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DIY

ヨーロッパのおばあちゃんやおじいちゃんに教わる昔ながらの庭づくりと野菜づくりの知恵13選

化学肥料や除草剤のなかった昔、人々はどうすれば元気な作物を育てられるかを試行錯誤しながら、経験で得られた知恵と実用的なノウハウを蓄積して、庭づくりや野菜づくりを営んできました。

そんな先人が脈々と受け継いできた豊かな知恵は忘れてしまうには惜しいものばかり。最近では、家庭菜園の愛好家を中心に、昔ながらの農法への注目が再び高まっています。

silly mom silly dad

この記事では、ヨーロッパのおばあちゃんとおじいちゃんから教わった庭づくりや家庭菜園に役立つ13の知恵をご紹介します。

1. 庭の癒しの力

昔から薬草(ハーブ)は庭に必ず植えられており、暮らしの中で活用されてきました。たとえば、胃が痛いときはカモミールとミントで作ったお茶、喉が痛いときはセージのお茶、打ち身や傷にはアーニカのチンキなど。

また、ハーブは後述の「コンパニオンプランツ」としても優秀なので、畑作りにも欠かせません。

2. 自家採種

昔は、ほとんどの種は自分たちで手に入れていました。タネをとりたい株の実を収穫せず熟すまで畑に残しておくのです。種をとったら乾燥させて冷暗所で保管すれば、翌年また植えることができます。じゃがいもなどの種イモは、植える1週間ほど前に水に浸しておくと、細かい根ができて育ちやすくなります。

3. グランドカバー植物

昔は除草剤はありませんから、雑草は手で抜いていました。面倒ではありますが、安全で効果的です。少しでも雑草を抜く手間を減らすための先人の知恵にグランドカバー植物があります。グランドカバー植物は地面を覆うように成長するので、雑草を抑えてくれます。たとえば、ナスタチウムは成長旺盛なグランドカバー植物。花も葉もかわいいらしいだけでなく、食用にもなり、とてもおいしいのです。

4. ナメクジ対策

最近では、ナメクジを庭から追い出すための薬剤やペレットが多く販売されています。昔は湿った木の板を庭の脇の湿った場所に置いて、ナメクジを1箇所に集めていました。

5. ゴミを活用

捨てるのではなく使う。おじいちゃん、おばあちゃんの庭でのモットーです。家庭内のゴミの中には肥料になるものがたくさんあります。今はゴミを簡単に堆肥化できるコンポストのキットがあるのでぜひ試してみてください。コーヒーかす、茶葉、木灰などは、そのまま撒いてもよい肥料になります。鶏糞も優れた肥料で、美しい花や果物を作ることができます。

6. 植物にもハーブティーを

昔は、イラクサやスギナなどを煮出したもので植物を害虫から守っていました。

7. コンパニオンプランツ

コンパニオンプランツとは、相性のいい野菜やハーブのこと。一緒に植えることで病害虫が減り、収穫量が増えるという嬉しい効果が得られます。ですから、どの植物とどの植物が相性がいいのか、悪いのかを知っておくことは非常に重要だと考えられました。たとえば、相性がいいのはトマトとバジル、キュウリとネギ、イチゴとニンニク、ジャガイモとインゲンなどがあります。

Prized green beans

8. 暦を活用

どの国にも農作業の時期や季節の変化を記した暦があります。日本にも二十四節気(にじゅうしせっき)という季節の変わり目を示す暦がありますね。作物を育てる上で、季節の変化は重要な情報です。ぜひ確認しましょう。

9. 湿った草は刈らない

草刈りをするときは、草が乾いているときにしましょう。湿った草を刈ると切り口がきれいにならず、草刈機の刃に付着してしまいます。さらに草が濡れていると重いので作業の負担も大きくなります。草刈りをするときは天気予報をチェックして、雨が降る前に刈りましょう。

10. ソルトシェーカーで種まき

種子は均等に撒く必要があります。おじいちゃん、おばあちゃんはブリキ缶でシェーカーを作り、底に一定の間隔で穴を開けて、種まきをしました。細かい種の場合は市販のソルトシェーカーを使うこともできます

11. 苗床の工夫

苗床を作るときは、小さな苗が東西の強風で被害を受けないように、南北方向に畝を作りましょう。昔は、種子や苗の列がまっすぐになるように畝の端から端に糸を張り、それを目安に種まきや植え付けをしていました。また、苗の間隔に気を配りたいなら、糸に定間隔で結び目をつければ植える場所の目安になります。

Gardening with Grandpa

12. 緑肥の利用

インゲン、レンゲ、クローバーなどのマメ科植物は根に根粒菌が共生するため、空気中のチッソを固定して土壌に供給してくれるため緑肥と呼ばれます。緑肥を栽培するだけでも効果的ですが、収穫後に細かくして土にすき込むとさらに有効です。

13. 益虫を呼ぶ

アブラムシを大量に食べるテントウムシは、庭づくりのお手伝いをしてくれる大切な益虫です。ヨーロッパではテントウムシは悪い魔女から人々を救う「聖母マリアの使者」とみなされていました。益虫が食べるものを十分に見つけられるように、害虫の化学的な駆除は避けましょう。ナスタチウムやカモミールはテントウムシを引き寄せる効果もあるので是非植えたいハーブです。

Ladybug on a finger

植物同士の関係や植物と虫との関係など、自然界の仕組みを利用して、安全に元気な作物を育てる先人の知恵、素晴らしいですね。忘れてしまうには惜しいものばかりです。皆さんもぜひ昔ながらの知恵を活用して家庭菜園で美味しい野菜を育ててみてください。

プレビュー画像: ©flickr/Lee Haywood ©flickr/mamanat – Alison Squiers Photography