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Lifehacks

自然に対する認識を変えてくれる動物の記録10選

大いなる自然の神秘は尽きる事がありません。さまざまな研究調査が進み明らかになる動植物に関する数字や事実は、改めて人間はまだ自然のことを何も知らないということを教えてくれるようです。おなじみのかわいい動物や珍動物の知られざる事実をご覧ください。

pixabay/katharinakanns

1. 一番人を殺したのは…

ギネスブックの公式記録によれば動物界で最も危険とされるのがチャムパワットと呼ばれるメスのトラです。1900年初頭、8年間に渡ってネパール・インドの国境付近の村々の人々を襲い続け、被害人数は436人にのぼります。

チャムパワットは1907年英国人ハンターのジム・コルベットによって射殺されています。コルベットは、生涯ハンターとしてインド・ネパールの人喰い動物退治に明け暮れた人物です。射殺されたトラやヒョウの検死結果によれば、人肉を食べていたのは病気や怪我が原因だったことが明らかになっています。

Ranthambhore

2. 一番絶倫なのは…

北太平洋とベーリング海に生息するキタオットセイの寿命は20〜25年。オスは繁殖能力のある5〜6年は”絶倫時代”を過ごすのです。

ほかにすることもないのでしょう。あるキタオットセイのオスは生涯で163頭ものメスと交尾した記録があるそうです。平均でもオス1頭が30頭のメスと交尾する哺乳類最大のポリガミー(複婚)コミュニティを形成する動物です。

wikipedia/public domain

3. 足の数が一番多いのは…

百足(ムカデ)、ではありません。一番足の数が多いのは、百足と似たような見た目ですがれっきとした別の生物ヤスデの一種で、足の数は750本。

ヤスデにも何種類もいますが、メスで平均600〜700本、オスでは平均400本だそうです。メスの平均体長は3cmと小柄ながら多足の生き物です。

wikipedia/CC BY 2.0/Ralf Janssen, Nikola-Michael Prpic and Wim GM Damen

4. 一番毛深いのは…

真冬の寒さから身を守るには脂肪分をたっぷり蓄えるか分厚いコートを着る必要がありますが、常日頃からこの寒さ対策を実践しているのがラッコ。

成獣のラッコでは、体毛の数は8億本。ぎっしり生えた8億本の体毛が防水防寒の最高のコートの役割を果たしてくれるのです。人間の頭髪ならラッコの皮膚の6㎠に収まってしまうそうです。

Sea Otter

5. 一番穴掘りが早いのは…

アフリカ諸国に生息する夜行性の哺乳類ツチブタは、日没から日の出までの間に餌を探してあちこち行動しますが、いたるところに避難場所となる穴を掘って行きます。しかもわずか5分で、体長100〜160cmという大きい体を隠すに十分な穴を掘ってしまうのです。

南アフリカなど一部の地域では、ツチブタの掘った穴が1.5ヘクタールの土地に101個も空いていることもあるそうです。

Aardvark

6. 一番鼻が利くのは…

犬の嗅覚が優れていることはよく知られていますが、ホッキョクグマも非常に優れた嗅覚の持ち主であることはあまり知られていません。

雪と氷に閉ざされた世界で、ホッキョクグマは数キロ先から獲物の匂いを嗅ぎ取ることができます。分厚い氷の下を泳ぐアザラシの匂いなら、10km先でも嗅ぎとれるそうです。ホッキョクグマは獲物を追いかけて64kmも移動したという調査結果もあるほど、鼻の効く動物です。

Polar bear on sea ice North of Svalbard https://www.ltandc.org/svalbard/

7. 一番目が大きいのは…

世界最大の無脊椎動物、ダイオウイカは大きなものともなると体長18mを超えます。平均体長は12〜14m、体重は750kgという破格の大きさのダイオウイカは目だって大きいのです。目の直径は30cm、この世界最大の目でごくわずかの光も捉えます。

wikipedia/CC BY-SA 4.0

8. 世界最大のシェアハウスの持ち主は…

南アフリカのを主な生息地とするスズメの仲間の「シャカイハタオリ」は巨大なコロニーを形成する鳥です。何羽もが共同作業で巣を作り続け、巣は拡大し続けます。最終的に重たくなりすぎて崩れてしまうのだとか。写真のような巨大な巣には150羽ほどが暮らしています。

同じ巣の鳥同士助け合って暮らすシャカイハタオリは、たとえ現在子育て中でなくても若鳥にはヒナを世話する性質が備わっていて、他の親鳥のヘルパー役を引き受けるそうです。

wikipedia/CC BY-SA 2.5/Harald Süpfle

9. 奇跡のカムバック

チャコペッカリーは南アメリカ大陸に生息するイノシシの一種ですが、これまで化石でしか発見されておらず、1万年以上前の氷河期に絶滅したと考えられていました。

ところが、1975年にパラグアイで生きているチャコペッカリーが発見されます。実は絶滅していなかったチャコペッカリーですが、現在は生体数を激減させいよいよ絶滅の危機にあります。

Chacoan peccary

10. 死ぬほど愛する動物

オーストラリアに生息するバンディクートの仲間は、ネズミによく似た見た目の哺乳類です。この動物は、8月になると2週間の一斉繁殖期が開始します。巣で待機する何匹かのオスの元を、こちらも数匹のメスが訪れ、12〜14時間にわたって巣穴の全員が誰彼構わずとにかく交尾し続けます。

オスは無事にできるだけ早くたくさん交尾しなければならないというストレスで、事が済むとすぐに死んでしまいます。

28日間の妊娠期間を経て、メスは一斉に出産します。一度に何匹も出産したメスは、その後子育てに入りますが、翌年の繁殖期までの生存確率はわずか15%だそうです。

wikipedia/CC BY-SA 2.5/Glen Fergus

動物たちの多種多様な生き方は、もちろん環境に適して何世代にもわたって編み出された生存するための答え。気候変動や環境破壊で動物の住環境が大きく変わる今、これから動物たちがどう進化していくのか、気になりますね。

プレビュー画像:©︎flickr/Koshy Koshy