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トリビア

怒りと復讐の念に駆られて家を建ててしまった人たち

家を建てる理由として思いつくのは、子どもが生まれたから今より広い場所が必要、静かで落ち着いた場所に住みたいから、自分の思い通りに作りたいから…などポジティブな動機でしょう。でも、世の中には怒り、恨み、報復といった怨念じみた思いに駆られて、もしくは抗議の形として、家を建てたり改築したりする人もいるようです。

たとえ周囲の人にどんなに笑われようと、迷惑がられようと、どーんと建っている執念の家10選をご覧ください。

1. モントレークの前庭の家 ワシントン州シアトル、アメリカ

一番狭い部分で幅1.4mですが、一番広い場所で幅4.6m、二階建てて床面積は80㎡と、意外と居住できそうなこの狭小な家は、前庭に建っています。

1925年、離婚を申し渡されたものの慰謝料として前庭の土地しか手に入らなかった妻が、復讐として前夫の前庭に建てたのがこの家だそう。

2. パープルハウス テキサス州、アメリカ

この家は、近親関係にない複数の人たちが居住しているということで、市当局から立ち退きを要請されていました。家主は抗議の姿勢を見せるため家をこんな色に塗ったとのこと。それでも立ち退き要請は変わるわけもなく、さらに建築規制違反の罪状も加わり、二進も三進もいかなくなった家主は最終的には居住者の全員退去と、家の色も元に戻すということに同意しました。

3. タイラースパイト・ハウス メリーランド州、アメリカ

1814年アメリカ生まれとして最初の眼科医として名を馳せていたジョーン・タイラー博士は、市の道路拡張工事が、所有する土地の二分することを知ります。なんとか食い止めたいと独自の調査を開始、道路拡張予定地に家が建っていたら工事はできないという法律を探し当てます。そして道路拡張工事が始まる前夜、人夫を雇った博士は大急ぎで家の土台作りを始めたのです。そして建てられたのがこの家。今でもB&Bホテルとして使用されています。

4. スキニーハウス マサチューセッツ州ボストン、アメリカ

この小さな家はなんと実際に現在住んでいる人がいます。最も狭い場所で幅は2.82mしかなく、もちろん市内で最も小さな家とされています。

この家が建てられた理由は、弟の兄への復讐だそうです。1870年代、アメリカの南北戦争で従軍医として服役した男性が故郷へ帰ってきました。しかし、不在の間に兄が両親から相続した土地の大部分を使って家を建てていたことが判明。怒った弟は、わずかに残った土地に4階建のこの家を建てました。兄の家の窓から見えるのは弟の家の壁だけ、しかも日光も弟宅に遮られて一切当たらなかったそうです。

5. ケンブリッジハウス マサチューセッツ州、アメリカ

1908年に建てられたこの幅わずか2.4mの小さな家も曰く付き。当時の地主フランシス・オーライリーは、近隣の土地を持つ地主にこの土地を超低価格で売ろうとします。しかし提案は、けんもほろろに拒絶されます。腹を立てたフランシスは、未来永劫、土地区画整備や景観を邪魔しようと復讐にこの家を建てたのです。

6. ストライプハウス ロンドン、英国

ロンドンの閑静な高級住宅地ケニントンに突如として現れるこの赤白ストライプの家。家主のジッポラ・リスル・メインワーニングは、当初この数億円の土地に立つ家を完全に壊し、地下にプール、ジム、映画館を備えた2階建の家に建て替える予定でしたが、近隣住民の抗議を受け予定は中止します。でも家を建て替えない代わりに、ジッポラは壁を赤白のストライプに塗り変えたのです。行政から塗り直しの命令が出ますが、ジッポラは最高裁まで持ち込んでついに勝訴。今後もジッポラの気持ちが変わらない限りこのままです。

7. アレクサンドリアの狭い家 バージニア州、アメリカ

1830年、小路に面した家に住んでいたジョーン・ホレンスベリーは不眠症に悩んでいました。小さなその通りは早朝から深夜までひっきりなしに馬車が通るので、騒音で眠れなかったのです。この問題を解決する方法はたった1つ。幅わずか2.1mの2階建の家を建てて、小路を塞いでしまったのです。ジョーンはついに安らかな眠りを手にしましたが、近道がなくなった馬車引きにとっては苦労の種が増えたはずです。

8. レインボーハウス カンザス州、アメリカ

2013年、カンザス州トピカにあるこの家を購入したのは、LGBTの権利活動家アーロン・ジャクソンでした。彼がここの空き家を購入した理由は、目の前に立つ教会でした。公にLGBTに対するヘイトスピーチを行っていたこの教会に対する抗議活動拠点をこの家に決め、家全体をレインボーカラーに塗ったのです。このおかげでマスコミの注目が集まり、この教会がいかに有害なメッセージを発信しているかがクローズアップされることになりました。

9. サム・キー・ビルディング バンクーバー、カナダ

1913年バンクーバーの行政が道路拡張工事を行った際、バンクーバーで指折りの富豪サム・キーがこの場所に持っていた土地もほとんどが接収されてしまいます。ところがサムは残ったわずかな土地の購入のオファーを断り、幅1.5mの土地に地下施設付きの建物を建てました。ベランダのように突き出た2階は幅1.83mで、世界で一番狭い商業施設としてギネスブックに登録されています。

10. ピンクハウス マサチューセッツ州、アメリカ

1920年代、離婚の慰謝料として現在住んでいる家とそっくり同じものを建て、元妻に与えることになった男性は、実際にかわいらしいピンク色の家を建て、元妻に与えました。しかし、元妻はどこに家を建てるべきかを明記していなかったのです。おかげで慰謝料として受け取ったピンクの家は、水道さえ通っていない人里離れた沼のほとりに建っていました。今でも買い手は見つかっていません。

それにしても嫌がらせとして家を建てるなんて、持ち主の相当な執念を感じます。こういう人は怨霊になって出てくるのかもしれませんね!

プレビュー画像:©︎Pinterest/komonews.com

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