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キッチン

そのままよりも旨味も栄養価もアップ|えのきを干すといい理由

お味噌汁の具や鍋、またパスタなどにどんな食材とも相性のいいえのきは、カロリーや糖質が少ない上にビタミンやミネラルと言った栄養も豊富な体に嬉しい食材です。その上、スーパーで安価に買え、お財布にも優しい優秀食材。家庭で使う頻度も高いのではないでしょうか。

ビタミンB1や食物繊維を豊富に含んでいるため、疲労回復にダイエット効果と、現代人の体の悩みにぴったりなえのきですが、実はひと手間加えること、もっと栄養価をアップさせることができます。

その方法が「干しえのき」。えのきを乾燥させることで、栄養価だけでなくうまみもギュッと凝縮され、味ももっと美味しくなるのだそう。この記事では、健康に嬉しい上に美味しくなる一石二鳥な干しえのきの作り方と嬉しい作用についてご紹介します。

<干しえのきの作り方>

準備するもの:
– えのき
– ザルや干し野菜を作るネット
– 保存容器

作り方:
1. えのきの石突きを切り落として、ざるなどに広げます。えのき同士が重ならないよう、広げます。(えのき同士が重なる箇所が多いと、干している最中にカビが生えてしまうことがあります)
2. ざるに広げたえのきを、干し網などを使って干します。天日でしっかり3~5日程度乾燥させるか、2~5時間程度干した後にフライパンで焦がさないように乾煎りをします。(夜間は家の中にしまうようにして水分を避ける対策をしてください)カラカラに水分がなくなったら完成です。もとの重量の1/10くらいになります。この状態で常温で1ヶ月程度保存することができます。

※干しエノキを調理せずそのまま食べたいという場合は、フライパンで乾煎りをする方法を利用してください。(生のエノキについている、菌や毒性のタンパク質を無毒化するためです)

<干しえのきがもたらすメリット>

  • ダイエットに嬉しい内臓脂肪を減らす成分が吸収されやすくなる

えのきには、きのこの中でもえのきからしか抽出できないというエノキタケリノール酸が含まれていると言われています。このエノキタケリノール酸には、摂取することで内臓脂肪を減らす働きがあることがわかっており、内蔵脂肪の減少は高血圧、高脂血症、動脈硬化の予防にもつながると言われています。しかし、エノキタケリノール酸は細胞壁の中に多く含まれており、そのまま調理しただけでは細胞壁は破壊されず、吸収されないまま排出されてしまうことがほとんどだと言われています。

細胞壁は乾燥して水分が奪われることで壊れやすくなるため、干しえのきにすることで、エノキタケリノール酸を効果的に摂取することができるようになるのです。また、細かく切ることで細胞壁を壊すことができるため、食べるときは小さく切るとさらに効果を期待することができそうです。

エノキタケリノール酸の他にも、えのきにはキノコキトサンという、腸内をコーティングし、脂肪の吸収を抑える働きがある成分も含まれているため、干すことでこのダブルのダイエットに嬉しい作用を効率よく摂取することができるようになります。

  • 紫外線でビタミンが増加する

よくキノコ類は干すことでビタミンDを増やすことができると耳にしますが、えのきも同様に天日に当てることでビタミンD含有量を増やすことができます。ビタミンDは小腸でのカルシウムの吸収を促す働きをするので、骨粗しょう症の予防に役立つと言われています。なお、ビタミンDを増やす目的だけであれば、天日に2時間ほど当てるだけのセミドライの状態でもOKだそうです。

  • うまみアップ

きのこ類には、昆布のグルタミン酸や鰹節のイノシン酸と並ぶ三大旨味成分の一つであるグアニル酸が含まれています。えのきにもこのグアニル酸が含まれており、干すことでその量はなんと13倍になるといわれています。

  • 保存が効く

えのきをはじめ、きのこ類はあまり日持ちがしませが、干すことで保存性がグンと上がります。完全に乾燥した干しえのきなら、常温で1ヵ月ほど保存が効くようになります。

干しえのきは、生の時と同様にお味噌汁の具やパスタに使ったり、またオリーブオイルで炒めて塩胡椒にすればおつまみにしたりと、幅広く使うことができます。

えのきの有効な成分やうまみを逃さずフルに利用できる干しえのきを作っておけば、普段の食事にちょい足しすることで、体の健康維持に役立てることができそうですね。

プレビュー画像:©︎Twitter/Yuriko_echo

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