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ヘルスケア

手にできる小さなポツポツの水ぶくれ|痒みをともなう汗疱とは

文字を書いたり、スマホやPC作業をしたり、物を掴んだりと毎日使っている指先や手。日常的にさまざまば刺激が加わることが多いことから、乾燥による手荒れや痒みを伴う湿疹などといったトラブルが起こりやすい場所でもあります。

手荒れと聞くとよく耳にするのが手湿疹。手湿疹とは、水仕事などによって皮膚のバリア機能が弱まり手荒れがさらに進行し、かゆみや痛み、時には水疱ができるなどしてジュクジュクする症状のこと。最近ではアルコールによる手指消毒により、この手湿疹を患う人が増加しているそうです。

このような症状が現れると全て手湿疹と思われがちですが、実は症状が似ていても別の疾患の場合もあるそうです。この記事では、手湿疹とよく似ていて、春から夏にかけて患う人が多いと言われる手の症状についてご紹介します。

手湿疹と間違えられやすい汗疱(かんぽう)

手指や手のひら、また足の裏にかゆみを伴う、プツプツとした小さな水ぶくれができたことはありませんか?

これは、先から夏にかけて手湿疹とよく間違えられやすいと言われる、汗疱(かんぽう)という症状。手のひらや指の側面を中心に1~2mm大の小さなポツポツができる汗疱は、痒みを伴うだけでなく、水ぶくれが破れると皮膚が炎症を起こし汗疱状湿疹という症状に発展します。その際、手や指の皮がボロボロとめくれ落ちていき、見た目にも辛い症状となるそうです。

最近では、タレントの有吉弘行さんがラジオで汗疱の症状に悩まされていたことを告白、話題にもなっています。

汗疱の原因

汗疱は、汗を多量にかくことで汗腺が詰まり分泌されず皮膚内にたまった汗が炎症を起こし水ぶくれができると考えられています。異汗性湿疹(いかんせいしっしん)とも言われています。水ぶくれや破れると激しいかゆみや痛みを伴う汗疱は、多汗症や金属アレルギーの人によくみられると言われています。また、ストレスや自律神経の失調が関連し発症することもあるそうです。しかし、詳しい原因は明らかになっていません。

水虫と間違われやすい

小さなポツポツに、痒みや皮膚のジュクジュク、さらには皮がボロボロとめくれる汗疱は、しばしば「水虫」と間違われることがあるそうです。そのため、周囲の人からなんとなく避けられてしまったり、触れないようにされてしまうということも。しかし、汗疱は水虫のように菌による病気ではないので、他人に感染する心配はありません。

汗疱の症状が出たら…

汗疱について有効な治療法は見つかっていませんが、掻きむしってしまうと痛みを伴うため症状が出たら、早めに皮膚科を受診するようにしてください。

家庭ではなるべく水仕事を控え、手洗い・入浴後はタオル等でしっかり乾かします。高温多湿を避け、室内は除湿や換気を行います。こまめに汗を拭きとることも症状悪化を防ぐことにつながるため、外出先ではハンカチなどでしっかり汗を拭き取るようにします。
また、手汗の抑制も汗疱対策に効果的なことから、緊張性の手汗を抑える効果が期待できる小指湿布もおすすめです。小指湿布に関してはこちらをご覧ください。

注意:上記でも記載しましたが、水虫と間違われやすいため自己判断で水虫の薬を塗ってしまうと症状が悪化してしまうことがあります。

この季節に症状がよく見られる汗疱ですが、気候だけでなく手のひらに汗をかきやすい人や、活動量の多い小さな子供にも多い症状と言われています。痒みを感じて掻きむしると、皮膚が傷つき炎症を起こし、そこからまた痒みが増すという悪循環に陥ってしまいます。そのため、汗疱らしき水ぶくれを確認したら早めに対処していきたいですね。

プレビュー画像:©︎Pinterest/nutmed.exblog.jp
出典:ゆたか倶楽部, 町野皮ふ科