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家事

【冬は特に危険】調理時に起きる着衣着火に注意

冬の季節は、暖房があるとはいえ家の中でも厚着でいることが多い季節。特に冬のキッチンは寒く、料理をする時に手足の冷えが気になって、厚着しながら料理するなんてこともありますよね。

でも、厚着をする冬の調理時にはある危険が潜んでいると言われています。

その危険とは、こんろの火が衣類に引火する「着衣着火」という現象

長袖の袖口から着火することが大半ですが、腹部から着火することがあり、その場合、重度の火傷や、最悪死に至るケースもあるそうです。

消費者庁によると、なんと年間で約100人の人が着衣着火により命を落としているとのこと。着衣着火による事故は焚き火が最も多く、その次が炊事中によるものだそう。また、大々的な引火とは行かずとも、衣類を焦がしてしまったという人が数多くいるようです。

冬は空気が乾燥し火災が発生しやすい事に加え、長袖の衣類やフリース素材など燃えやすい素材の防寒衣類が多いことから、特に寒さが厳しい年末年始から年明け1月には、このような調理時の衣類への引火による事故へ注意が必要と言われています。

では、着衣着火を防ぐにはどのようなポイントに気をつけるといいのでしょうか。

着衣着火を防止するためのポイント

・袖口が広がった服で調理しない。また、ストールなど垂れ下がるものは着用しないようにしてください。

・着火しやすい素材(綿・植物性繊維、パイル地、レーヨンなど)の服は避ける。調理時は、防炎製品のエプロンやアームカバーを付けるとより安心です。

・こんろの奥に調味料などは置かない。こんろの奥にあるものを取ろうとした、手を伸ばしたら袖口に引火するという場合があります。

・火に近づきすぎない。基本のように思えますが、冬は厚着をしているため、知らず知らずのうちに火に近づいてしまうことがあります。袖口だけでなく、腹部に引火するという恐れも。妊婦の人は、思った以上にお腹がこんろの火に近づいている場合があるため、要注意です。

・火の大きさを適正な大きさに調整したり、こまめに消化をする。鍋等の底から炎がはみ出した状態も、衣類への引火に繋がる恐れがあります。また、こんろの火をつけっぱなしにして次の鍋を…と言う調理手順だと引火のリスクが高まります。

・アルコール消毒後すぐの調理は気をつける。コロナ禍でおいて日常となったアルコール消毒ですが、火を扱う際は細心の注意が必要です。

<表面フラッシュ現象にも要注意>
着火しやすい素材の衣類を避けるとしましたが、冬のあったかルームウエアは起毛したものが多く、こういった衣類の場合火が一気に広がる危険性があるので特に注意が必要です。

では、万が一引火してしまった場合どのように対処するのがいいのでしょうか。

衣類に火が燃え移ってしまった時の対処法

万が一、火が衣類に引火した場合は、脱ぐ・叩く・水をかけるなどして早急に消火する必要があります。しかし、もし近くに水がない場合などは、「ストップ!ドロップ&ロール!(止まって、倒れて、転がって)」という、着衣着火時の防衛対策としてアメリカで考案された方法があります。 

<ストップ!ドロップ&ロール!のやり方>

1.ストップ
火の勢いを大きくさせないために、まずはその場に止まります。慌てて走って火を振り払おうとすると、かえって火の勢いを大きくするので走っては絶対にいけません。

2.ドロップ
地面に倒れこみ、燃えているところを地面に押しつけるように。体と地面をくっつけます。体と地面の間にできるだけ隙間ができないようにすることで、火が燃え広がるのを防ぎます。

3.ロール
地面に倒れたまま左右に転がります。転がることで洋服についた火を窒息消火させます。転がるときは、両手で顔を覆うようにして顔への火傷を防ぐようにします。

こちらは名古屋市消防局が紹介している着衣着火についての注意喚起動画です。動画内ではストップ!ドロップ&ロールも紹介されています。

高齢者は特に注意

厚着をする冬の季節に気をつけたい着衣着火ですが、特に高齢者は、素早く消火ができず重症化してしまう場合が多くあるため、注意が必要と言われています。

寒さが一段と厳しくなる年明け、ガスコンロを利用されている方は、調理の際に、衣類への引火にくれぐれもお気をつけください。

冬の季節の火災予防に関する記事は以下でも紹介しています。

冬のロボット掃除機使用時に気をつけたいこと

プレビュー画像:©︎Twitter/sogeking1021
出典:消費者庁, 羊蹄山ろく消防組合,富士山南東消防本部