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Lifehacks

ビールが嫌いなはずの母がある日ノンアルビールを飲んでいた でもその理由を聞いて1ケースプレゼントしようとすぐさま酒屋に買いに走った

「酒は百薬の長」という言葉は、誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。適量のお酒は、どんな良薬にも勝る、という意味をもつ言葉ですが、実は「されど万病の元」という続きが。


健康や美容にまつわる動画はこちらから!(記事の続きはスクロールしてご覧ください)

 


この言葉の通り、お酒の飲み過ぎはアルコール依存症や肝疾患、高血圧に心筋梗塞など体の様々な面において支障をきたします。しかし、アルコールの中でも身近な存在であるビールが、実は認知症の予防に効果があるということがキリンビールの研究によって明らかになっています。

◾️ ビールに含まれる成分のうちホップに注目
ビールの4大原料と呼ばれるモルト、ホップ、酵母、水のうち、注目されたのがホップ

ホップは古くからヨーロッパを中心に、睡眠の質の改善や食欲の増進など民間医療で「薬用ハーブ」として活用されてきたと言われています。そのホップに含まれるα酸から製造工程で生成される苦味成分であるイソα酸に、アルツハイマー病の原因となる脳の老廃物の量を減らす効果があることがわかったのです。

◾️ イソα酸の効果
研究では、このイソα酸入りの食品を3カ月食べ続けた結果、脳内で、お掃除細胞と呼ばれる「ミクログリア」という免疫細胞の動きが活発化し、脳の老廃物の量は半分にまで減ったという結果が出ています。また、50~70歳の健康な方に毎日180mlのイソα酸が入りのノンアルコール飲料(イソα酸の含有量は3mg)を4週間摂取してもらった結果、脳内の情報伝達機能が改善することがわかったそうです。中でも、特に60~70歳の間でより効果があることが明らかになったとのこと。

また、イソα酸には、脳内の免疫細胞を活性化するだけでなく生活習慣病予防、痩身、血圧改善、白髪抑制など、うれしい効果もあるそうです。

◾️ ビールに含まれるイソα酸
一般のビールにはイソα酸が10~30ppm程度含まれています。最近流行中のクラフトビールで見られるIPAビール(インディア・ペール・エールと呼ばれるイギリス発祥のビール)やセゾンビール(ベルギー発祥のビール)はホップをたくさん使って作られるため苦味が強くイソα酸が多く含まれているそうです。

また、上記の実験でも明らかになっているように、ビールテイストのノンアルコール飲料にもイソα酸は12~30ppmほど含まれています。

お酒が苦手な方やアルコール摂取を控えたい方には、ノンアルコールタイプでもイソα酸の効果を得ることができるのです。

しかし、なんと言っても大切なのは適量を守ることです。アルコールの取りすぎは体や脳のあちこちに悪影響を与えます。厚生労働省が適量としている1日平均の純アルコール量は20g。男性ではアルコール度数5%程度の缶ビールなら500mLのロング缶1本、女性は男性より体が小さいので、この3分の2から半分が適量と言われています。飲み過ぎにはくれぐれも注意をしてください。

ビール特有の苦味成分に脳の機能を改善する効果があったとは、驚きです。ビールやビールテイストのノンアルコール飲料は苦いから苦手…という方もいらっしゃると思いますが、ノンアルコールタイプを少しだけ飲んでみるのもいいかもしれません。近い将来、このホップ由来の苦味成分を多く含む食品や飲料が多く開発されることに期待したいですね。

プレビュー画像:©︎Twitter/nabeyasu71