トリビア
【豆知識】独特な読み方を持つ漢字や熟語10選
私たちが小中学校の義務教育を通じて習う漢字は2000字以上。これらは常用漢字と言われ、一般的な社会生活を送る上で使用される漢字の目安になるものです。
9年間もの間に2000字以上を習得するとは、今思い返せばすごい量です。それもそのはず….小学生の時など漢字ドリルを使って、ひたすら同じ文字を何回も書いたという作業量が膨大な宿題とかありましたよね。
小2のときの漢字ドリル出てきた。
— ふくだ (@maca0v0roni) August 12, 2021
先生に対して失礼すぎて笑う。 pic.twitter.com/yqOPFJJo2M
こうして日常何気なく使っている漢字ですが、中には意外すぎる「読み方」を持つ漢字や、漢字にしたら想像と違ったなんて言葉があります。そこで今回は、ちょっと驚く漢字の読み方10選をご紹介。一度聞いたら印象に残るものを集めました。
1. 肛
この文字をみて真っ先に「肛門」という文字を思いうかべるのではないでしょうか。しかし、この文字の訓読みをみなさんご存知ですか?
答え:しりのあな
思わず「そんなバカな…!」と言いたくなりますが、訓読みでは「しりのあな」と意味そのままで読みます。また、「肛れる」と書いて、はれると読みます。
肛門の『肛』、訓読みだと何なんだろうと思ってしらべたらこれ一文字で『しりのあな』なんだって!ハブアナイスデイ!!
— スペーシアけもの (@suidou) December 21, 2021
2. 袴
腰から足首までをおおう和服という意味で主に和装に対して使うこの文字は、「はかま」と読むのが一般的ですが、実はもう一つ読み方があります。
答え:ももひき
ももひきは「股引き」とも書きますが、小袴などの袴の変化から起ったもので、室町時代から小人や下級武士の間で用いられ始めたのが、現代のももひきの始まりなのだそうです。
3. 鯖
魚へんに青と書いて、脂が乗った美味しい魚のサバと読みますが、実は面白い読み方があるのです。
答え:よせなべ
鯖という漢字には魚のサバ以外にも、「魚や肉などを入れて煮た料理」という意味があり、よせなべと言う訓読みを持っているのだそうです。
日本漢字能力検定協会が提供している漢字ぺディアには、鯖の訓読みによせなべが挙げられていました。
— ぬくぬく0315♪( ´▽`) (@nukunuku0315) March 16, 2018
中国において鯖は寄せ鍋(魚や肉などを混ぜて煮た料理)のことを指すこともあり、それが転用されたと思われます。 pic.twitter.com/okHO3IXdoa
4. 溺
溺れる(おぼれる)や溺愛(できあい)などで使われる「溺」という漢字ですが、もう一つ別の意味を持っています。
答え:いばり
いばりと呼んで、尿や小便などという意味を持っているそうです。ちなみに小便という意味で「溺」を使う場合の音読みは「ニョウ」になるそうです。こちらは漢字検定1級で出る超難易度の読み方なんだとか。
5. 胡
胡桃とかいて「クルミ」と読んだり、胡散臭いとかいて「うさんくさい」と読んだりと、胡という漢字にはさまざまな意味があります。長寿や長生きという意味もあり、人名用漢字としても使われていますが、色々な意味がある故、こんな読み方もできるそうです。
答え:でたらめ
意味は、文字通り、いいかげんで・でたらめなどという意味。また、「胡き」とかいて「ながいき」とも読めます。
6. 鮭
鯖につづき、魚の代表とも言える「鮭」ですが、これ自体で、魚世界を総括してしまうような読み方をすることができます。
答え:さかな
そのまんま…と思う読み方ですが、鮭という漢字には、魚料理という意味もあり訓読みで「さかな」とも読めるそうです。こちらも漢字検定準1級レベルの高難易度となる読み方です。
7. 鯉
またまた魚へんから、おもしろい読み方をご紹介します。魚へんに里と書いて「こい」と読みますが、もう一つ魚とはまったくかけ離れた訓読みを持っています。
答え:てがみ
なんでも昔、鯉の腹の中に絹地に書いた手紙を入れて届けたことから、便り、手紙の意味となり、「てがみ」という訓読みがついたそうです。なぜ腹の中に…というのは謎なまま。
おはようございます!
— かいわれさん(猫と漢字大好き) (@kaiwarehan) November 14, 2017
Günaydın!(ギュナイドゥン)
11月(霜月)15日
六十干支: 丙午(ひのえうま/ヘイゴ)
六曜: 大安
旧暦: 9月(長月)27日
月齢: 26.3
今日の花はミゾソバ(溝蕎麦)。花言葉「純情」。
鯖の訓読みに「よせなべ」、鯉の訓読みに「てがみ」があるとは知りませんでした! pic.twitter.com/5KUOpCGc22
ここからは、読み方が意外すぎる熟語を紹介。こんな漢字当てるのか!と驚いてしまいます。
8. 生飯
なまめし?と読みたくなってしまうこの言葉。この生飯という言葉は、修行僧たちが食事の前に、鬼神・餓鬼・無縁仏に米をわけ与えることを言いうのだそうです。
答え:さば
数をごまかす意味の「さばを読む」という言葉には、「鯖」が使われる説もありますが、生飯のために取り分ける分のご飯を考慮して多めに準備したことに由来しているという説もあるそうです。
今朝、施餓鬼で供えた生飯(サバ・飯粒)が縁側から綺麗に無くなっていた。食べたのはこの子(野良猫)だった。 pic.twitter.com/AAp5NVnMeV
— 高野山 青巖寺@南山坊 (@nanzanbou) October 11, 2021
9. 湯湯婆
ぱっと見から、あのジブリの湯婆婆を想像してしまう文字並び。しかしこの言葉を意味するものは、とくに冬の季節とっても身近なもの。
答え:ゆたんぽ
湯たんぽは室町時代に中国から伝来したと言われています。中国では湯たんぽのことをそのまま「湯婆(タンポ)」と呼んでいたのですが、日本に伝来した際に意味を分かりやすくするため頭に「湯」がつけられたとされています。文字だけにしたら、なんだか違うものを想像してしまいますね…。
ゆたんぽって、漢字で書くと「湯湯婆」なんだ……。ほぼ湯婆婆じゃん……。 pic.twitter.com/L1fXHOGagn
— じきるう 編集者 (@kazzikill) December 12, 2021
10. 寸寸
一文字だと「すん」と読む言葉ですが、2つならぶとなかなか重みのある言葉に。
答え:ずたずた
読み方通り、寸寸と書いてものを細かく切る様子を意味します。ズタズタに切り裂くという時に漢字で「寸寸」と使うことができます。また、ずたずたの他にも「ずんずん」と読むこともできますが、ずたずたと読むことが多いそうです。
この寸寸という言葉は、漢字二文字や三文字の熟語を訓読みする熟字訓にあたります。代表的な例では、「昨日」「大人」「五月雨」など。漢字単体に読み方が振り分けられているわけではないので、寸のみで「ずた」とは読めません。
刻刻:ぎざぎざ
— 瀝/しずく(欏 ´・ω・`) (@875izumi_an1231) March 4, 2019
点点:ちょぼちょぼ
寸寸:ずたずた
同じ漢字の熟字訓ってなんか面白い pic.twitter.com/bEqagIO8VF
難しい漢字ではなく、どちらかと言えば身近なのに、意外な読み方を持つ漢字や熟語。日常生活では使うことはないかもしれませんが、知識として覚えておけば、小説など読む時に役立つかもしれませんね。
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