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専門家の警告「栄養系ゼラニウムはミツバチに優しくない」
ミツバチが年々数を減らしていることをご存知でしょうか?
ミツバチが姿を消しつつあるのは世界的な現象で、生息地や餌場となる森や花畑の減少、農薬、電磁波、気候変動などが主な原因だと言われています。
ミツバチは受粉を通じて人間の食を支えてくれる大切な存在。そんなミツバチを助けるために、私たちにできることがあります。それは庭やバルコニーでミツバチが蜜や花粉を得られるように多くの花を植えること。
でも、どの花でもいいというわけではありません。なかにはミツバチにとってはありがたくない花もあるのです。
たとえばゼラニウム。ゼラニウムはバルコニーや庭で最も人気のある植物のひとつです。色鮮やかな花が数ヶ月も絶え間なく咲き続け、手入れも簡単。でもミツバチ保護の観点から「ゼラニウムは庭やバルコニーに植えないで」と警鐘を鳴らす専門家もいるのです。

美しいゼラニウムがミツバチにとって有害というのは大袈裟かもしれませんが、ありがたくない存在なのは確かなのです。その理由をご説明しましょう。
手入れが楽で、花がたくさん咲くゼラニウムの多くが、「栄養系」と呼ばれる八重咲き品種です。栄養系品種では、花の中心の本来は雄しべがあるべきところに、品種改良で花びらが生えて八重咲きになっています。
こうした栄養系品種は受粉に頼らずに無性生殖で増えていくのです。ですから、そのカラフルな花と香りに惹かれて昆虫が集まってきても、蜜や花粉を見つけることはできません。つまり、ゼラニウムをいくら庭やバルコニーに植えても、ミツバチの徒労を増やすばかりなのです。
花を組み合わせて植えましょう
この問題を解決する簡単でわかりやすい方法があります。
ゼラニウムと、ミツバチに餌を提供する他の花を組み合わせればいいのです。ミツバチへの贈り物となる植物には次のようなものがあります。
- ラベンダー
- ヒナギク
- コーンフラワー
- ユリ

ゼラニウムは有毒?
全く別の理由でゼラニウムを植えるのをためらう人がいます。動物に対する毒性です。ゼラニウムは人間には害はありません(敏感な人は皮膚アレルギーを発症することがあります)。
でも、小型犬や猫、ハムスター、ウサギ、マウスなどにとっては有毒です。口にすると嘔吐や下痢の原因になり、特に小動物には致命的です。

美しい八重咲きのゼラニウムは私たちの目を楽しませてくれますが、ミツバチなどの受粉媒介者の餌にはなりません。私たちの命を支えてくれるミツバチのためにも、他の植物と上手に組み合わせて、蜂に優しい環境を作ってあげてください。
出典: chip , plus-magazin , gartenjournal
プレビュー画像:©Pixabay/Minka2507
