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ヘルスケア

使い方次第で肺炎になるかも|注意したい加湿器の使い方

空気が乾燥する季節は、風邪やインフルエンザにかかりやすい季節。乾いた空気の中で、呼吸器系の粘膜が乾燥すると、体の防御機能が低下し風邪などのウィルスが体内に侵入しやすくなってしまいます。また、湿度が40%以下になるとウイルスやバクテリア類の数が増え、インフルエンザウイルスの活動も活発に。

そのため、室内の湿度は50%弱くらいの状態が理想的と言われ、冬は加湿器を利用する人が多くいます。

風邪対策や肌の乾燥、乾燥して喉が痛くて寝れない夜などに便利な加湿器ですが、実は使い方によっては加湿器が逆に体に健康被害を引き起こしてしまうということも。

そこで今回は、加湿器使用時に気をつけたいポイントをご紹介します。

使う水は基本的に水道水以外はNG

加湿器に水道水ではなくミネラルウォーターや浄水器の水、アルカリイオン水などを使っていませんか?実は、これらを加湿器に使うと雑菌が繁殖してしまう原因に。塩素の含まれていないミネラルウォーター等を加湿器に入れてしまうと、タンク内に雑菌が繁殖するだけだなく、超音波式が出す細かな水滴と一緒に部屋中に飛散してしまいます。

水道水(飲用)は一般的に塩素処理されているため、雑菌が繁殖しにくいものとなっています。そのため、加湿器には水道水の利用が推奨されています。

加湿器に使う水は基本は水道水ですが、水を沸騰させて使うスチーム式は、水道水でなくとも問題ありません。しかし超音波式や気化式は水を沸騰させないため、菌を殺菌できないことから、水道水以外の使用はNGです。(お手持ちの加湿器の取り扱い説明書を確認するようにしてください)

加湿器を清潔に保つ

どんなタイプでも水を入れてスイッチを押すだけで簡単に作動する加湿器ですが、加湿器のこまめなお手入れを怠ると場合によっては、「加湿器肺炎」を引き起こしてしまうことも。

加湿器肺炎とは、加湿器の中に発育したカビや、場合によってはレジオネラ菌(自然界の川や池などの淡水や湿った土壌等に生息する細菌)などを吸い込むことで起こります。カビ自体は病原性が弱く肺に直接炎症を起こすことはありません。しかし、肺や気管支がカビによるアレルギー反応を起こすことで、加湿器肺炎を引き起こすと考えられています。

加湿器肺炎を起こした場合、息切れや咳、発熱といった症状が見られるそうです。加湿器肺炎は、症状が風邪やコロナウィルス感染症に似ていることなどから、原因がわかるまで時間がかかるとも言われています。さらに、通常の肺炎と違いアレルギー性肺炎の一種なので、肺炎治療に使われる抗生物質では効果がないのだそうです。そのため、原因を突き止めるまでに時間がかかり、場合によっては重症化してしまい、入院が必要になるケースもあります。

加湿器肺炎は、原因となる加湿器の使用を止めることで症状を自然に改善することができますが、免疫力が弱い小さな子供や高齢者の場合は特に注意が必要です。実際に2017年12月から2018年1月にかけて、大分県の高齢者施設で入所者など3人が加湿器から検出されたレジオネラ菌による肺炎を発症し、このうち1人が亡くなったとう事例も起きています。

このような加湿器からのカビや細菌の吸引を防ぐには、毎日の水の交換と、タンクの内側の洗浄をする必要があります。

水を沸騰させて蒸気を作るスチームファン式やスチーム式の加湿器では、カビや細菌が空気中に散布される心配はほぼありませんが、超音波式の場合は注意が必要です。超音波式の加湿器の場合、タンクの水をそのまま利用するため、タンクが汚れていたり、水の中に雑菌が混じっていた場合、雑菌も一緒に部屋の中にまき散らしてしまいます。そのため、使用している加湿器が超音波式であれば、雑菌の繁殖を防ぐためにもタンクの掃除をこまめにするようにしてください。(掃除については、取り扱い説明書を確認してください)

手軽に湿度を保てることから利用者の多い加湿器。しかし、使い方によっては逆効果になってしまう恐れがあります。利用している加湿器のタイプを確認の上、こまめなお手入れを欠かさないようにしていきたいですね。

プレビュー画像:©︎Pinterest/kilalaify

出典:NHK, ウェザーニュース