ドイツの天気にまつわる民間伝承

現在の天気予報は、各地の気象観測システムからのデータと衛星画像を元に発表されています。 しかし、こうしたシステムがなかった時代、人々はさまざまな自然現象を丹念に観察し、気象との因果関係について経験則を積み重ねて、天気を予想してきました。

Farmer

空の色、雲の形や動き、風や湿度、太陽や月の見え方、動物の活動と天気の関係…先人たちによって長い年月にわたって蓄積された経験則は、今も世界中で残っています。日本でも「つばめが低く飛ぶと雨」「夕焼けは晴れ」などのことわざはよく知られています。

この記事では、ドイツの農村地域で伝えられてきた天気にまつわる伝承をご紹介します。

1.「朝露は空を青くする(Morgentau macht Himmelblau)」

日本にも同じように、「クモの巣に朝露がかかっていると晴れ」という言葉があります。これは気象学的にも説明できます。朝露がついているということは、晴れた風のない夜だったということ。曇りの夜には露はあまりつきません。ですから、その天候がそのまま続き、(少なくとも午前中いっぱいは)晴れるだろう、と考えられるのです。

 
 
 
 
 
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2. 「諸聖人の日は冬を強く厳しくする(Allerheiligenreif macht den Winter stark und steif)」

カトリック教会では11月1日は「諸聖人の日(万聖節)」という祝日。過去には、この日は冬の天気を予測する節目と考えられていました。日本でも11月は「霜月」と呼ばれますが、ドイツでは、11月1日に牧草地や葉に霜がおりていれば「ホワイトクリスマス」、つまり寒い冬になると考えられていたそうです。

3. 「朝焼けの日は悪天候(Morgenrot, schlecht Wetter droht)」

日本でも「朝焼けの日は雨」ということわざがあります。天気アプリのない時代には世界のどこでも、その日の天気を朝一番で知る術が必要だったのでしょう。

ヨーロッパでも日本と同じく、天気は西から東へと変わっていきます。朝焼けは、東から昇る太陽が西の雲に当たって輝いているため、西に雲がある=その日は雨になる、と考えられたのです。

 
 
 
 
 
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4. 「10月が荒れると、1月は寒くない(Oktober rau, Januar flau)」

この民間伝承は科学的にも確認されています。統計によると、10月の気温が前年より平均1.5度低いと、1月が温暖になる確率は71%なのだとか。

5. 「クモが部屋に入ってきたらもうすぐ冬(Ziehen die Spinnen ins Gemach, kommt gleich der Winter nach.)」

動物は人間よりも天候に敏感なので、動物の動きは、世界各地で天候を知る重要な手がかりと考えられてきました。ただし、このことわざは注意が必要。越冬するクモの多くは、確かに冬に家の中に逃げ込みますが、果たして蜘蛛が寒くなりそうだと予知して家に入るのか、それとも寒くなってから家に入るのかは定かではありません。

 
 
 
 
 
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6. 「4月は好き放題にふるまう(April, April, der macht, was er will)」

ドイツの天候にまつわる言葉としては、これが最も有名かもしれません。実際にヨーロッパの4月 (春)の天気 は、晴れたと思えば、嵐になったり、雪が降ったり、本当に気まぐれ。同じような意味で「4月の天気と女心は同じ」ということわざもあります。日本では「女心と秋の空」と言いますね。季節は違えども、女心が変わりやすい天気に例えられるのは古今東西同じようです。

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8. 「1月が白ければ、夏は間違いなく暑くなる(Ist der Januar hell und weiß, wird der Sommer sicher heiß)」

農民にとっては天候の長期予報は死活問題。これは、厳冬の後に暑い夏がくると繰り返し経験した農民たちが語り継いできた言葉です。実際、統計によると、雪の多い冬の後は65%以上の確率で7月と8月の気温が平均より高くなっていました。

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今よりも自然との関わりが深かった時代、天候次第で命をつなぐ食べ物の収穫量が変わるだけでなく、悪天候により命を落とすことも多かったことでしょう。先人たちが残した言葉のなかには気象学では説明のつかないものもありますが、丹念な観察と長年の経験に基づいているため、意外なほど的中率は高いようです。世界各地、日本各地に伝わる天気の伝承、興味ある方は調べてみてはいかがでしょうか。

プレビュー画像: ©Pinterest/cookingintongues.com ©Instagram/b.cadwalader

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