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ヘルスケア

汗が臭う原因と自分でできる臭い対策

蒸し蒸し暑い夏は汗が気になる季節。汗は蒸発をする時に体の表面の熱を奪い体を冷やしてくれるという体温調整機能を果たしています。汗によって私たちの体温は一定に保つことができ、もし汗をかかないと体に熱がこもってしまい、命の危険にも関わると言われています。

大切な汗をかくという体の機能ですが、汗の中には暑さだけが原因でないものも。また、汗は時に嫌な臭いを放ってしまい、とても厄介な存在でもあります。この記事では、汗が臭ってしまう原因や、自宅でできるセルフケアについてご紹介します。

現代人は臭う汗が多い!?

体温調整機能の役割を果たす汗は、血液から作られています。体温が上がると、汗をかくために血液から水分とミネラル分が汗腺に取り込まれます。この時ミネラルは再度血液に吸収されるため、本来の汗はほとんどが水分で、臭わない汗です。

しかし、現代では空調が整備された室内で過ごすことも多く、汗をかく機会が減ってしまったことから、汗腺の機能が衰えがちだと言われています。そうなると、ミネラルも一緒に汗として出てしまい、汗は濃度が濃くベタついたものに。ミネラルを多く含む汗が皮膚の常在菌と結合して、臭う汗になるのです。さらに、ベタついた汗は蒸発しにくく、本来の体温調節の役割も弱まってしまうのだそう。

ストレスや緊張が汗の原因になる

汗にはタイプがあると言われ、体温調整機能である温熱性発汗、辛い食べ物を食べた時に顔や頭に出る味覚性発汗、そして精神的な変化に応じて出る精神性発汗というものがあります。

精神性発汗では、ストレスや緊張で手のひら、足の裏、わきだけに発汗し、快適な温度環境でも起こると言われ、緊張汗とも呼ばれています。さらに、わきの下には、脂質やタンパク質などニオイのもととなる成分を多く含んでいる汗を出すアポクリン腺が多いため、わきの下の汗からは特に嫌な臭いが発生しやすいのです。

また、わき汗が尋常でなく出るという場合は、腋窩(えきか)多汗症の可能性が考えられます。日常生活に支障をきたす量の発汗が見られる多汗症は、全身性多汗症と局所性多汗症があります。局所性多汗症のうち、わきの下に異常な発汗がある場合は、腋窩(えきか)多汗症と呼ばれています。多汗症の場合は、緊張やストレスによる精神性発汗ではなく、別の原因が考えられることがあります。大量の汗に悩まされているという場合は、早めに皮膚科の受診をお勧めします。

自分でできる汗の臭い対策

汗腺機能の衰えや、ストレスや緊張が主な原因となり、汗は臭いを放つものになっています。しかし、たくさん汗をかき汗腺を鍛えることは汗の臭い改善につながります。自宅でできるセルフケアには、以下のような対策があります。

・有酸素運動
汗腺を鍛えるには、有酸素運動が効果的です。ゆっくりと汗をかく有酸素運動を毎日30分程度続けます。

・エアコンの温度を低く設定しすぎない
エアコンは暑い夏を過ごすのに今や欠かせないアイテムです。しかし、エアコンの温度が低すぎると汗腺の働きを鈍くしてしまいます。もしこれまで低い温度設定にしていたという方は、設定温度を27度くらいにするようにしてください。また、軽い有酸素運動も合わせるとさらに効果的です。

・半身浴
半身浴もじんわりと汗をかくため、汗腺を鍛えることに繋がります。また、入浴後はエアコンの効いた室内で急激に体を冷やすと、汗がサッと引いて快適ですが、せっかく開いた汗腺が閉じてしまいます。入浴後は、うちわや扇風機の風で自然に体温を下げながら汗を蒸発させるようにします。臭いの少ない汗は、適度な皮脂を含み、肌を保湿する働きもあります。お風呂上りの汗は、本来は肌を潤わせる効果を持っています。

・動物性タンパク質を控える
肉などの動物性タンパク質には、アンモニア、硫化水素など、臭いの元になる成分も含まれるため、肉料理の多い食生活では汗が臭いやすくなります。肉や脂っこい食事は控えめにし、抗酸化作用のあるビタミンCを含む野菜や果物、ビタミンEを含むオリーブオイルや玄米などを取り入れていくと汗の臭いの改善につながります。

・自律神経のバランスを整える
わき汗などの精神性発汗は、自律神経のバランスが崩れ、交感神経が興奮状態になりすぎている証拠です。交感神経は発汗を司っていおり、精神的ストレスがかかると交感神経は活性化されるため、緊張や心に過度のストレスがかかっている時に、脇汗が多く出てしまうのです。

そのため、発汗を促す交感神経を抑え、副交感神経を活発にすることが大切です。ストレスが溜まり、睡眠不足という場合は、休息をしっかりと取り、心と体を休ませてあげてください。

・ミョウバン水
汗腺を鍛えたり、自律神経のバランスを整えるには少し時間がかかります。そのため気になる臭い対策には、ミョウバン水がおすすめです。ミョウバン水はアンモニア系の臭いを中和してくれる作用があります。ミョウバン水の作り方はこちらの記事をご覧ください。

ストレスの多いライフスタイルと言われる現代。汗腺の働きが鈍り、体温調整や体内のミネラルバランスを保つことが難しくなったことも、夏バテや熱中症にもなりやすくなっている要因の一つとも言われています。

汗腺を鍛えることは、汗の臭いを抑えるだけでなく、こういった夏に気をつけたい症状の予防にもつながります。汗腺機能をアップさせるためにも、ウォーキングなどの有酸素運動をしたり、食生活に気を使っていきたいですね。

プレビュー画像:©︎Pinterest/alfemminile.com
出典:南東北, サワイ健康推進課, eo健康, Kao