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ガーデニング

バラをきれいに咲かせたい!バラの病害虫とその予防・防除法

ガーデナーにとってバラは憧れ。うまく育てることができれば、自慢の花になります。

しかし、バラは病害虫が多く、手のかかる植物です。今回は、代表的なバラの病気3つと、厄介なバラの害虫6種について、予防・防除するポイントを含めてご紹介します。

バラの病気とバラの害虫9選 

バラの病気や害虫を予防するには?

バラが病気や害虫に悩まされないようにするために、購入時や植え付け時にできることがあります。買うときに耐病害虫性の強い品種を選ぶのです。ドイツではADRと呼ばれるバラの厳しい評価試験が行われており、ADR認証を受けているバラは育てやすく、比較的、手間がかかりません。

また、十分な距離を置いて植えることも大切。風通しがよくなるだけでなく、一つの株が病気になったとしても隣のバラまで感染しないので安心です。

Black spot

その他の予防策

  • 適切な環境:有機質に富んだ緩い土で、日当たりと風通しのよい場所。
  • 春に剪定を行い、風通しをよくする。
  • 十分な養分と水
  • 肥料のやりすぎに注意する

できるだけ化学農薬に頼らないために、以下の手作りの自然農薬(生薬)を準備しておくことをお勧めします。

  • スギナエキス(若い新芽を煮出す)
  • ニンニク/唐辛子エキス(木酢液やホワイトリカーに1ヶ月以上浸す)

バラの病気3選

1. 黒点病

黒点病(黒星病とも言います)は、バラ病害の中で最もよくみられるもののひとつ。放射状の縁を持つ不規則な黒い斑点が葉っぱや茎に現れます。やがて、周辺の葉が黄変し、葉が落ちてしまいます。

黒点病にかかったら、発病した枝や葉を取り除き、かかった株を薬剤で処理する必要があります。薬剤を使用するときはラベルなどで使用条件を確認してください。

この病気は雨水のはねかえりを介して病原菌が侵入します。落ちた葉の中で病原菌が越冬するため、落ち葉は丁寧に集めて処分しましょう。

Rose (Rosa sp.): Black spot

2. バラさび病

バラさび病は、葉にオレンジ色から赤錆色の斑点が出るので目立ちます。涼しく、湿度の多い春と秋には発生します。発病がひどいと、葉が著しく減少します。伝染性なので症状の出た葉や枝は処分し、薬剤を散布します。

Rust of rose leaf

3.うどんこ病

うどんこ病は、暖かく蒸し暑い気候で発生し、窒素を多く含む肥料を与えているなど「調子が良すぎる」植物を好んで攻撃します。粉をふりかけたように白くなるため、この名前がつけられました。

予防策として、うどんこ病にかかりやすい品種には、前掲のスギナエキスや硫黄剤で対処することができます。

Rose: Powdery mildew

バラの害虫6選

1. アブラムシ

アブラムシは、若芽、若葉、蕾を食害します。また、この害虫が分泌する蜜液は、花や葉を汚し、菌類の温床となり、アリを呼び寄せるという問題もあります。バラについたアブラムシは、2~3%の軟石鹸液で環境に優しく退治することができます。天敵のテントウムシ(幼虫でも)を増やすのもおすすめです。

Macrosiphum rosae (Linnaeus, 1758)

2. バッタ

バッタはバラにつきやすい害虫で、葉を食害します。対策としては、天敵(カマキリ、クモ)を敷地内に放つことで、バラを守ることができます。あるいはトウガラシ液を散布しても忌避効果があります。

3. ハマキムシ

バラの花びらの裏側に幼虫を産み付けた後、自ら吐き出した糸で葉をくるんと巻いたり、ぴったりと貼り付けたりして、幼虫の棲家を形成します。被害を受けた葉は落葉し、植物全体の生育に影響を及ぼすことがあります。対策としては、被害葉の回収、天敵を放つ(クモ、アリ、カマキリ、テントウムシなど)、秋から冬にかけて土を耕して幼虫が越冬できないようにするなどが挙げられます。

4. チュウレンジハバチ

成虫がバラの若枝に産卵します。卵を産んだところは縦に長く傷がつきます。この卵が孵化すると、幼虫(イモムシ)がバラの葉を食害しはじめます。卵を生みつけられた枝をみつけたら、その枝を取り除くか、傷の部分を針などで刺して卵を潰しておきましょう。

Rose sawfly larvae

5. バラハタマバチ

バラの蕾や葉の裏に卵を産み付けます。卵を生みつけられた蕾や葉の周辺の組織が変化して、虫こぶになり、緑、ピンク、褐色へと変色していきます。中には幼虫が入っているので、虫こぶを回収して処分します。

Diplolepis rosae  201008103737

6. ハダニ類

ハダニ類は葉に白っぽい~黄色っぽい斑点を発生させます。葉の裏側にも細かいクモの糸を出すので見分けることができます。ハダニが発生したバラは、キャノーラ油と水を混ぜたものを散布するとよいでしょう。

バラは日々の世話が大変ですが、丈夫に育ち、キレイな花が咲くと喜びもひとしおです!

出典: my-beautiful-garden,  plant diseases
プレビュー画像:© Flickr/Martin Cooper  © Flickr/Sally Jennings