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このヘルプサインは世界共通|覚えておけばいつか誰かの命を助けることになる

もし今あなたが身近な人から精神的・肉体的暴力を受けていたら、これから紹介するヘルプサインを覚えておいてください。または身近な人がもしかしたら苦しんでいるかもしれない…と心に思い当たることがあれば、そっと教えてあげてください。

Twitter@SinghLions

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助けを求めるシグナルと呼ばれるこのサインは、2020年4月コロナ禍で世界的に増加した家庭内暴力に対し、カナダで女性の権利を守る活動をしているカナダ女性財団(Canadian Women’s Foundation)によって提唱されたものです。

「ステイホームによる自粛生活では家庭内暴力へのリスクが高まります。もし、そんな状況にいる場合はビデオ通話時に相手にこのサインを使って助けを求めてください」

1. 手のひらをカメラに向け親指を手のひらに押し込みます
2. 残りの4本を親指の上に折りたたみます

 
 
 
 
 
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こちらの動画では、女性が通話相手にバナナケーキのレシピを聞く振りをして手でサインを作りSOSを送っています。女性の後ろには加害者と思われる人物が写っているのがわかります。

 
 
 
 
 
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このサインは、身近に安全を脅かす存在がいる状況でも無言のまま助けを求めることができる加害者がDV発覚を恐れ被害者のスマホやPCの使用・検索履歴などを支配している状況でも跡を残すことなくSOSを発信できる、というメリットからその後アメリカでも導入されました。サインの導入から1年足らずの間に、世界中の40以上の団体から、ドメスティック・バイオレンスに対抗する有用な手段として認識されるようになりました。

無言かつシンプルにSOSが発信できるこのハンドサイン。機能するためには、広く一般に周知されることが必要です。そのため、今このハンドサインが世界中に広まって欲しいと声が上がっているのです。

ビデオでは、パートナーから暴力を受けている被害者や、男に連れ去れられそうになっている少女が、近くにいる人に向けてサインを送り、相手がSOSに気がつき対処ができるというストーリーになっています。

DVや児童虐待など身近な相手からの暴力は、多くが家庭という密室空間であること、夫婦間や親子間といった密接な人間関係の間で起こることから、被害者が我慢してしまう、あるいはSOSを発信したくてもできないことが多々あるのが現実です。日本でもコロナ禍におけるストレスや生活不安を背景に、2020年のドメスティックバイオレンス(DV)による相談件数が総数で13万件を超え過去最多となったと言われています。

出したくても出せないSOSを少しでも減らすために、皆さんもこのヘルプサインをぜひ心に留めておくと共に、周りにも広めてください。

このヘルプサインはしかし、ソーシャルワーカーや警察、医療関係者が正式に採用しているものではありません。社会の中で人々が互いを助け合うための一つのサインです。家庭内で暴力を受けている、または受けているかもしれないと思う方に向け、内閣府が設置したDV相談+があります。24時間対応の電話、メールの他にもSNSチャット(12:00-22:00)で相談をすることも可能です。相談窓口はこちらから。

プレビュー画像:©︎Twitter/SinghLions

このヘルプサインは世界共通|覚えておけばいつか誰かの命を助けることになる