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DIY

観葉植物やベランダ菜園にコバエ発生?!安全で効果的な対策6選

お部屋の植木鉢やプランターの土に、どこからともなく黒くて小さなハエが発生することがあります。

短時間のうちにどんどん増えて、部屋の中を飛び回るようになるコバエの正体はキノコバエ。近年、日本各地で大量発生しており、園芸家や植物愛好家にとって非常に厄介な存在となっています。人を刺したり、直接被害を及ぼすことはなく、数が少なければ植物にもほとんど被害はありません。でも、数が増えると根が枯れて腐り始め、植物が枯れてしまうこともあります。なによりも屋内で飛び回るので鬱陶しく不快な害虫なのです。

では、キノコバエはどこからやって来るのでしょう?多くの場合、市販の用土にすでにキノコバエの卵が含まれていると考えられています。また有機質の培養土や腐葉土は、絶好の産卵場所となるため、どんどん繁殖して大量発生の温床となります。

症状

自然界では、コバエの仲間は林床で腐った植物の分解するのを助けています。家庭でコバエが発生すると、幼虫が土の中の有機物を食べるため、植物の成長を阻害します。繁殖力が強く、繁殖スピードも速いため、観葉植物や温室植物にとっては危険な存在なのです。

予防

キノコバエは湿った場所を好みます。予防のためには、土の表面が乾燥している時間を長くすることが大切。水やりは控えめにして、鉢底の土が乾いてからあげるようにしましょう。受け皿に溜まった水は20分ほど置いたら流しましょう。また、土を無機質用土(赤玉土、鹿沼土、バーミキュライト)に交換したり、水耕栽培に切り替えることも有効です。

©Media Partisans

購入した土がハエ発生の原因となることが多いため、土を保管する際にはいくつかの注意点があります。鉢植え用の土は、涼しく乾燥した場所に保管し、容器を閉じておきましょう。さらに、すでに発生しているハエを封じ込めるために、防水シートで覆っておけば安心です。

培養土を使用前に殺菌することもできます。オーブンを85℃に予熱し、天板の上に土を広げ、30分ほどオーブンに入れます。こうすれば、安心して用土を使用することができます。オーブンの代わりに、電子レンジで30秒加熱しても殺菌になります。

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安全で効果的な駆除方法

コバエに効くと言われる方法は数多くありますが、本当に効果があるものはわずかです。殺虫剤は人間や動物に有害な場合もあるので、必ずしも最良の選択とは言えません。殺虫剤や薬剤に手を出す前に、安全で効果的なホームレメディ(家庭療法)を試してみてはいかがでしょうか。

1. 鳥の砂や無機質の土で覆う

コバエは表土(深さ2〜3cm)に卵をうみつけるので、表土を3cmほど落として、新たに鳥用の砂やバーミキュライトなど無機質の土を足してあげると効果的です。

2. タイツで覆い隠す

小バエが鉢植えの土に卵を産み付けるのを防ぐもう一つの方法は、タイツやストッキングで覆うことです。コバエは繁殖できなくなり、徐々に死滅していきます。

3. 重曹

重曹はお掃除や料理の万能選手ですが、実はコバエ対策にも使えます。鉢植えの土に振りかけてから、水をかけてください。重曹が土に吸収され、重曹の成分により幼虫が死滅します。蔓延の程度によっては、完全に駆除するために何度か繰り返す必要があるでしょう。多少時間がかかりますが、植物に優しく、非常に安価な方法です。

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4.  酢

酢もコバエ対策に効果的なホームレメディです。酢と水と洗剤を1:1:1の割合で入れたボウルを、小バエが発生している植物の横に置きます。酢の匂いに誘われた小バエが引き寄せられ、洗剤が水の表面張力を緩めるため、やがて溺れてしまいます。

5.  キッチンハーブ

パセリやチャイブなどのハーブは、小バエを駆除に有効です。ハーブに含まれる精油の香りをコバエが嫌うため、地面に卵が産み付けられるのを防いでくれます。方法としては、パセリを刻んで鉢植えの土の上に撒いたり、チャイブの鉢を感染した植物の間に置きます。パセリは乾燥すると香りがなくなってしまうので、何度も新鮮なものを撒く必要があります。

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6.  ニームオイル

ニームオイルは、ニームの木の種子から抽出されたオイルで、特にコバエの幼虫に作用します。ニームオイルの有効成分アザディラクチンが、幼虫のホルモンバランスに影響を与え、キチン質の形成を阻害するのです。オイルを1:1000の割合で水と混ぜ、希釈液を土にかけてください。

他にも、シナモンやコーヒーかすなどを撒く方法が知られていますが、効果が小さく、土にカビが生えるなど、問題をさらに悪化させることが多いので、あまりオススメしません。また、ティーツリーオイルは、植物の根にダメージを与えてしまうので使わないでください。

上記の安全なホームレメディでも防虫効果がみられなければ、もちろん薬剤や殺虫剤を使うこともできます。ただし、薬剤を使用する場合は、ペットや子どもの健康を害さないように、植物を手の届かないところに置くようにしてください。

目にも心にも優しいはずの観葉植物やベランダ菜園が、一歩間違えると不快なハエの発生源になってしまうのはとても残念ですよね。これから梅雨にかけてコバエが増えてくる季節です。早めに対策しておきましょう。

プレビュー画像: ©Media Partisans ©pinterest/georgeweigel