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ヘルスケア

あくびは脳を覚醒させる?あくびが出る理由と対処法

朝早い日や、寝不足がの日が続いた時にでるあくび。眠い時に出る生理現象として知られていますが、大切な会議や仕事中など、堂々と「フワァッ」とあくびをしたくない場面でも、容赦無くあくびが襲ってくることがありますよね。しかも、出て欲しくないと思えば思うほど、なんだかあくびがたくさん出るように感じます。

でもあくびって一体どうして出てしまうのでしょうか。この記事では、あくびが出る仕組みや対処法についてご紹介します。

あくびについて考えられる理由

なぜあくびをするのか、というのは実は正式なメカニズムはまだ解明されていません。しかし、あくびが出る理由として考えられているのが、以下の二点です。

・脳をクールダウンして機能をアップさせる

最近の研究では、あくびは脳を約37度という最適温度に保つのに役立っている可能性があるといわれています。脳は温度が適温以上になってしまうこで、記憶力の低下や反応の遅れなどさまざまな弊害を引き起こすと考えらえています。あくびによって深く呼吸をすることで、鼻や口に冷たい空気が流れ込み、脳の熱が下げられるのだそう。

また、冷たい空気だけでなく、あくびにより顎を大きく開くことは、頭蓋骨内の血液循環を促し脳のクールダウンにつながるそうです。

ストレスや不安は脳の温度上昇の原因の一つにとしてあげられています。ストレス社会と言われる現代、私たちが眠くない時もあくびが出てしまうのは、こういったストレスや不安が脳をヒートアップさせているせいもあるかもしれません。

・脳を覚醒させる

あくびは眠い時に出るイメージですが、眠いというサインではなく「脳を覚醒させる」ための現象だといわれています。朝起きた時にあくびが出るのは、睡眠状態だった脳をあくびによって起こすため。話を聞くことが多く、つい退屈と感じてしまう会議や、単調な道が続く運転中にあくびが出るのも、脳を覚醒させ、リフレッシュするためと考えられています。

また、あくびで大きく口を開けることは、首にある頸静脈や頸動脈を圧迫するので、脳の覚醒に働きかけることになるのだそう。オフィスでの仕事中など、あくびを我慢しようとつい口をキュッと閉めることが多いですが、しっかりと脳を覚醒に導くためにも思いっきりあくびをした方がよさそうです。

あくびは病気のサイン?

あくびにより、脳の覚醒やクールダウンがされていることが考えられていますが、あくびが頻繁にでるという場合は、低血糖や脳梗塞といった病気が隠れているかもしれません。しかし、これらは脳の機能低下に関わる病気のため、あくび以外にも手足の動かしにくさや痺れを感じるなどといった症状が見られます。こういった症状が同時に出ている場合は、すみやかに医療機関を受診することをおすすめします。

また十分な睡眠を取っているにもかかわらず、あくびが多いという人は、「睡眠時無呼吸症候群」の可能性があります。というのも、睡眠時に息が止まり酸素濃度が低下すると、脳は休めておらず、あくびが頻繁にでていまうそうです。

あくびの予防法

・十分な睡眠やストレス対策を

あくびが脳の機能を維持するための生理現象だとしても、やはり人前であくびが出てしまうと印象はよくないもの。あくびの回数を減らすには、十分な睡眠はもちろんのこと、ストレスや不安といった心配事など心の負荷を減らすことも大切です。

・深呼吸をする

深呼吸をゆっくりとすることで脳のクールダウンにもつながるため、仕事中などにあくびが出てしまうような時は、ゆっくりと深呼吸し冷たい空気を送るようにします。また、口をあける動作は覚醒を促すため、ガムを噛んだり誰かとしゃべるというのもおすすめです。

あくびはうつる?

近くにいる友人や家族があくびをしているのを見たら、いつの間にか自分もあくびをしていたということがあります。あくびが移るとよく聞きますが、これは感情的な共感を示すサインと考えられており、人間同士だけでなく、動物間や飼い主と犬との間でも「あくびの伝染」現象があるとのこと。

普段何気なくしているあくびですが、脳機能を維持するためは大切な現象だったんですね。とはいえ、人前であまりあくびをすると失礼になってしまうので、そんな時は深呼吸や口を動かすなどして対策をするようにしてみてください。また、愛犬や愛猫の前であくびをしてみたら、彼らも釣られてあくびをしてくれるかもしれません。こちらも試してみると、おもしろそうですね。

プレビュー画像:©︎Pinterest/wellwithinyou.com
出典:西川, Shop Japan