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Lifehacks

人気の「あのドリンク」を飲んで命を落とした女子高生。

今からおよそ10年ほど前に日本に上陸して以来、とくに若者の間で人気のある「エナジードリンク」。欧米など海外でもその人気は高く、ドイツでは15歳から18歳の若者のなんと73%がエナジードリンクを「定期的に」飲んでいるという統計まであるほどです。エナジードリンクを飲んでいる人の大半は筋肉増強や生殖機能の改善などの効能ばかりに注目し、その危険性については考えることはないでしょう。しかしアメリカのある一家が体験した恐ろしい事件がきっかけで、エナジードリンクのもたらす危険性が広く知られることになります。

NOS Energy Drink

アメリカ・アリゾナ州で高校に通うラナ・ハーマンは、エナジードリンクの副作用についてまったく知りませんでした。夏休みに彼女は、友人ら数人とビーチへ旅行に出かけます。その日は気温が高く雲ひとつない天気で、絶好の海水浴日和でした。

暑い日には、もちろん水分補給が欠かせません。それはラナも承知で、その日もちょくちょく「水分補給」をしていました。しかし、ラナは自らの犯した過ちに気付いてはいませんでした。なんと彼女は一口も水を口にしていなかったのです。水分補給と称して彼女が大量に飲んでいたのは、エナジードリンクでした。エナジードリンクにも水分は含まれていますが、その他含まれる成分の中には、過剰摂取すると人体に悪影響を及ぼすものがあります。

友人らによればラナはその日、体調不良を訴えましたが、本人はそれを強い日差しのせいにしていたそう。しかし彼女は、この後起こる恐ろしい出来事を予想していませんでした。

Youtube/HLN

突然、胸部に強い痛みを訴えたラナは、その場に倒れてしまいました。なんと彼女は心臓発作を起こしており、すぐに近くの病院へと運ばれました。懸命の救急活動も虚しく、彼女はそのまま帰らぬ人となってしまったのです。ラナの友人たちは、親友との突然の別れにショックをうけました。ソフトボール部で活躍していたラナには、心臓発作の原因となるような病歴はなかったからです。

Youtube/HLN

ラナの母親と彼女の医師がまず疑ったのは、エナジードリンクの過剰摂取と突然死の関連性でした。エナジードリンクには、コーヒーよりも多い量のカフェインが含まれていることがあり、過剰に摂取すると睡眠不足、吐き気のほかにも急性的な心臓発作を引き起こす場合があるのです。

医師のジャック・ウォルフソンはこう語ります。「エナジードリンクが体に悪影響を及ぼすことを証明する医学的証拠が存在します。エナジードリンクを摂取することで、心臓の鼓動のリズムに変化が起こり、血圧が不安定になってしまうことがあるのです」

 
 
 
 
 
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ラナを知る全ての人にとって、彼女の死は衝撃でした。しかし、ラナのような悲劇は、残念ながら特殊な事例ではありません。18歳未満の子どもたちを対象に、副作用のある商品を販売する製造会社の商法は批判の対象となっています。また若者や子供に限って、エナジードリンクの危険性をちゃんと理解していない場合が多く、過剰摂取の原因となり大変危険です。

エナジードリンクの恐ろしさについてもっと詳しく知りたいという方は、ラナの事件を追ったこちらの動画も是非ご覧ください。(英語のみ)

「清涼飲料水」に含まれるカフェインなどの様々な成分がもたらす健康への影響について、多くの人が知ってさえいれば、ラナに起こった悲劇は防ぐことのできたものでした。多くの人にエナジードリンクが含む危険性について知ってもらいたいと、遺族は願っています。