ヘルスケア
片頭痛と食べ物の関係
血管が拡張することで、ピリピリ、ズキズキとした痛みが生じる片頭痛。一度症状が現れると、数日間続き、ひどいときには吐き気を催したり日常生活が困難になることもあります。片頭痛の原因は明らかにされていませんが、精神的ストレスや気圧の変化など肉体的ストレス、ホルモンなど人により様々と言われています。
原因は複雑と言われる片頭痛ですが、食物とも深い関わりがあることをご存知でしょうか。食べ物の中には、片頭痛を和らげてくれる食べ物や、予防する食べ物、またさらには、原因となりうる食べ物があります。
そこで今回は、片頭痛を予防・和らげてくれる食べ物と逆に片頭痛を起こす食べ物をご紹介します。片頭痛を持ちという人は、これから紹介する食材について特に知っておくことで、セルフケアの一貫として取り入れることができるかもしれません。
片頭痛が起こる仕組み
片頭痛には様々な要因が考えられますが、片頭痛にはセロトニンという神経伝達物質が大きく関わっていると言われています。
【落ち込みと頭痛】
— Dr.ゆうすけ (@usksuzuki) July 16, 2019
気分の落ち込みと、頭痛ってものすごく関係があるのです。
精神の安定や体温調節や睡眠とかに関与する「セロトニン」の分泌が低下すると、落ち込んだり眠れなくなるだけでなく、脳の血管が拡張して(片)頭痛を起こすのね。
ひどい頭痛は、心の不調を疑うサインでもあります。
私たちの脳は、ストレスを受けるとアドレナリンを増加させ、バランスを取るためにセロトニンを放出し、ストレスから脳を守ろうとする働きを持っています。しかし、セロトニンが大量に放出された結果、セロトニン不足となって自律神経のバランスが崩れ、血管が急激に収縮と拡張を繰り返し血管周囲に炎症が起きてしまいます。そうなると、血管の周りを取り巻く三叉神経(痛みを感じる)が圧迫を受け、刺激を受けることで、片頭痛という痛みが生じるのです。
仕事などの日々の生活で抱えるストレスと片頭痛がセットになっているという方も多いのではないでしょうか。
このように辛い片頭痛を和らげるには、片頭痛と深く関わるセロトニン不足の解消や収縮・拡張する血管を鎮め、炎症を抑える作用のある栄養素を含んだ食材の摂取がおすすめです。
片頭痛を緩和・予防してくれる身近な食べ物
・マグネシウムを多く含む食品
マグネシウムは、細胞の代謝に関わり、血管をリラックスさせ、炎症を鎮める効果があると言われています。
マグネシウム豊富で身近な食材は、ヒジキなどの海藻、玄米、納豆や豆腐などの大豆製品、アーモンドなどナッツ類、煎りごま、ほうれん草などがあります。
片頭痛予防メニュー(マグネシウム強化期間につき)そぼろ丼と一番だしからとった白菜のみそ汁。卵2個、大豆のお肉60g、枝豆50g使用。マグネシウム240mg以上含有! pic.twitter.com/K5PA9ONljO
— 井上祐紀@子どもと大人の精神科医 (@yukichildpsy) November 7, 2021
また、マグネシウムが豊富で手に入りやすい「にがり」もおすすめ。こちらはコーヒーやお味噌汁など普段の食事に簡単にプラスアルファすることができます。
にがり:海洋深層水から食塩を抜いた液体
— moe|楽しくボディメイク (@moe_bibody) November 16, 2021
⇨ クリーンなMgが豊富✨
● 便秘解消に
● 片頭痛に
● 攣りやすさに
Mgは、筋肉の収縮-弛緩機構の
弛緩作用を持ちます。
ストレス感じやすい人、力みやすい人
補給してリラックスしよ〜#天海のにがり get! pic.twitter.com/sqE1C2FBc2
・ビタミンB2を多く含む食品
ビタミンB2は血流を十分確保し老廃物の排除を促す効果があるため、片頭痛の予防につながると言われています。
ビタミンB2を多く含む食材には、うなぎ、レバー、カレイ、ほうれん草、納豆、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、卵黄があります。
雨の日が増え、しっとりと春めいてきましたね。#片頭痛 のある方は、マグネシュウムやビタミンB2を含む食事を摂るなど、痛みが出る前から対処しておくといいようです。どんなときに痛みが出るのか、体調や、天気・気圧の記録も大切◎#就労移行#障害者雇用#体調管理 pic.twitter.com/2YKwvh1AhJ
— 就労移行・定着支援 ルミノーゾ川崎登戸 (@Noborito_lum) March 7, 2021
・トリプトファンを多く含む食品
トリプトファンは、必須アミノ酸の一種で、体内に摂取されて脳に届くと、セロトニンとなります。トリプトファンは、肉類、赤身の魚類、豆類、ナッツ、バナナ、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、卵黄に含まれています。
片頭痛にも関係するセロトニンは、簡単に言うと、感情を安定させる神経物質。
— 手術室のウラ側 (@hugehospital) March 16, 2013
セロトニンが不足するとうつ症状や睡眠障害などの感情の不安定を来す。セロトニンの原材料であるトリプトファンは体内で産生することが出来ないので食物から摂取。バナナ、豆乳、チーズ、アーモンド、肉類 ..
