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Lifehacks

使い古された無数の歯ブラシたち でもこの歯ブラシの真実を知った時あまりのことにショックを受ける

浜辺に打ち上げられらた貝殻や石など海の漂流物を集めるビーチコーミング。季節を問わず、1年中楽しめることから最近では趣味として人気が高まっています。

今から23年前の1997年2月、オランダのロッテルダムからニューヨークへ向かっていたコンテナ船 TokioExpress号が、イギリスのコーンウォール沖32kmの地点で巨大な波に見舞われ、積載していた62個のコンテが波にさらわれるという事件が発生しました。

海中へ消えたコンテナのうち1つに入っていたのは、480万個にもおよぶレゴブロック。それ以降、コーンオォールの海岸の漂着物には海中に消えたレゴブロックたちが次々に打ち上げられるようになったと言います。

海からレゴブロックを回収するボランティア団体「LEGO Lost at Sea Project」は、この海中に消えた23年前のレゴブロックを中心にコーンウォールの海岸でビーチコーミングをしています。

そして海岸で見つかるものは、レゴだけでなく様々なプラスチック性の雑貨たち。

レゴのようにおもちゃの一部、髪留め、プラスチック袋に歯ブラシなどさまざまなものが流れ着くそうです。

そうしてビーチコーミングをして集めたものたちを分類して集結させると、まるで一つのアートのようにも。

しかし、これらは全て海に投棄されたプラスチック。23年前に海に投げ出されたレゴだけでなく、もっと古いものと思われるプラスチック片やおもちゃ、その他のプラスチックゴミが数多く見つかっています。

これは80年代のアメリカ、グッディ製の髪留めたち。

動物のフィギュアのおもちゃたち。

大きな樽のような容器に使われたと思われる部品の無数のプラスチック片。

2011年、アメリカの汚水処理施設から誤って隣接する川に流出したプラスチックの円盤。

50年前のプラスチックパッケージ。

ビーチコーミングの昔と今。右の写真に写るものはすべて同日に見つかったものだそう。

そして、23年前に海に投げ出されコーンウォールの海岸で回収されたレゴブロックの劣化状態と、新品のレゴブロックを比較した実験からは、レゴブロックが海洋で完全に形がなくなるまでには、なんと100年~1300年かかるのではないかと推定されています。

TokioExpress号におこった不慮の事故によって海に投げ出されたレゴたちが、このような実験対象となりましたが、適切に処理をされず街で捨てられたペットボトルなどのプラスチックゴミは、雨などで川へ流れ最終的には海に辿り着き、自然に分解されることはなく、半永久的に溜まり続ける可能性があります。

世界では年間約800万トンものプラスチックが、ごみとして海に流れ込んでいるとも推計されています。これは東京スカイツリー222基分にあたるそうです。

TokioExpress号から海に放たれたレゴブロックは、皮肉にも潜水艦と水生生物に関するシリーズや海賊シリーズが大部分を占めていたそう。

私たちの暮らしを便利にしてきたプラスチック。しかし、今一人一人ができることを実践することが、未来の地球環境を守るために必要です。

なお、レゴでは2030年までに製品に使用する素材を従来のABS樹脂から100%持続可能な素材に置き換えることを発表しています。

プレビュー画像:©︎Twitter/LegoLostAtSea