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Lifehacks

手を洗うなら液体?固形?洗浄力や環境負荷など色々な面から比較

以前はどこにでもあった固形石けんですが、近年はポンプ式で簡単に使える液体ハンドソープが主流になっているようです。

実際には、液体ハンドソープと固形石けんにはそれぞれメリットとデメリットがあります。この記事では、洗浄力、コスパ、環境への負荷など様々な観点から液体ハンドソープと固形石けんを比べてみます。次回の買い物の参考にしてください。

成分

固形石鹸と液体石鹸、液体ハンドソープは成分組成がそれぞれ異なります。固形石けんの主成分は動物性または植物性の脂肪酸と水酸化ナトリウムを反応させた「脂肪酸ナトリウム」。

一方、液体ハンドソープは合成洗剤。主成分はいわゆる界面活性剤です。液体でも「せっけん」と書かれているものは、脂肪酸と水酸化カリウムを反応させた「脂肪酸カリウム」が主成分になります。

上記の成分に、メーカーや製品によっては、香料、増粘剤、防腐剤等が加えられています。

©MediaPartisans

肌への刺激

皮膚表面のpHは4.8~5.3と弱酸性です。一方、石けんのpH値は8~11の弱アルカリ性。そのため、手を洗うと皮膚表面のpHが一時的に上昇します。しかし、石鹸成分は水ですぐに落ちるうえに、健康な肌であればすぐに弱酸性に戻るため肌への負担はほとんどないと言われています。ただし洗い過ぎは禁物です。

一方、一般的な液体ハンドソープのpHは石けんのpHよりもかなり低く、5.5から7の弱酸性。pHで見ると液体ハンドソープの方がお肌に優しいのですが、ハンドソープに含まれる界面活性剤は水で流しても落ちにくく、肌荒れやアレルギーの原因にもなることもあります。

人によって肌荒れが起きる原因は違います。敏感肌の方は肌の状態に合わせて、自分にあった洗浄剤を選ぶことが大切です。

washing your hands during COVID-19

洗浄力

固形石鹸は弱アルカリ性で、液体ハンドソープよりも洗浄力は強くなります。でも、どのタイプの石けんでも、手指の汚れを落とす効果は十分です。

©Getty Images

衛生面

一見すると、手から手へと移動する固形石けんよりも、押すだけで洗浄剤が出てくるソープディスペンサーの方が衛生的に思えます。そのため公衆トイレにはソープディスペンサーが設置されており、中には非接触で動作するものまであります。

といっても、固形石鹸が非衛生的であるというわけではありません。確かに石けんには、多くの微生物や細菌が付着しますが、健康には害がないことがわかっています。1988年に行われた研究では、研究者が異なる種類の細菌を固形石けんに加え、被験者に手を洗ってもらいましたが、手洗いによって細菌が移らないことが確認されました。

Sebamed Soap

ただ、固形石けんは注意していないと、すぐにヌルヌルしたり、割れたりして、不衛生な印象を与えます。このようなことにならないように、次の点に気をつけましょう。

  • 手を洗った後、固形石けんを水で洗い流す
  • 水捌けのいい石けん置きなどに入れておく
  • 石けん置きは定期的に掃除する

液体石鹸の場合、中身を詰め替えるときに容器をよく乾かさないと細菌が繁殖することがあります。

環境への影響

固形石鹸の大きなメリットとして包装材が少なくて済む点があげられます。最近では、紙1枚に包まれたものや、包装なしで売られている石鹸もあります。これは環境にとても良いことです。

A Special Delivery

一方、ハンドソープや液体石鹸の場合は、プラスチック包装のゴミが多く出ます。詰め替えは価格が安くお得感はありますが、詰め替え用のパックは、さらにプラごみを発生させてしまいます。

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コストパフォーマンス

固形石鹸はゴミの量が少ないだけでなく、コスパが良いというメリットがあります。石けん自体の価格が安いだけでなく、長持ちするのです。

一般的なソープディスペンサーは、ワンプッシュでも手を洗浄するのに必要な量よりも多くの液が出てきます。しかし多くの人が2回、3回と無駄にソープディスペンサーを押しています。そのため、液体石鹸は減りが早く、すぐになくなってしまうのです。高価な高級石鹸を買っても、価格面では固形石鹸の方がかなりお得と言えます。

結論

コスパ、ゴミ削減、洗浄力の強さ、天然成分によるお肌への優しさなど、実は多くのメリットがある固形石鹸。最近は固形石けんのよさが見直され、手洗いだけでなく、バスルームでも髪、顔、体と全身を石けんで洗う人が少しずつ増えています。

ただし、pHが低くないと手が荒れてしまう人は液体ハンドソープを使用した方がいいでしょう。また、小さなお子さんはプッシュ式のハンドソープの方が手を洗う習慣がつきやすいかもしれません。

いろいろな面を考慮して、ご家庭にあったタイプの手洗い石けんを選んでください。

プレビュー画像: ©MediaPartisans ©flickr/Aaron Yoo