バスルーム・洗濯
洗濯機の破損・故障につながる|防水性の衣類を洗う時に気をつけたいこと
雨の日や水辺でのキャンプなどの野外活動時に便利な防水機能付き衣類。また衣類だけでなく、防水機能がついたシーツやベッドカバーは、小さな子供やペットがいる家庭で活躍します。
でも、みなさん防水機能のついた衣類やシーツなどはどうやって洗濯をしていますか?もしその他の衣類と同様に洗濯をしているという場合は、洗濯機を故障させてしまうかもしれません。
防水機能付き衣類は脱水に注意
防水加工された布は、水滴を通さないように隙間なく生地を縫い合わせ、水が浸透するのを防いでいます。さらに、生地の裏にはラミネート加工やコーティング加工など、水を通さない特殊な加工が施されているものもあります。
洗濯機における脱水では、洗濯槽を高速で回転させることで、洗濯物に含まれた水分を振り飛ばします。しかし、防水加工の衣類は水を通さないという性質から、洗濯機内で衣類から水分が抜けず、まるで水の入ったポリ袋が脱水時に洗濯槽内で高速回転をしている状態になってしまいます。
そうなると、水を含んだ洗濯物が遠心力によって移動することから、洗濯槽が本来のように回転できなくなり、ガタガタと大きな音を立てバランスが崩れて転倒をしたり、水や洗濯物が飛び出すといった事態につながってしまいます。これにより、近くにいる人が怪我をする危険や、洗濯機自体が変形したり、破損をしてしまうおそれがあるのです。
事件
— 高木聖佳 (@takagikiyoka) October 19, 2022
洗濯機から爆発音と警報音が鳴り響いたから
慌てて見に行ったら本当に爆発状態やった!
操作盤浮いてるし、洗濯機の位置変わってるし∑(゚Д゚)
検索したら
防水加工の衣類を脱水したらこうなるらしい😂
ねぇそんなん知ってた?
お願いみんな、私を教訓に心にメモして!
てかこれ常識?😂 pic.twitter.com/U19c7Sq7Xw
こういった事態は、2013年に国民生活センターが、実際に起きた例を検証し、注意を呼びかけています。
防水加工されいてる衣類の他にも、毛布などの大きな洗濯物を洗濯槽内で折り畳み積み重ねたりした状態で洗濯をすると、衣類が固まり偏ってしまい脱水時の洗濯機の異常な振動の原因となるそうです。
これは、家庭用の洗濯機だけでなく、コインランドリーでも同様のようです。
防水機能のついた衣類の洗濯は、洗濯前に必ずタグに記載されている洗濯表示に従ったお手入れ方法をするようにします。防水機能のついた衣類は、手洗いで汚れを落とし、濯ぎをした後、バスタオルなどで水分を拭き取るようにすれば、脱水機能を使わなくてもある程度の水分を取り除くことができます。
撥水加工と防水加工の違い
防水機能の他にも類似のもので、撥水加工の衣類があります。ダウンジャケットやリュックサックなど、アウトドア系の衣類によく見られますが、撥水加工の場合は、「撥水基」といううろこ状の突起物が生地表面にコーティングされており、水や汚れを弾くという仕組みになっています。脱水加工と違い、生地の縫い目そのものを隙間なく縫い合わせているわけではないため、通気性・透湿性に優れています。
【撥水加工と防水加工】
— 帽子屋レモンライムフィッシュ (@lemonlimefish22) October 14, 2016
違い…分かりますか? ・撥水加工は水をはじく加工。
・防水加工は水滴を通さない加工。
水を防ぐ力は、圧倒的に防水加工の方が強力になります❗
過去に登山… https://t.co/nM8Be9943B pic.twitter.com/CSWZtDfOLj
生地の縫い目そのものを隙間なく縫い合わせているわけではないのであれば、洗濯機で洗ってもいいのでは?と思うかもしれません。しかし、撥水加工の場合は、一度に大量の水を浴びてしまった場合、撥水効果が弱くなってしまうため、こちらも、別の意味で洗濯機での洗濯には注意が必要です。洗濯前に必ずタグを確認するようにしてください。
洗濯表示の確認と注意点
衣類は、基本はタグについている洗濯表示に従って洗濯をします。洗濯機で洗えないものについては、タグに桶にバツ印の「洗濯×」表示がありますが、それだけではありません。
上記で紹介したように、防水加工がされたもの、また家電製品メーカーであるシャープ)(@SHARP_JP)によると、座布団など中にウレタンの入っているもの、裏に滑り止めのゴムが付いているマット類は洗濯機での洗濯・脱水、また乾燥ができないそうです。
大事なことですので私からも。洗濯機で洗えないのは衣類のタグに「洗濯×」表示があるものだけではありません。防水性のあるもの、手洗い表示のもの、中にウレタンが入ったものなど、洗濯機の故障につながる場合もあるので、くれぐれもご注意ください。 pic.twitter.com/2WfXzITV3O
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) October 20, 2022
手持ちの衣類のタグを確かめる他にも、使っている洗濯機の取扱説明書を確認しておくことをおすすめします。
シルクやウール製品など、デリケートな素材のもののお手入れについては、気をつけているという人が多いと思います。しかし、防水加工の衣類やシーツなどは、洗濯機で洗えるものだと思っていた人が多いのではないでしょうか。安価とは言えない洗濯機。壊れてしまうと大きな出費となってしまうため、気をつけていきたいですね。
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プレビュー画像:©︎flickr/syobosyobo
出典:日本繊維・クリーニング協議会, 国民生活センター