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噛むだけでいいことたくさん|ガムを噛むことで得られるメリット

眠気覚ましや口臭予防、気分のリフレッシュに…と毎日の中で何かと登場回数の多いガム。90年代の終わり頃から、虫歯の原因とならない甘味料「キシリトール」を配合したガムが登場して以降、粒ガムが一気に主流になりました。

食べやすさや扱いやすさに加え、眠気対策、虫歯対策、シュガーレスタイプなど種類が豊富に用意されていることから目的に合わせ選ぶことができ、鞄やオフィスのデスクに常備されているという方も多いのでは。

そんな機能性を持ち合わせているガムですが、「ガムを噛む」ということ自体がもたらす体への影響が実はいいことづくめなのです。噛むだけでスゴい効果が期待できるというわけですが、どんなメリットをもたらしてくれるのでしょうか。

ガムを噛むことで脳が鍛えられる

私たちが食事を噛んで美味しく食べるためには、まず口の中やその周辺に生じる感覚が脳に伝わり、それをもとに脳から口腔周囲の筋肉に運動命令を正しく伝える神経機構が必要です。

このプロセスを正常に働かせるのに、重要なのがの存在。歯の歯根と骨の間には、脳に情報を伝える最も敏感なセンサーがあると言われ、わずかな刺激もキャッチし脳に情報を伝える役割を果たしています。

髪の毛や卵の殻など、異物を噛んだ時いち早く気がつくのは、実は歯から脳へ「異物である」と情報が送られているからなのです。また、食べ物を飲み込む時も脳からの指令を受けているため、噛んでいる間は常に歯から脳にセンサーが送られています。つまり咀嚼という行為は口腔内での消化活動を行うにとどまらず、脳を活性化させているのです。そのため、食事以外でもガムを噛むことは脳を鍛えることにつながります。

運動や学習能力へも好影響を与えるガム

よくスポーツ中継などで、選手がガムを噛んでいるのを目にすることがあります。その姿に、中には行儀が良くないと感じた方もいるかもしれません。しかし、噛むことが運動パフォーマンスの向上につながることが近年の研究で明らかになり、ガムが取り入れられています。

噛むことで得られるメリットは以下の通り。

・筋力アップ

重いものを持ち上げたり、背負っている時に歯を食いしばること、ありますよね。歯をしっかりと食いしばることで、筋力が4~6%程度アップすると言われており、これは上下の歯が合わさることで、「噛んだ」という情報が、脳の「運動野」という場所に伝達され、体を動かす「骨格筋」などの反応や動きに影響を与えるため。

・重心・姿勢の安定効果

上下の歯でしっかりと噛めている場合と、噛み合わせが悪い場合とでは、重心に違いがあり、噛み合わせが悪いと重心がブレやすいこと言われています。私たちの身体は姿勢を保とうとすると、咬筋(こうきん)という噛むための筋肉を働かせます。咬筋は咀嚼筋の一部でありながら、反射的に「抗重力筋(地球の重力に対して姿勢を保つために働く筋肉)」として身体の平衡感覚の維持という役割を担っています。

・集中力と判断力のアップ

噛むことで認知機能を司る前頭前野や海馬が活性化されるため、集中力や判断力、また学習能力が高まります。また噛むことで唾液の分泌が促されるため、口腔内の環境を整えることにもつながります。

・ストレスの緩和

脳への神経伝達を活発にし、身体的パフォーマンスや集中力をあげるだけでなく、ガムを噛むことでストレスを緩和できると言われています。私たちの体は、ストレスを感じるとコルチゾールと呼ばれるホルモンの分泌が増加し、その働きによって内臓脂肪の増加や食欲の増進が起きてストレス太りにつながります。しかし、ストレスを感じた時にガムを噛むことで、リズミカルな動きによって脳がリラックスしてストレスが軽減され、ストレス太りを防ぐ効果が期待できます。そのため、日常的にストレスを感じがちな場合は、ガムを噛む習慣をつけることで、ストレスやストレス太り対策をすることができます。

おすすめなガムの取り入れ方

咀嚼と脳の関係に大きな役割と果たしてくれるガムですが、そうは言ってもカロリーや糖分は気になるところです。糖分が入っているものは、味がなくなってすぐに捨ててしまうと、歯の表面にショ糖が付いた状態でむし歯になりやすくなってしまうため、味がなくなってからしばらくは噛み続けるようにします。また、ガムを噛む頻度ですが、食事と食事の間、1日に3、4回、10分から20分噛み続けるのが良いとされています。

ガムを噛むことで、得られる健康メリットを紹介しましたが、きちんと咀嚼ができるということは、健康で長生きをすることにも深く関わってきます。人生100年時代と言われる現代、健康維持にガムを取り入れると良さそうです。

プレビュー画像:©︎Twitter/meika_s2