フェイク?それとも本物?10枚の加工画像が教える誕生秘話

ネットはあらゆる情報で溢れていますが、ネット上で必要な情報を探す場合はその情報源が確かなものであるか、嘘の情報でないかに細心の注意が必要です。 情報元が文章の場合はもちろんのこと、動画や画像の場合もPhotoshopなど画像編集ソフトで加工されている可能性があります。しかし、これら加工処理がなされた画像は虚偽報道に使われるだけでなく、実は広告や画像素材として今や私たちにとって大変身近な存在となっています。

今日はみなさんにこういったフェイク画像がどのようにして生まれるのかについて、10枚の写真を例に紹介します。それではどうぞご覧ください。

shutterstock/tewpai dechpitak

1.結婚写真

新婚ホヤホヤの夫婦がヨーロッパの牧歌的な風景を背景に口づけを交わしている1枚の写真。後ろには黒い雲が立ち込め、水溜まりには2人の姿が映っています。暗さや影はフォトショップによって加工されたものですが、この写真で最も魅力的なのは水溜りのミラー効果。

imgur/unbekannt

水溜まりに映る2人の姿は、実は加工ではなく本物です。実はこの写真を撮ったカメラマンは美しいミラー効果を得るため、服が汚れるのを顧みず水溜りの横にうつぶせになって写真を撮っていたのです。

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2.水中効果

香水やファッションの宣伝に使えそうなこちらの写真。若いイケメン男性が艶かしい視線をカメラに向けています。彼はプールの底に横たわっているかのように見えますが、本当にそうなのでしょうか?

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もちろん違います!撮影現場を覗いてみるとこの1枚の写真を撮るためだけに、どれだけの苦労があったのかが見えてきます。モデルの男性はアトリエの床に横たわり、その上には水の入った大きなタンク。アシスタントの女性が水に動きをつけ、上から強い光を当てることで水底の光を表現していたのです。

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3.高速道路にサメ出現

2017年9月中旬に中央アメリカ、カリブ海地域、そしてアメリカ合衆国南部を襲った2つの巨大ハリケーン。前代未明の物的・人的被害をもたらしたこれらのハリケーンによって、多数の道路が冠水してしまいました。

テキサス州・ヒューストンでは道路の冠水が特にひどく、高速道路を悠々と泳ぐサメの写真がTwitter上で話題となりました。

しかし後の調査で、この写真は偽物だったことが判明しています。海から大量のサメを巻き上げてやってきた竜巻と人間との死闘を描くB級映画「シャークネイド」のワンシーンをモンタージュ加工したものだったのです。

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4.湖の魔法

ドラゴンや妖精、魔女などが登場するファンタジー小説のワンシーンのようなこちらの写真。宙に浮かぶ裸体の女性の髪は、折り紙の鶴によって持ち上げられています。この写真は一体どのように撮影されたのでしょう?女性が水面に落下する直前の瞬間を捉えた?それとも女性はピアノ線で持ち上げられていて、それを後で加工処理したとか?

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正解はこちら:湖に置かれた椅子の上に乗る女性。アシスタントの男性が髪の毛と折り紙の鶴を手で持ち上げます。後は椅子と男性を画像処理で消すだけ。こんな単純な方法で魔法のような写真を創り上げることができるのです。

更に興味深いのは、湖の深さです。出来上がった写真だけを見ると、まるで深い湖の中に女性が落ちていくように見えますが、実際はそんなに深そうではありませんね。

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5.ロッククライマー

ライターが記事を書く際、自分で写真を撮らなくても、イメージ写真として「ストックフォト」と呼ばれるプロのカメラマンによって撮影された高品質な写真を活用することができます。ロッククライミングに関する記事なら、下の様な写真が使われるでしょう。

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でもこの写真の本当のヒーローはロッククライマーではなく、写真に映ることのないカメラマンなのです。撮影風景を捉えたこちらの1枚を見れば、それが何を意味するかすぐに分かるでしょう。このカメラマンは画像処理・編集などは一切せず、体を張ってこの完璧な写真を撮ったのです。

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6.砂浜に雷が落ちると…

「砂浜に雷が落ちるとこうなる…」と題されたこちらの写真をネット上で見かけたことがある人は多いはず。雷の衝撃によって巻き上げられた砂が、高温によって溶けて固まったものとの説明書きがされている場合がほとんどです。

しかし、それは真っ赤な嘘!ただ、雷が落ちると砂が融点に達しガラスとなって閃電岩(フルグライト)と呼ばれる天然のガラス管を形成するのは事実です。しかしながら、閃電岩は通常地下で発見され、この写真ほど大きくなることは極めて稀です。この写真はサンドキャッスル・マット氏による流木と砂を使った彫刻作品です。

red beach #2

7.竜巻

猛烈な破壊力で人々を圧倒する竜巻。こちらの写真の様に、恐ろしくも美しいその姿は私たちを魅了してやみません。

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しかし、この写真に映る竜巻が破壊をもたらすことは決してありません。この写真は光を調節したアトリエに設置されたジオラマを撮った1枚だからです。

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8.広大なプレーリー

こちらは自然の脅威を捉えた写真ではなく、風景写真です。ジョン・ウェインやクリント・イーストウッドなど往年の西部劇スターを彷彿とさせるプレーリーの風景。地平線上に見える赤茶色の山々が荒野の風景にマッチングしています。

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こちらも竜巻の写真と同じで、カメラマンはスタジオの外へ一歩も足を踏み出していません。ミニチュアサイズのジオラマを使って再現された写真です。先ほどの写真と違う点は、雲をひとつづつ別々に撮影して、後からデジタル加工で写真に奥行きをもたせてあることです。

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9.氷山の一角

こちら有名な写真をポスターやパソコンのデスクトップ画像などで見たという方は少なくないはず。「氷山の一角」という慣用句を画像で表現したこちらの写真。でも1枚に見えるこの写真は、実は4つの写真によって構成されています。

この写真を撮った写真家のラルフ・クリーベンジャーは、科学雑誌Nautilus(ノーチラス)とのインタビューで、雲と水はカリフォルニア州の街・サンタバーバラで、氷山の上部は南極で撮影したことを明かしており、氷山の下部はアラスカの海に浮かぶ氷山を捉えたものだそうです。最後にコンピューターで4枚の写真を合成したとのことですが、この氷山の青い色は本物で画像処理は一切していないそう。

imgur/bobomcduffy

10.クラシックカー

この写真は1920年代、30年代のモノクロ写真に着色したものでしょうか?それとも3台のクラシックカーの所有者は、何十年にも渡って新車の様な状態を保つことに成功したのでしょうか?

実はどちらも間違いで、この写真は遠近法を巧みに利用した素晴らしい例です。

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なんと3台ともテーブルの上に載ったただのおもちゃの車なのです。テーブルの上に道路に見立てた紙やプラスチックの下敷きを敷くだけで、あとは完璧な角度と距離を見つけなければこの写真の出来上がりです!

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悪意をもって編集された写真であろうと、そうでなかろうと創意工夫を凝らして作成されたこれらの写真には驚かされるばかりです。人の目ほど頼りにならないものはないのかもしれませんね。

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