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バスルーム・洗濯

混ぜるな危険…塩素系洗剤の利用で気をつけたいこと

いつものようにトイレを掃除、でもその後バスルームが大爆発…そんな嘘のようで本当の信じられない出来事がドイツで起こりました。一体なぜ爆発に至ってしまったのでしょう。爆発の原因はトイレ掃除に使用した「塩素系トイレ用洗剤」でした。

今年4月、ドイツ・バイエルン州のニーダーバイエルン地区にあるチェコの国境近くの街、ツヴィーゼルでその爆発事件は起きました。警察によると、アパートの住人である21歳女性は、幸いにも爆発に驚き逃げたため無事とのこと。

この住人の女性は爆発が起こった前日にトイレを掃除、しかしその際に使った塩素系洗剤が、なんらかの理由で空気中に有毒ガスを発生させてしまっていたのです。そんなことになっているとは全く想像もしてなかった女性は、翌日の夜お風呂でゆっくりしようとキャンドルを準備。火をつけた途端….バスルームに発生していた有毒ガスに引火し大爆発が起こってしまったのです。

奇跡的に逃げ出すことが出来た女性ですが、バスルームは大破し、バスルームの壁は爆風で破壊されていたそうです。そのため、専門家の調査が終わるまで女性は自分の部屋に戻ることもできませんでした。

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注意:画像はイメージです。

塩素系洗剤の危険性

塩素系洗剤は、トイレの黒ずみなどをごっそり落として除菌ができ、しかもゴシゴシこすらなくていいため、トイレ掃除ではよく利用される洗剤です。

しかし、塩素系洗剤はパッケージもよく太字で「混ぜるな危険」と注意書きが記載されているように、化学反応しやすい物質で作られています。そのため、酸性の洗剤と混ざると有毒な塩素ガスを発生させてしまいます。塩素ガスは、第1次世界大戦時に毒ガス兵器としても使用されたことがあるほどの毒性の強いガスです。

また、塩素系洗剤使用時に気をつけたいのは、塩素の粒子は空気中に長く留まるという点。そのため、塩素系洗剤を利用した場合は、利用中もその後も窓を開けるなどして換気を徹底する必要があります。

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今回紹介した21歳の女性は、トイレを含むバスルームの掃除後に換気をしていなかったそうです。そのため、掃除後にバスルームに漂った塩素が何らかの作用で他の洗剤成分と混ざり、爆発に至ってしまったのです。

塩素系洗剤の利用で気をつけたいこと

塩素系洗剤を利用する際は、換気を必ずするようにしてください。また、他の洗剤の同時使用は有毒ガス発生のリスクがあるため、塩素系洗剤を使用する場合は単独で使用をしてください。どうしても、他の洗剤を使いたい場合は、塩素系洗剤を利用したのち、十分に換気をし、時間をおいてから使用をします。同時使用や2種類をたて続けに利用することは絶対に避けてください。

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塩素系洗剤の利用後は、水で十分に洗剤を流すことを忘れないようにしてください。成分が残ったままだと、別の洗剤を使った際に成分が反応し、塩素ガスが発生する恐れがあります。

また、掃除に酢やレモン、クエン酸などナチュラル系の洗剤を使うことも多いですが、これらは酸性。そのため、キッチンや水回りなどでよく利用する塩素系漂白剤とは一緒に使わないよう気をつけてください。

日本では、家庭用品品質表示法に基づき、次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系洗浄剤と酸性の洗浄剤には「まぜるな危険」とパッケージに表示することが義務化されています。そのため、「まぜるな危険」と表記のある洗剤を利用する際は、注意書きをしっかり読み、利用するようにしてください。

正しい使い方をすれば、汚れ落としに便利な塩素系洗剤。しかし、利用法を間違えると大変な結果をもたらすため、くれぐれも気をつけていきたいですね。特に浴室やトイレなどの狭い空間ではご注意ください。

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出典: stuttgarter-zeitung
プレビュー画像: ©flickr/Cindy Mc