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Lifehacks

【美しい花…でも実は危険】よく見かけるこの花 その恐るべき特徴を知って震えた

「エンジェルトランペット(和名キダチチョウセンアサガオ)という植物をご存知ですか?Angel’s Trumpet=天使のトランペットという可愛らしい名前のように、オレンジや黄色、薄ピンクのトランペットのような形状の花を咲かせる熱帯花木です。花期になるとラッパ状の可憐な花がぶら下がるかのようにいくつも花開く姿は、なんともいえないエキゾチックな趣きがあります。

Angel's Trumpet

南米原産の熱帯花木ですが、冬越しの耐寒温度は0℃と寒さにも強く比較的育てやすいことから、日本でも園芸に人気の植物。近年では庭に植える家庭も増えつつあります。

Angel's Trumpets

開花時期は春から秋にかけて。品種によっては夕暮れ時に爽やかで甘い香りを放つものもあり、ついつい花に鼻をあてて香りを嗅ぎたくなるかもしれません。

でも、その行為、絶対にやめてください。せん妄や幻聴・幻覚、ときには錯乱など意識障害を引き起こす可能性があるからです。

花弁の中に鼻を入れるようにしてガッツリ香りを嗅いでしまったこちらの2人の女性たちは、その後まともにしゃべることもできないほどに体調が急激に悪化。帰宅し眠ろうとしたものの、悪夢を見たり体が麻痺するなどなど散々な目に逢いました。

 
 
 
 
 
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実はこう見えて有毒!エンジェルトランペットに含まれる毒性物質

彼女たちの体調が急変した原因はエンジェルトランペットに含まれる毒性物質「トロパンアルカロイド」。一定量以上を摂取してしまうと、おう吐・瞳孔の拡大・呼吸の乱れ・けいれん・めまい・せん妄や幻聴幻覚・錯乱などの意識障害を引き起こし、場合によっては呼吸困難のような重篤な症状を引き起こすケースもあるのです。

軽く香りを嗅ぐだけならまだしも、2人は思いっきり吸い込んでしまったため毒性物質を一定以上摂取してしまったようです。

 
 
 
 
 
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毒があるのは花だけじゃない…エンジェルトランペットの注意点

では、「花」にだけ注意すればいいのでしょうか? 残念ながらそうはいきません。エンジェルトランペットは花・葉・樹液全てに毒を持つため、花だけでなく葉や木の汁にも触れないようにしましょう。とくに、傷口が触れないように注意しましょう。(※ 傷のある手で触らないようにしましょう)

口に入れることはもちろん御法度ですが、汁液が皮膚に付くと炎症を起こしたり、目に入ると瞳孔が開き一時的に見えなくなったり、場合によっては失明する可能性もあります。エンジェルトランペットを触ったあとで目を擦るなどしないよう、ご注意ください。 

Brugmansia

誤食による食中毒に注意

エンジェルトランペットを庭木で育てる際には、うっかりペットや子供が誤食してしまうことのないよう、注意が必要です。しかし、大人でも誤食してしまうこともあるので、家庭菜園のそばには植えない方がよいかもしれません。

海外だけでなく日本でも、ゴボウと間違え根を誤食してしまったり、オクラと間違えて誤食してしまった「チョウセンアサガオかき揚げ事件」野草茶に混入し誤飲してしまった「野草茶中毒事件」など、エンジェルトランペットの毒が引き起こした食中毒事件が起きています。誤食してしまうと命に関わる重篤な症状に陥ってしまう可能性もあるので、注意しましょう。

Angel's Trumpet (Brugmansia arborea)

ちなみに、日本に持ち込まれたのは江戸時代で、当時はその毒性を生かし麻酔代わりにも使われていたそうです。強い毒には麻薬のような効果があり、江戸時代には「曼荼羅華(まんだらけ)」、「気狂いの茄子」と呼ばれていました。気狂いの茄子…エンジェルトランペットの高い毒性が伺える表現ですね。

Angel's Trumpet

美しく魅力的な姿とはかけ離れたエンジェルトランペットの危険な毒性。頭の先から根っこまで全身毒!というと少し怖い響きがありますが、エンジェルトランペットの毒性についてはしっかりと認識し、間違えて摂取することのないよう注意さえしていれば過剰に不安になる必要はありません。

育てやすく、大振りの美しい花を咲かせるエンジェルトランペットは園芸種としてとても魅力的な人気の品種。すでに庭で育てている方や、今後庭木として植えたいと考えている方は、毒性にくれぐれも注意しつつ育成を楽しんでください。

 

プレビュー画像: ©️flickr.com/Katja Schulz