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Lifehacks

【大人の干渉はいらない!】脳科学的に子どもの成長に必要なのは「自由な遊び」だけ

親は、子どもが人生を歩むために最善の準備をしたいと思っています。しかし、脳科学の研究から、多くの親が決定的な間違いを犯していることがわかりました。良かれと思って親がやっていることが、子どもの可能性を高めるどころか、知らず知らずのうちに子どもの成長を遅らせているというのです。

多くの親が「先に先に」と道を先取りすることを教育と考え、子どもにできるだけ早く、できるだけ多くのことを教えたいと思っています。そんな親の願いを背景に、「子どもの能力を引き出す」「視野を広げる」「○○を学べる」といった謳い文句の知育玩具や幼児用教材の人気は年々高まるばかりです。

Piano Boy

しかし、いくつかの大学で行われた実験で、こうした親のサポートは、特に幼児にとっては最善ではないどころか、弊害があることが明らかになりました

研究では、部屋の中で1人でいる子どもに、あるおもちゃを持たせて観察しました。そのおもちゃはいくつかの部品で構成されており、いく通りもの遊びができます。ある部品は笛になっていて、別の部品は光り、別の部品は音楽を奏で、別の部品には隠し鏡がついています。

子どもたちは事前に2つのグループに分けられています。1つ目のグループの子どもたちには、最初に大人がおもちゃの笛の仕組みがわかるように、吹いて見せました。2つ目のグループの子どもたちは、何も教えてもらわず、完全に自由に遊びました。

I got a gift!

子どもたちの行動を比較してみると、第1グループの子どもたちは笛で遊ぶだけで、他の機能を見つけることはありませんでした。一方、何も見せていない第2グループの子どもたちは、おもちゃの機能をすべて自分で見つけ出し、それを使いこなしていたのです。

ドイツの脳科学者ジェラルド・ヒューザー教授は、今回の実験結果を「警告」ととらえています。この結果は、彼が長年にわたって観察してきたことを裏付けるものでもありました。その観察とは、親が子どもの自由な遊びに干渉しすぎると、自然な好奇心が失われ、子どもの広く開放的な世界が狭められてしまうというものです。

「子どもたちには、生まれながらにして発見する喜びが備わっています。でも、その喜びは、誰かがやってきて、今何をすべきかを教えてくれるとそこで終わってしまうのです」とヒューザー教授。

Abandoned

自分で世界を切り開き、発見していくというゲームには、構造を破壊し、イノベーションを生み出す可能性があります。つまり、自由な遊びに干渉するということは、今日ますます重要になっている「創造性」を妨げることになるのです。。

脳科学研究では、さらに衝撃的な結果が出ています。親が子どもに何かを教えようとすることは、子どもの世界を狭めるだけでなく、子どもの知的あるいは情緒的な成長を妨げることになるというのです。

「脳科学の研究から、まったく目的のない遊びが最も多くの脳の神経のつながりを生み出すことがわかっています。遊びはすべての能力を必要とします。子どもが目的も方向性を持たずに世界を探索することほど、知能と人格の発達を強化するものはありません。

その意味で、親がなすべきことは、子どもを指導して形を整えることではなく、子どもが主体的に心を育む機会を与えることなのです。こうすることで、受け身の教育から、主体的な学びに変わり、『技術を身につけたい』『新しいことを学びたい』という内なる衝動を持つ子どもになるのです」

親が子の内なる衝動をサポートすれば、すべてがうまくいく」とヒューサー教授は言います。

Jun 24 (40)

作家のフランク・ヴェーデキントは、「子どもの遊びは神聖なものであり、邪魔をしてはならない」と警告しています。親は、特に幼児期には、自分たちが優れた知識を持っているという考えを脇に置いて、子どもの遊びを観察する立場になるのが良いでしょう。遊びから学べる人は、常に何かを学ぶことができます。それは生きる力となります。そして、遊ぶことに喜びを見出す人にとって、人生はより美しく、色鮮やかなものになるのです。

プレビュー画像: ©flickr/Elliot Moore