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Lifehacks

江戸時代の女性は、顔に糞を塗っていた。その理由を知って、少し試してみたくなった。

美しくなりたい…いつの世も女性は変わらず美を追い求めてきました。現代では、InstagramやYouTubeなどで紹介される新しいメイク術やヘアアレンジ、スキンケア方法など、トレンドといわれるものは片っ端から試すという人もいるはず。でも現代のように既製のスキンケア用品がそれほど存在しなかった江戸時代の美の探求者たちは、良いと言われれるものは一瞬聞き間違えかと思うようなものまで顔に塗っていました。

それは、ウグイスの糞です。

 
 
 
 
 
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江戸時代の美人の条件はなんと言っても「色白の肌」。文化年間(1808〜1818年)に女性たちの間で美容書として人気を博した『都風俗化粧伝』でも、「色のしろきは七難かくすと、諺にいえり」と書かれており、女性たちはこぞって美白アイテムをスキンケアに取り入れていました。

そんな美白スキンケア用品として、なかでも普及していたのが、米糠と鶯の糞。精米時に必ず取れる米糠を、面や木綿の布袋に入れ、ぬるま湯に浸して軽く絞り、これで顔や全身の肌をやさしく洗ったのです。そして、さらに美白効果を高めるとして、鶯の糞や豆の粉を混ぜて使っていたそうです。

元々は、日常的に鉛や亜鉛を含むおしろいを使う歌舞伎役者や芸者さんたちが、スキンケアにと率先して顔に塗っていた鶯の糞。その後、その美肌効果が噂になり、公家や武家、商家のマダムの間に浸透していったのだとか。

実際、鶯の糞にはリゾチームなどの加水分解酵素が豊富に含まれており、この分解酵素が肌にたまっている余分な皮脂を溶かし、シミを軽減してくれるので全体的に肌色が明るくなるのだそうです。

この美肌効果は、現代にも脈々と語り継がれ、乾燥させた鶯の糞を紫外線で殺菌し粉末化し、フェイシャルパックとして塗ってくれるエステもあります。しかし、鳥獣保護法で捕獲や飼育が禁止されている鶯の糞は現在では、ほぼ入手不可能だそうで、鶯に近い種の鳥に、鶯と同じ餌を与え、同様の成分・効果を持つものとして販売している場合がほとんどのようです。

江戸時代の女性の美に対する鋭いアンテナには驚かされます。それにしてもなぜ、鶯の糞を顔に塗ろうと思ったのでしょうね。