ちえとくをフォローする

Lifehacks

あなたの前に立ちはだかる もはや「時代遅れ」となった6つのステレオタイプ

「男は泣いてはいけない」「女性は数字に弱い」「高齢者は頑固」こうした単純化された決まり文句は、社会的な刷り込みとなって、人々の心に無意識にとりこまれています。でも、こうした偏った先入観やステレオタイプ(固定観念)を持つことは有害です。ひとりひとりが個性を生かして活躍する機会や自由を奪い、生きづらさを抱える人を増やしてしまうからです。

これからご紹介する6つのステレオタイプは、前世代では日常的に語られていた言葉。でも、それに縛られて生きづらくなってしまう人がいたのも事実。そのため、こうしたステレオタイプを世代間で継承するのはもうやめよう、という動きが出ている「時代遅れ」な言葉です。

1. 「人間関係を維持するには忍耐と努力が必要」

結婚やパートナーとの関係がうまくいかないとき、祖父母や両親からこのような言葉を言われたことがあるかもしれません。でも現代の心理学では、人間関係は困難である必要はなく、家族や愛は忍耐や努力の場であってはならないと考えられています。健全な関係のパートナーはライバルではなくチーム。家では、自分を犠牲にすることなくリラックスできるべきなのです。たとえ問題や対立があったとしても、それは良好な関係の中で生じたものであり、お互いのためになる方法で解決する準備ができていなければなりません。

あなただけが我慢しなければならない、あなたの要求が一方的に無視されるなど、パートナーから常に傷つけられている関係なら、不必要に長く続けるべきではありません。

Family posing with a puppy in a garden

2. 「怠けることは悪いこと」

どんな人でも時には物事を先延ばしにしたくなります。でも、怠けることは悪いことだと教えられてきたため、何もせず、怠惰に身をゆだねていると罪悪感に苛まれる人も多いでしょう。実際、年配の人の多くは、怠惰こそが貧困や失敗の原因であり、弱さの証拠だと考えています。でもそれは間違いなく時代遅れ。なぜなら人は弱いものであり、どんな人にも怠ける権利があるからです。

もちろん、常に先延ばしにすることが習慣になっているのは問題ですが、休憩をしっかりとることや物事を楽に行うことを恥じる必要はありません。休憩している間に脳内データの無意識での処理が行われるため、その後の生産性がさらに向上するということもわかっています。

work work work

3.「女性はうわさ話が好き」

「女性が集まるとゴシップや人の噂をする」そんな決まり文句、聞いたことありますよね。でも、ある実験では、性別や年齢に関係なく、すべての人がうわさ話をしていることが分かりました。また、うわさ話は全体の14%に過ぎないため、他人の話をする時間はそれほど長くないということもわかっています。さらに興味深いのは、この実験によると、女性は他人のことを思いやりを持って、少なくとも中立的に話す傾向があるのに対し、男性のゴシップはもっぱら否定的だということ。また、一般的に信じられていることとは逆に、高齢者は若い人よりもうわさ話をすることが少ないという結果が出ています。

gossip girls

4. 「女性に向いた仕事と男性に向いた仕事がある」

かつては女性だけの職業や男性だけの職業が数多くありました。科学や技術に関することは女性には理解できないとされる一方で、男性はあまり共感力がなく、子どもや老人の世話には向いていないと言われていたのです。

最新科学で人間の脳が性別に依存しないことはすでに証明されています。でも残念なことに、こうした時代遅れの固定観念は、現在でも多くの人の頭の中に残っています。実際、今でも多くの親が男の子に黒や青のランドセルを選び、車のおもちゃや恐竜図鑑を贈り、女の子には赤やピンクを選び、人形で遊ばせています。たとえ女の子がエンジニアに、男の子が幼稚園の先生になりたいと思っても、社会に立ちはだかるステレオタイプに阻まれ、望む仕事に就くことをあきらめたり、自分の可能性を狭めてしまうことも多いのです。

Bank Office - 1970's

5. 「助けを求めてはいけない」

最近、「日本人の他者に対する冷たさは世界トップクラス」という残念な調査結果が出ました。日本人の多くが、親や学校で「人様に迷惑をかけてはいけない」と言われつづけて育ちます。そのため迷惑をかけることを恐れる意識が肥大化し、「助けを求めてはいけない」という雰囲気が社会で醸成されているのではないでしょうか。

でも勇気を出して、ご近所さんに子どもの面倒を見てもらえるかお願いしたり、電車の中で立っていられなければ席を譲ってもらえないか尋ねてみてはどうでしょうか。迷惑をかけあう社会は、助けたり、助けられたりする社会とも言えます。助けてもらった人が次は助ける側に回る時も来るでしょう。そんなあり方が私たちの住みたい社会ではありませんか?

Elderly Woman in a Wheelchair

6.「年上の人は敬うべき」

かつて高齢者は社会の中で唯一の知識源として敬うべき存在でした。でも今日では知識を得る方法は数多くあり、世界は急速に変化しています。孫娘に編み物を教えているのはおばあちゃんではなく海外のユーチューバーかもしれません。そしてインターネットや携帯電話の使い方をおばあちゃんに教えているのは孫娘なのです。

もちろん、高齢者が敬意を持って扱われるべきでないという意味ではありません。年齢に関係なく、誰もが礼儀正しく扱われるに値するのです。ただ、子どもや若者に年上だという理由で 「盲目的に」 敬意を払うことを強制したり、権威に服従することを求めることは危険なことだと歴史が教えてくれています。

Bill

ステレオタイプの多くは、「決まり文句」や「常識」として無意識に刷り込まれていくものです。ひとりひとりが、そうした先入観が「時代遅れ」であることに気づき、変わること。それが、誰もが個性を発揮して活躍できる社会づくりにつながるのではないでしょうか。

プレビュー画像: © flickr/simpleinsomnia