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特に子供は要注意|銀杏の食べすぎによる中毒症状に注意

少しずつ深まる秋を感じさせてくれる、色づき始めた木々の葉。なかでも紅葉が赤く染まるまでの期間、私たちを楽しませてくれるのは、鮮やかな黄色が晴れた日には青空と美しいコントラストをなすイチョウです。黄金色とも言えるその色は、圧巻の存在感です。

そんなイチョウの紅葉とともにもう一つの楽しみとなるのが銀杏です。熟して地面に落ちた銀杏の外種皮は、なんとも言えない強烈な臭いがしますが、かたい殻の中にある淡い黄色の部分は、ほっくり美味しいですよね。茶碗蒸しに入れたり、焼いて塩でいただいたり、ご飯に入れたりと秋を楽しむ味覚の一つです。

特に焼いて食べる時などは、ついつい食べすぎてしまいますが、銀杏は実は「中毒」に注意が必要な食物であることをご存知でしょうか。銀杏を一度にたくさん食べすぎてしまうと、嘔吐や痙攣、めまいなどのとった中毒症状を起こしてしまうことがあるのです。

銀杏による中毒

銀杏を食べて起きるこれらの中毒症状ですが、その原因は銀杏に含まれているギンコトキシンと呼ばれる有毒成分だと言われています。このギンコトキシンは、ビタミンB6と構造が似ていることから体内に入ると、体がビタミンB6と勘違いし取り込もうとするため、食べすぎた結果「ビタミンB6欠乏症」の状態に陥ってしまうのだそうです。

マグロやニンニク、ささみなどに含まれるビタミンB6は、脳に信号を送るための神経伝達物質をつくったり、脳の興奮を抑えたりする働きがあると言われています。しかし、銀杏によって体がビタミンB6の欠乏状態になってしまうと、脳の興奮が止まらず、痙攣など神経系の異常興奮が起きるのです。その他の症状としては、嘔吐、不整脈、顔面蒼白、呼吸困難、呼吸促迫、めまい、意識混濁、下肢の麻痺、便秘、発熱などがあげられます。また、最悪の場合では死亡例も報告されているとのことで、食べ過ぎには十分注意が必要な食べ物と言えます。

有毒物質は加熱しても減らない

食物による中毒症状などを防ぐためによく耳にする「加熱処理」ですが、銀杏の有毒成分は熱に強く加熱しても毒性がなくなるわけではありません。また、何個までなら大丈夫という目安も食べる人の健康状態(飲酒や偏食をしている場合は元々ビタミンB6が欠乏状態にある可能性があります)により違うため、「何個までなら大丈夫」と⼀概には言うことはできないそうです。

子供はさらに注意が必要

中毒症状を引き起こす銀杏ですが、注意すべきは大人よりも子供と言われています。銀杏中毒のなりやすさは日頃の食生活などによるところもあることから、人によって異なると考えられますが、現時点では子どもの中毒患者が多いことがわかっています。体の大きさや、一般的に子どものほうが痙攣が起きやすいことなどから、中毒症状が出やすいのではと考えられています。

日本中毒情報センターによると、5歳以下の子どもが6~7個食べて痙攣を起こした事例が寄せられており、「5歳以下の子どもには食べさせないほうがいい」としています。また高齢者も同様に中毒症状を起こしやすいことから注意が必要です。中毒は、食べてから6時間以内に発症することが多いとされており、万が一、子供が食べた場合はその時間帯の体調には注意をするようにしてください。

銀杏は、糖質、脂質、タンパク質、ビタミンAやB群、ビタミンC、カリウム、鉄分など多くの成分が豊富な食物で、スタミナ食として古くから知られています。銀杏に含まれるビタミンB1は脳の中枢神経や末梢神経の機能を正常に保つ働き、カリウムには余分な塩分を体外に排出する働きがあります。高血圧やむくみの改善に効果があるとされています。

このように体に嬉しい栄養素をいっぱいもっている銀杏ですが、大人の場合は食べすぎに注意、そして小さなお子さんには安全のために食べるのは控えるようにしたほうが良さそうです。秋の味覚、くれぐれも食べ過ぎにはご注意ください。

※万が一、銀杏を食べて吐き気や眩暈など感じたら、すぐに医師の診察を受けるようにしてください。

※また、日本中毒センター110番電話サービスはこちら↓
– 大阪中毒110番(365日 24 時間対応) 072-727-2499
– つくば中毒110番(365日 9時~21時対応) 029-852-9999

プレビュー画像:©︎Twitter/Ichi_sani62

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