ちえとくをフォローする

Lifehacks

今では過去の遺産となりつつあるドイツの女性たちの12の習慣

日本は昨年のジェンダー・ギャップ指数で153カ国中121位で先進国中最下位でした。それでも、かつての「女性は家で家事や育児」が当たり前だった時代と比べると「女性はこうあるべき」という意識が少しずつ変わってきているのを感じます。では、同指数で第10位だったドイツの女性たちの「女性らしさ」や、性別による役割分業に対する意識はどのように変化しているのでしょう。


男でも女でも家事は時短で賢くこなしたいもの。キッチンやバスルーム、トイレ、ベッドルーム、車内のお掃除に使えるDIYアイデアを集めた動画はこちらからご覧いただけます(記事本文は下へスクロールしてください)。

 


ドイツではおばあちゃんのことをOma(オマ)といい、オマたちの生活の知恵は今も世代を超えて伝えられています。同時に、今では消えつつある伝統や常識もあります。たとえば、女性は正装ではハイヒールを履くべき、すべての衣類にアイロンをかけなければならない、といった価値観はもう時代遅れと考えられています。

では、ドイツで過去の遺産となりつつある女性たちの習慣をご覧ください。

1. すべての洗濯物にアイロンをかける

ヨーロッパでは長い間すべての衣類にアイロンをかけていました。驚くべきことに靴下や下着にまでかけるのが常識でした。今もドイツのオマたちはアイロンがけを習慣にしていますが、若い世代の女性たちはアイロンをめったに使わなくなっています。今はアイロンがけがいらない服を買うこともできるので、時間を無駄にしたくないと考えているそうです。

Ironing

2. 白髪を染める

多くの女性が初めて自分の髪に白髪を見つけると、少なからずショックを受けます。かつてはドイツでも、女性の頭に白髪が増えてくると白髪染めを使用するのが一般的でした。しかし、最近は白くなっていく髪を染めずに、白髪を活かす女性が増えています。白髪染めは髪や頭皮にダメージを与えるうえに、かなり面倒。自分の変化を受け入れることは精神的にもラクだと多くの女性が気づきはじめています。

3. タトゥーは若い人のもの

タトゥーやピアス、髪のカラーリングは若い人がするもの、それが昔は常識でした。40歳以上の人が目立つ外観をしていると、風変わりだと言われる時代もありました。しかし現在、ドイツを含め、ヨーロッパの大部分でタトゥーは個性とみなされ、老若男女に受け入れられています。高齢の女性こそ、自分の好きなものを正確に知っており、意味のない言葉などを彫って後悔することはない分、安心とも言えます。

4. ショートヘアへのネガティブイメージ

ヨーロッパでは女性は髪を長くすべきだという伝統があり、ショートヘアの女性はずぼらで外見を気にしないなどネガティブなイメージをもたれていました。しかし、実際にはショートの方が頻繁にお手入れが必要ですし、スタイリングにも時間がかかるもの。最近では、自分に似合っているから、あるいはショートが好きだから、という理由でショートカットにする女性がたくさんいます。

Even Shorter Hair!

5. 生理用品を買うことへの羞恥心

ドイツでも生理や生理用品について完全にオープンに語られているわけではありませんが、変化は起きています。昔はタンポンやナプキンを買うのを気恥ずかしく思っていた女性たちも、最近では違和感を感じなくなり、自然に対処できるようになってきたと言います。特に若い世代の女性たちは生理用品をパートナーに買ってきてもらうことも普通になっているそうです。

©Media Partisans

6. 着ない服をとっておく

日本もそうですが、ヨーロッパでも古い服を手放すのは難しいと感じる人は多いようです。特にオマ世代は、サイズが合わなくなっても、お金を払って買った服を処分することには抵抗があり、なかなか捨てられない人が多いようです。でも、いつか服が自分に合うようになるだろうと自分に言い聞かせて、クローゼットにしまっておいても、結局は着ないまま…ですよね。ドイツでも最近は、1年以上着ていない衣類は処分するか寄付した方がいいという断捨離精神が広まりつつあります。

messy closet

7. 家でもブラジャーをつける

ドイツでもかつては常にブラジャーをしていないと胸の形が悪くなると言われていました。でも今では、ほとんどの人が寝るときはブラジャーを外しています。寝るとき以外の自宅でのプライベートな時間には、まったく着けない人もいれば、日中はつけて寝る前に外す人もいます。でも、どちらかと言えば、家では快適に過ごしたいのでブラを外している人が増えているようです。ブラの着用が健康や胸の形に影響を及ぼすという科学的な根拠はありませんから、どちらが快適かはそれぞれの女性が自分で判断すべきということでしょう。

©Pixabay

8. ハイヒール

長い間、ハイヒールは女性の必需品でした。女性たちは脚を長く見せ、上品な女性らしさを演出するために普段からハイヒールを着用してきました。ただ、面白いことに、中世ヨーロッパではヒールの高い靴は貴族の男性専用だったのです。しかし、誰が履いていようと、どんなに優雅に履こうと、ハイヒールは健康に悪く、履き心地もよくありません。ドイツは道が石畳であることも多く、女性のほとんどが今ではハイヒールを履いていません。

9. ドレスを買う

プロムドレスなど1回のイベントのためだけに購入されるドレスは高価ですし、その後はクローゼットにしまわれ、2度と着られることはありません。ですから、一晩しか着ないとわかっているドレスはレンタルしたほうがいいと考える人が増えています。

All Dressed Up!

10.  食料の買いだめ

昔からドイツでは厳しい冬の食料不足に備え、ハムやソーセージ、ピクルスやザワークラウトなどの保存食品が発達しました。同じ理由でジャガイモや玉ねぎ、缶詰などを地下室に買いだめしておくことが伝統でした。しかし、最近は冬でも食料が簡単に手に入るため、食品を長期保存する必要もなくなりました。買いだめしておくと、消費する前に製品の期限切れになるなど、かえってもったいないことになってしまうこともあり、買いだめの習慣はなくなりつつあります。

Pantry

11. 結婚指輪を常につける

現在は既婚女性が結婚指輪をはめていなくても、浮気をしているとか、夫を愛していないなどとは思われません。金属アレルギーがあったり、アクセサリーが好きではなかったり、単にはめ忘れだったり、さまざまな理由で結婚指輪をはめていない女性も多いのです。ちなみに、ドイツでは結婚指輪は右手の薬指にはめるのが一般的です。

Wedding Ring

12. 劇場に行くときはドレスアップ

ドイツではかつては劇場に足を運ぶときは、イブニングドレスなど特別にドレスアップして出かけることが期待されていました。この伝統の起源は、演劇鑑賞が富豪や貴族の特権であった歴史にあります。彼らは演劇を楽しむためだけでなく、財産とセンスを見せびらかすために劇場に出向いたのです。しかし現在は、本当に芝居好きの人たちは舞台を見ることから人の気をそらさないように、楽で目立たない服を着ることを勧めるようになりました。

Mariinski Ballett

ドイツの女性たちは、自分らしく、無理せずに暮らす方向に向かっているような印象ですね。個人的には、日本でももっと「こうあるべき」という縛りから自分を緩める方向に価値観が変化していけばいいなと感じています。

 

プレビュー画像: ©flickr/Quinn Dombrowski ©pinterest/ignant