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電源タップや延長コードによる火災リスクを回避するための7つのポイント

スマホや家電、PCなど、家の中の電子機器の数は増える一方ですが、コンセントの数は限られています。そんなときに便利なのが電源タップや延長コード。1つのコンセントに複数の機器をつなぐことができる電気器具です。一見、シンプルで完璧なソリューションのように思えますが、誤った方法で使用すると、火災などのトラブルが起こってしまう危険があります。

電源タップや延長コードの火災リスクはかなり過小評価されており、多くの人は適当に配線して使っています。なかには、煙が出たり、発火して初めて問題に気が付く人も。

たとえば、容量の限界を超えて使い続けると、過電流による異常発熱が起こります。タップに安全ブレーカーがついていれば容量を超えた時点で自動的に電源を切断しますが、安全装置が内臓されていない場合は機器の焼損や火災につながりかねません。

また、容量オーバーだけでなく、接触不良や不適切な使用も電源タップ火災の原因となります。

この記事では、電源タップを使用する際に火災のリスクを回避するための7つのポイントをご紹介します。

1. ほこりはこまめに掃除する

電源タップにほこりが積もると「トラッキング現象」が起こりやすくなります。トラッキング現象とはコンセントの差込口付近にたまったホコリに湿気が付着し、その水分に電気が流れてホコリに着火する現象。そのため、電源タップはこまめに掃除する必要があります。タップを食器棚やソファの下に隠すのも、ホコリが溜まりやすい場所なのでNGです。

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2. 定格容量に注意

電源タップは使用できる定格容量が決められています。定格容量は通常1,500W。つまり、使用している機器の消費電力の総和が1,500Wを超えてはならないということです。スマホは100W〜240W、パソコンやテレビは150W程度なので、同時に複数台使用しても問題ありませんが、これに掃除機(1000W)あるいはドライヤー(1200W)が加わると、簡単に過負荷状態になってしまいます。

家電製品の消費電力の目安をご紹介しましょう。

  • ファンヒーター、エアコン:1500W
  • テレビ:150W
  • 冷蔵庫:150W
  • 掃除機:200~1000W
  • 電子レンジ:1000W
  • トースター:1000W
  • 炊飯器:600W
  • ドライヤー:1200W
  • 電気カーペット:500〜800W

容量オーバーの危険を回避するため、消費電力の大きな家電は電源タップから電源を取らず、壁などの個別コンセントに接続しましょう。

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3. 電源タップ同士をつなげない

いわゆる「タコ足配線」にして3口のタップに3口のタップをつなげば6口の電源タップになります。魅力的なアイデアに思えますが、実はそうでもありません。複数のタップを継増ししても、1500W+1500Wで3000Wにはならず、合計容量1500Wに変わりはないのです。差込口が増えたことで過容量になりやすいうえに、プラグとコンセントを繋ぐ接続点が増えるため、プラグの抜けによる不具合(接触不良)も生じやすいのです。そのため、電源タップ同士をつなげて使うことはオススメしません。

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4. カバーをかけない

電化製品は使用していると電源が熱を帯びます。カバーをかけて使用すると、たとえ電源タップの容量制限を超えていなくても、熱がこもって火災につながることがあります。

そのため、電源タップや延長コードがカーペットやカーテンなどで覆われていないことを確認してください。

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5. 湿気のこもる場所には置かない

普通の電源タップは浴室などの湿気のこもる場所では使用できません。湿気が多いと腐食やショートの原因となるためです。バスルームなどで使いたい場合は、防水仕様の電源タップを購入してください。

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6. 古い電源タップは定期的に交換する

電源タップや延長コードは消耗品です。使い続けると劣化し、腐食によりリード線がもろくなります。目安として3〜5年が寿命と言われています。定期的に、変色などの目に見える不具合がないか確認し、長くても5年を目安に交換してください。

Old Power Strip

7. 安全性で選ぶ

電源タップの品質には機種によって大きな違いがあります。安価な外国製の製品のなかには必要な基準を満たしていないものもあり、過負荷や発火のリスクが高くなります。逆に、雷ガードやトラッキング防止機能などの安全装置がついた電源タップは安心して使用することができます。

雷ガードは電線などに雷が落ちた場合の過電流をガードし、機器を破損から保護してくれる機能です。トラッキング防止機能は、絶縁性キャップや防水キャップによって火災や感電を防いでくれます。

多少高くても、安全性を重視して製品を選ぶようにしましょう。

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トラッキング火災は静かに起こるため、気付くのが遅れ、大きな被害につながることも少なくありません。また、火災は物的な被害だけでなく、大切なものが炎に包まれてしまうという精神的なトラウマをもたらします。

これを機に、ご自宅のコンセントや電源タップ、延長コードの使用状況を見直してみてください。

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出典:swrfernsehen 

プレビュー画像: ©MediaPartisans ©Gettyimages