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【車椅子】の芸人は感じ悪く対応する駅員に困惑した しかし3ヶ月後 駅員から語られた言葉に耳を疑った
バリアフリーという言葉が浸透してきて久しいですが、バリアが完全になくなったかと言われれば、ノーと言わざるを得ないのが今の世の中の現状でしょう。
そんな社会を少しでも変えようと活動しているのが、先天性の身体障害を持ち、外出時は電動車椅子が手放せない伊是名夏子さんです。伊是名さんはコラムニストとして、新聞の連載や講演をこなす一方で、結婚・出産を経験し、現在は夫とともに、2児の子育てに奮闘中の母親でもあります。
そんな伊是名さんが先日、自身のブログで「JRで車いすは乗車拒否されました」と題する記事を公開し、インターネット上で波紋を広げています。
伊是名さんは静岡県熱海市の来宮神社へ旅行へ行こうと、小田原駅で来宮駅までの車いす対応をお願いします。ところが「来宮駅は階段しかないので案内できません」と駅員から対応を断られてしまったことを明かしています。結局、乗換駅の熱海駅の駅長が特別に対応してくれたため、伊是名さんは来宮駅まで行くことができたのですが、そこに至る過程の中で伊是名さんが経験した駅員との押し問答や、感じたことを綴った記事を公開したのです。
非常に大きな炎上騒ぎとなってしまったため、すでにご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
このブログ記事に対し、「駅員たちの対応が悪かった」「障害のある方を軽んじている」と、伊是名さんを擁護する声が上がったのに対し、「助けてもらって当たり前と思うのは少し傲慢なのではないか?」「他者からの善意を当然のものとして受け取るのは不遜だ」といった反発する声も。真っ二つに意見が割れ、インターネット上で大炎上、大きな論争を巻き起こしてしまいました。
車椅子対応の訓練でもしてるのかな? pic.twitter.com/KWHYeXb1Af
— H.K(低浮上) (@HK45981535) April 13, 2021
(上は、車椅子の方を受け入れる練習をする駅員の方々。画像はイメージです。)
伊是名さんは「障害者差別解消法」に則り、車椅子の人たちがあらゆる駅を使えるような状況になることが理想であるというスタンスを貫いています。例えば今回のケースのように、十分なインフラが整っていない状況では、手助け(合理的配慮)が必要です。しかし、どこまでが合理的な配慮であるかは非常に難しいラインであり、駅員はもっと積極的に手助けするべきだったという意見を持つ人と、これ以上対応するのは「負担が重すぎる」と主張する人の間に深い溝ができてしまっているのが現状のようです。
このような一連の騒動に対し、ある車椅子の芸人のコメントが大きな共感を以って人々から受け入れられています。
その芸人の名は、ホーキング青山さん。ホーキング青山さんは先天性多発性関節拘縮症を持ち、生まれたときから両手両足が使えないため、常に車椅子と共にお笑いの活動を続けています。芸名の由来は、あの有名なイギリスの理論物理学者、ホーキング博士でしょう。
ホーキング青山さんは、取材で過去に自分が経験したエピソードを交えて、騒動に対する自分の見解を述べています。
実際にその画像をご覧ください。
車椅子芸人 ホーキング青山のコメントが分かりみすぎる。https://t.co/TzDouUZgQq pic.twitter.com/96jVRRRD12
— ヤムラ(会長) (@aoyamadai) April 12, 2021
初めて降りる駅で出会った、ものすごく感じの悪い駅員さん。ホーキング青山さんはその駅員さんにあまり良い印象を抱かなかったものの、余計なことは言わず、助けてくれることに対してお礼だけは毎日しっかりと伝えていたそうです。その駅は仕事でいつも使わなければならなかったので、2人は約3ヶ月にもわたって顔を合わせ続けていました。
そして出会って3ヶ月目、駅員さんの口から意外な言葉が出てきたのです。
「あなたは明るいね。前来てた車イスの人はまあ横柄で…(中略)おんなじような人だったら嫌だな、とずっと思ってたんですけど、いい人で良かった」
その時、ホーキング青山さんは、お互いを偏見の眼差しで見ていたということに気づいたのかもしれません。ホーキング青山さんは駅員さんを「感じが悪い」と思い、駅員さんはホーキング青山さんを「横柄な態度で接してくるのではないか」という風に考えていたのですから。辛抱強く、きちんと対話する態度でいれば、きっとお互いを理解し合える…
このような経験から、ホーキング青山さんは「(手を貸してくれようとする人々と)対立するのはあまり良いことではないように思いました」というコメントと共にインタビューを締めくくっています。この意見に対し、インターネット上では多くの共感するコメントが寄せられています。
分断が今の世の中の重要な論題と言いますが、人々の心の中にある壁を取り除くことこそが、真のバリアフリーに近づく唯一の道なのかもしれません。皆さんはどう思いますか?