遺伝性の病気、対処法を知って発症リスクを低下させよう

昔の人は「遺伝子」なんて言葉は知らなくても、「蛙の子は蛙」、「血は争えない」などといって子供は親の特性を受け継ぐものだということを理解していました。

現代では、母親と父親からどのような性質を受け継ぐのか、ということまで明らかになっています。ヒトの細胞には46本の染色体が存在しますが、23本は父親から、残りの23本は母親から受け継いています。生まれてくる子供の遺伝情報は、父親と母親からそれぞれ半分ずつ受け継がれているのです。

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しかし、父親と母親の遺伝体質はすべて子どもに受け継がれるわけではありません。病気にかかりやすい体質傾向も、病気によって母親から遺伝しやすいもの、父親から遺伝しやすいものは異なります。例えば、アレルギー体質や乳がん患者の母親を持つ子どもは、非常に高い確率で母親と同じ病気になる一方、タイプ1型糖尿病は父親から遺伝する確率が高いことがわかっています。

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つまり、遺伝子は外見だけでなく両親の”弱点”も子どもたちに引き継いていくのです。病気の原因は、生活環境だけではなく、DNAの場合があるということです。

そうした遺伝性の病気の中でも、母親から娘へと遺伝しやすいと言われている病気がこちらです。

1. アルツハイマー

アルツハイマーは、もっとも一般的な認知症で、大脳皮質の神経細胞が減少、大脳皮質に老人斑が生じ、大脳が萎縮する病気です。65歳以上の女性に発症しやすく、女性患者数は男性の2〜3倍にもなります。この性差の理由のひとつに、50歳を超えてからの女性ホルモン(エストロゲン)の急激な低下による脳内のアセチルコリン分泌の弱体化が考えられています。

対処法:

アセチルコリンの分泌を促すには、学習と運動が有効であることがわかっています。アセチルコリンの分泌が活発になると、脳の記憶を司る海馬の神経細胞が新たに作られるというのです。海馬で新たに作られた神経細胞は、記憶機能の維持、活性化に深く関わっていきます。

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2. 緑内障

眼圧の異常によって視神経が障害を受ける目の病気で、高齢者、片頭痛のある人、そして女性に患者が多いのが特徴です。緑内障は点眼液で病状の進行を抑える治療が可能です。

対処法:

  • 40歳を超えたら2〜4年に一度は検査を受けるようにしましょう。
  • 1週間に3〜4回のヨガやジョギング、ウォーキングなどの運動

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3. 関節リウマチ

免疫の異常により、手足の関節が腫れたり痛みを伴う病気です。進行すると骨や軟骨が壊れて関節が動かせなくなってしまいます。女性がかかりやすい病気で、30〜50歳代で多く発症します。体を守るはずの免疫が、関節の組織や骨を外敵とみなして攻撃し、壊してしまうリウマチは、かかりやすい体質の人が、何らかの原因によって発症すると考えられています。

対処法:

  • 禁煙
  • 歯周病が関節リウマチを引き起こすこともあるため、歯の治療を行う
  • ビタミンCを含む食品を摂り炎症のリスクを下げる。

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4. 骨粗しょう症

骨量が減り、骨の構造が弱くなって骨折を起こしやすくなった状態のことです。骨粗しょう症も女性がなりやすい病気で、更年期を経て女性ホルモンが急激に減少することが原因の一つです。体格や骨の質には遺伝因子が関わるため、体がきゃしゃな人は特に要注意です。

対処法:

  • カルシウムをたっぷり摂る。
  • 短時間の日光浴で体内のビタミンDを生成しましょう。カルシウムを体内に摂り入れるにはビタミンDが必要不可欠です。
  • 運動してカルシウムを骨に定着させる。

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5. うつ病

母親がうつ病の場合、娘がうつ病になる確率は15%上昇します。仕事や家庭のストレスがうつ病のきっかけになりますが、うつ病になりやすい人はこうしたストレスへの感受性が強いと言えるでしょう。産後うつも遺伝しやすい傾向にあります。

対処法:

  • 質の良い睡眠を心がけ、バランスの良い食事をする。
  • 嫌なこと、心配なことは友人や家族に話す。
  • 辛いと思った時、病状が悪化した時に心療内科を受診することを躊躇しないこと。

6. 皮膚の急激な老化

私たちの体が、どれくらいの期間”肌の老化”に抵抗できるかどうかは、ある遺伝子の影響が大きいことがわかっています。この遺伝子は母親の家系で代々受け継がれているものだそう。この遺伝子が肌の老化に長期間抵抗できないタイプの場合は、娘は生まれながらにして肌の老化が早いことが決まっています。

対処法:

  • 日焼け止めは欠かさず塗る。
  • 質の良い睡眠を心がける。
  • ファストフードやタバコ、甘いものなど肌の老化を早めてしまう食品は控えましょう。

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7. 片頭痛

片頭痛に苦しむ女性は、男性の3倍。両親のどちらか、特に母親が片頭痛もちのことが多いと言います。頭痛は数時間から3日間に及ぶ時もあり、生活に大きな影を落とします。

対処法:

  • アルコール、チーズ、チョコレート、カフェインや柑橘類を控える。
  • 強い匂いや光を発する場所を避ける。
  • 水分をたくさん摂る。
  • 毎日必ずリラックスして休める時間を設ける。

8. 心臓病

腹部の脂肪の蓄積、高いコレステロール値は循環器系疾患の最大の要因のひとつとされていますが、こうした要因はどちらも遺伝制の場合があります。

対処法:

  • タバコは吸わない。
  • 程よい運動とバランスの取れた食事で肥満を予防する。
  • 血糖値や血圧、コレステロール値を定期的に検査する。

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9. 皮膚炎

皮膚炎は遺伝しやすい病気のひとつで、両親のどちらか、特に母親が皮膚炎の場合子どもが皮膚炎になる確率は20〜40%です。遺伝的に酵素が欠乏しているため皮膚を保護する脂肪酸の欠乏を招きます。これにより、アレルゲンの影響を受けやすくなり痒みが生じます。

対処法:

  • 青魚を食べて健康的な脂肪酸を体内に取り入れる。
  • 添加物のない中性石けんを使う。
  • 香料や保存料不使用の柔軟剤を使う。

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10. 乳がん、卵巣癌

乳がんを発症した人の5〜10%は、遺伝的に乳がんを発症しやすい体質を持っていると考えられています。BRCA-1またはBRCA-2と呼ばれる遺伝子に変性がある場合、50〜80%の確率で乳がんに、卵巣癌になる可能性は10〜40%と言われています。

対処法:

  • 血縁関係の人に乳がんの患者がいる場合、発症リスクは高くなります。遺伝子検査を行うことで、遺伝性がんの可能性があるかどうかがわかります。
  • 遺伝子検査で異常が見つかった場合でも、必ず乳がんや卵巣がんを発症するわけではありません。検査をしなくても、遺伝性の可能性が高い場合には、がん検診を受けましょう。

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たとえ遺伝性の病気の可能性があるとしても、必ず病気を発症するわけではありません。リスクを知った上で、予防策として日頃から健康的な生活により一層注意する必要があるということでしょう。

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