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ヘルスケア

死骸やフンがアレルギーの原因になる|秋のダニ対策

季節の変わり目は寒暖差から体調を崩しやすい時期です。また、台風シーズンでは、気圧の変化により頭痛や体のだるさをいつもより感じという人も多いといいます。体調が不安定になりがちなこの季節、いつもよりくしゃみや咳がよく出て、風邪の前兆かもしれない、なんて感じている人もいるのではないでしょうか。

でももしかしたらそのくしゃみや咳は、ダニによるアレルギーが原因かもしれません。

秋に気をつけたいダニによるアレルギー

湿度と温度がともに高い夏の季節は、1年の中で最もダニが繁殖しやすいピークの季節だといわれています。しかしダニの怖いところは、フンや死骸が気管支喘息やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患を引き起こすもととなるということ。繁殖のピークが過ぎた秋時期は、ダニアレルゲンと呼ばれるダニのフンや死骸が最も増える季節であり、1年の中でアレルギーの危険が最も高い季節なのです。

ダニのフンや死骸は、大きさが小さく乾燥するとさらに小さくなり、空気中に浮遊することから、知らないうちに口や鼻から気管に入ったり、目を通して体内に入り込みます。特にフンは、生きているダニや死骸よりもアレルギー活性が高いとされています。

ダニによるアレルギーの予防法

ダニによるアレルギーを防ぐには、家の中でダニが集まりやすいポイントを抑え、ダニ駆除だけでなくしっかりと死骸やフンを除去することが重要です。

高温多湿な環境を好むダニは、人の体温や汗のジメジメが残る場所に集まってきます。ダニが最も多いと言われるのが寝室で、人のフケや皮脂、髪の毛などもダニのエサとなります。また、カーペットや布ソファーも同様にダニが繁殖しやすい場所です。

ダニ退治のポイント

・こまめな洗濯

体長0.3〜0.5mmのダニは小さく繊維の中に入り込んでいきます。アレルゲンの元となるダニの死骸やフンは水溶性のため、洗濯をして洗い流すのが効果的です。シーツやマットレスカバー、ソファーのファブリックなど、取り外して洗えるものはこまめな洗濯をしておくと、アレルギー対策となります。

布団類など大型の寝具を自宅で洗うのは大変ですが、布団用の洗濯乾燥機があるコインランドリーも設置されているため、アレルギーが気になる場合は、コインランドリーで布団を丸洗いするという方法もあります。さらに、最近では、布団のダニ対策としてダニを高温のスチームで死滅させることができる機械を導入しているところもあるそうです。

リビングのカーペット類も丸洗いできるなら、洗うのが効果的です。また、カーペットは室内の湿気を吸い取る上、その上を人が歩くので、特にアレルゲンが舞い上がる確率が高くなります。カーペットを敷く場合は、天然繊維よりも化学繊維の方が水を弾き、湿気を吸収しないのでダニを寄せ付けないという点でおすすめです。

・水洗いができない場所は工夫を

ダニのフンや死骸は掃除機を使って吸引することができますが、同時に排気などでホコリが舞い上がるおそれがあり、一度舞い上がったホコリは数時間空中を浮遊し、帰って逆効果になってしまうことも。そのため、掃除機をかける前にあらかじめ汚れを拭き取ったり、取り除いておくと、アレルゲンが舞い上がるのを防ぐことができます。

布団やソファーなど、すぐに丸洗いできないもの、水洗いが不可なものは、まずはコロコロを使って表面についた汚れ(ダニのえさになってしまうホコリや皮脂汚れなど)やダニのフンや死骸を取り除きます。

水洗いが不可なソファなどは、表面の汚れを取ったら薄めた中性洗剤で表面をふき、硬く絞った雑巾で洗剤を拭き取り、その後乾燥をさせます。さらに汚れや匂いが気になる場合は、重曹を使った方法がおすすめです。重曹には、皮脂汚れを分解する作用があるため、重曹をソファーの上にまんべんなく撒き、数時間置いた後に掃除機で吸引すれば、ダニのエサとなる皮脂汚れの除去、また染み付いた匂いの除去に使えます。

・湿気やほこりをためこまない

アレルゲンの元となるダニのフンや死骸を除去すると同時に、ダニを増やさない環境づくりも大切です。ダニは、高温多湿な場所やホコリのある場所を好むため、家の湿度が60%以上にならないよう除湿やこまめな掃除を心がけるようにします。

ダニ退治のNG

ダニ対策として、よくやりがちなのが「布団の天日干し」です。ダニは50℃以上の温度にならないと死滅しないため、天日干しではダニを退治することはできません。また、つい布団を干した時にパンパンと叩いてしまいがちですが、これは死骸やフンを細かくし結果としてアレルゲンが舞い上がり、空気中に漂わせることになります。返ってアレルゲンの吸引の可能性を上げてしまうので、布団を干した時はパンパンと布団を叩かないようにします。

夏の疲れが出やすく、寒暖差も重なり、この季節は免疫力が落ちやすい時です。アレルギーを起こしやすい体質の方は特にご注意ください。

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プレビュー画像:©︎Pinterest/babycenter.com
出典:愛知県衛生研究所, SPOLABO, 杉本クリニック