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トリビア

【近くて遠い国】北朝鮮で禁止されている15の事柄

北朝鮮(正式には朝鮮民主主義人民共和国)は現在、地球上でもっともミステリアスな国のひとつです。韓国についてはよく知っている人でも、北朝鮮に関する情報はほとんど入手できません。特に知られていないのが人々の生活。北朝鮮には約2500万人が暮らしていますが、独裁政権下で人々はどのように暮らしているのでしょう。

人々の暮らしについて分かっていることは、その生活に厳格な制限があるということ。北朝鮮では、私たちにとって普通の事柄が禁止されています。

北朝鮮でタブーとなっている15の事柄をまとめてみました。

1. クリスマス

北朝鮮の憲法は信教の自由を保障しています。しかしこの憲法の規定にもかかわらず、北朝鮮は宗教を国家と国民統制に対する脅威と考えています。実際に、多くの人が信教を理由に刑務所や強制労働収容所に入れられているのです。そのため、クリスマスを祝うことも、クリスマスツリーを飾ることもできません。

christmas tree

2. コカ・コーラ

北朝鮮は鎖国政策をとっており、アメリカ資本主義の象徴とも言えるコカ・コーラは禁制品。でも、首都平壌の高級店のなかには中国産のコーラを販売しているところもあります。

とはいえ、北朝鮮の庶民にとってはコーラは高価すぎるうえに、欧米の製品はそれほど人気がないそうです。人々は国産のさまざまなソフトドリンクをのんでいます。

DPRK, North Korean soft drink selection

3. 派手なヘアスタイル

北朝鮮では、ヘアスタイルや髪の長さにまで細かい国家規定があります。金正恩(キム・ジョンウン)国家元首が認めたヘアスタイルが決まっており、床屋や美容室にはそのヘアスタイルが掲示されて、人々はそのなかから自分の髪型を選びます。

ヘアスタイルの種類は、女性は18種類、男性は15種類(長髪は禁止)。もちろんヘアカラーの変更はできません。また、未婚女性は髪を短くしなければならず、既婚女性になると選択肢が増えるそうです。

ちなみに、男性の15のヘアスタイルのいずれも金正恩のあの忘れられないヘアスタイルとは一致しません。国家元首の独特ともいえる髪型は、一般大衆にはタブーのようです。

4. ブルージーンズ

北朝鮮ではブルージーンズは禁止されているので、デニムが履きたい人は黒を買うことになります。ブルージーンズは世界帝国主義を体現しており、西欧世界の象徴。歓迎されるものではないのです。北朝鮮でもピアスも許可されていません。

髪型や服装の規定、ピアス禁止など、日本の校則にも通じる細かい規定が市民全体に適用されているのです。衣服や髪型を自由に選ぶことによって「反社会主義者」気分が刺激され、人々が当局のプロパガンダに疑問を持つことを危惧していると考えられています。

5. 国際電話

北朝鮮でも携帯電話やスマホが普及しつつあります。しかし、北朝鮮には独自の携帯電話ネットワークがあり、一般市民は国際電話は利用できません。

©Wikimedia/Joseph Ferris III

6. 国際コンサート

北朝鮮で演奏を許されている外国の歌手やバンドはほとんどいません。地元のバンドやアーティストのコンサートに行くことは可能です。

7. 欧米の雑誌

北朝鮮はあらゆる種類の外国メディアを禁止しています。印刷された媒体も当局が管理、監視しています。国内で出版される雑誌もライフスタイル誌はなく、教育的、政治的な雑誌のみが許可されています。

8. スターバックス

北朝鮮にスターバックスはありません。西洋世界の象徴ですからね。それでもコーヒーを飲みたいなら、オーストリアの投資家が北朝鮮の人々と協力して平壌にオープンした「龍王カフェ」がオススメです。

9. グローバルインターネット

北朝鮮でのインターネット接続は、首都平壌にある外国人観光客向けのインターネットカフェやホテルに限られています。北朝鮮の一般の人々は、グローバルインターネットにはアクセスできません。ただ、2000年に政府が設立した国内ネットワーク 「光明」 にはアクセスできます。

さらに北朝鮮はApple製品の代替となる自国のタブレットPCを独自に開発しています。

10. 自動車

北朝鮮で運転するのは男性のみ。自動車教習所は存在せず、軍隊で運転免許を取得するのです。車を所有できるのは特権層だけです。

Traffic Lady. Pyongyang, North Korea.

北朝鮮には新車と中古車の製造と販売の独占権を持つ自動車会社が1社しかありません。一般の人々は通常、徒歩か自転車で移動します。ただ、首都平壌には地下鉄、路面電車、トローリーバスがあります。平壌地下鉄ではベルリン地下鉄から譲渡された車両が使われているそうです。

11. 外国のテレビ番組

北朝鮮には4つの国営テレビ局があります。北朝鮮で販売されているテレビは、外国からの放送を受信できないシステムになっています。輸入されたテレビについても、政府によって外国放送を受信するOSが無効化されて販売されています。

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12. コンドーム

多くの北朝鮮人はコンドームの存在さえ知りません。数十年前に闇市場に現れましたが、あまり人気がでませんでした。今では国内でそれらを買うことはほとんど不可能です。

北朝鮮の女性はIUD(避妊リング)の普及率が非常に高く、女性 (16歳から49歳)の74%がIUDを避妊に使っています(世界的なIUDの利用率はわずか5.4%)。しかし、こうした状況により、性感染症や婦人科疾患が蔓延するなど弊害が生じています。

13. 聖書

北朝鮮では、聖書は西洋文化の象徴と見なされています。また聖書が人々に影響を与え、改宗に導く可能性があるため、国内での使用は許可されていません。

I found an old Bible in an abandoned house. I’m agnostic but this thing is ridiculously cool.

14. 国外の旅行

北朝鮮では国民に移動制限が課されており、国境を超えることはできません。極まれに越境が許可されるのは、政権に忠誠を尽くしているとみなされ、逃亡のリスクがない人物である場合のみです。

©Wikimedia/Uri Tours

15. 生理用ナプキンやタンポン

生理用ナプキンやタンポンは北朝鮮の店にはありません。少なくとも地元の人を対象とした店では入手できません。北朝鮮の女性たちは洗濯して再利用する布を使っています。

北朝鮮指導部は外部の影響を徹底的に排除しようとしています。しかし、たとえこのまま多くのことを禁止し続けたとしても、世界は進化を続けています。そのなかで北朝鮮が現体制を維持できるという見方は疑問視されています。数年後の様子はどうなっているのでしょう。

プレビュー画像: ©Flickr/jiva ©Pinterest/bustle.com

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