では次に、引き金になり得る食品についてご紹介します。
片頭痛を引き起こす可能性がある食べ物
<血管を拡げる作用のある物質と食品>
・ヒスタミン
アルコールは血管を広げる作用があると言われ、片頭痛時には避けたいですが、中でも特に赤ワインに多く含まれるヒスタミンという物質は血管を広げる作用をもっています。そのほか白ワイン、ビール、日本酒にもヒスタミンは含まれています。
・亜硝酸ナトリウム
色と風味の醸成、防腐の三点を目的に、ハム・ソーセージ・サラミなどの加工食品に含まれる亜硝酸ナトリウムも血管を拡張させる作用を持っています。また、亜硝酸ナトリウムは、イクラ、タラコ、明太子などの魚卵を加工製品にも色落ち防止のために使用されています。
🌻頭痛を起こす食べ物にハムやソーセージがあります。亜硝酸ナトリウム(発色・保存)の影響。
— 伊藤弥生🌻更年期専門薬剤師 (@himawary_yayoi) October 16, 2020
発見!たらこの発色にも。
意外とあちこちにありますね。ってことは
頭痛の原因となる食べ物を探すのと同時に、影響を減らすために🩸血液と血管を元気にすることが重要!🤗🌻#女性の健康サポーター pic.twitter.com/kp7WTWHvIQ
・グルタミン酸ナトリウム
化学調味料に含まれるグルタミン酸は、脳の刺激物質で、多量に摂取すると血管を拡張し頭痛の誘因になります。グルタミン酸ナトリウムはインスタント食品やスナック菓子にも含まれています。カップ麺やスナック菓子など、手軽さから忙しときについ手にしてしまいますが、ストレスフルな日々を過ごしている時は片頭痛をさらに起こりやすくさせてしまう可能性があります。
<血管を縮める作用のある物質と食品>
・チラミン
チラミンは身体に取り込まれると、すぐに血管を収縮させ、後にチラミンが分解されて消えたときに反転して血管が拡張してしまい片頭痛を起こすとされています。
チラミンを含む食べ物で代表的なのは、チョコレート・ココアなどのカカオ製品、熟成チーズ、赤ワイン、キムチ、たまねぎ、柑橘類です。
チョコやココア、チーズ、ワイン、キムチ等に入っている「チラミン」は頭痛誘発因子と言われてます。
— CoCo美漢方 田中 友也 『ツボ押し養生』重版出来! (@mococo321) January 24, 2022
生理痛や頭痛、冷え性、肩こりなどのある人は悪化しますよ⚠︎
偏頭痛持ちや生理痛ひどい方は特に食べ過ぎ注意⚠︎
他にもインスタント食品やスナック菓子も悪化の原因になります。
食べ物大事☝︎
よく、赤ワインのおつまみにチーズやチョコレートなんて聞きますが、片頭痛になりやすい方には避けた方がいい組み合わせと言えるでしょう。また、キムチは発酵食品でダイエットにも嬉しい食材ですが、食べすぎには注意が必要です。
片頭痛には、ストレスの他にも光や音、また匂いなど痛みを誘発する原因は人それぞれあると言われています。知らず知らずにたまるストレスや、匂いや光といった外からの刺激よるものはなかなかコントールできませんが、食事の工夫は日頃からすることができます。
ただ、あまり気にしすぎると、逆にストレスになってしまいます。まずは、マグネシウムやビタミンB2摂取を心がけ、片頭痛の緩和や発生頻度を減らしていけるといいですね。
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・頭痛薬の飲み過ぎが引き起こす薬物乱用頭痛に注意
プレビュー画像:©︎Pinterest/Kính Đeo Mắt
