビデオからもご覧いただけます:

 

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