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入りやすくて見えにくい場所に注意|ある母親が体験した恐怖のエピソード

ショッピングモールやスーパーなど、常に人が行き交う場所は、人通りの少ない場所よりも一見安全なようにも思えます。しかし、実は人混みの中は、注意が拡散してしまうことから個人への意識が薄れ、犯罪が起きやすいスポットとされています。人が多い観光地や商業施設、また駅前などの街中で起きる犯罪の多くが、小さな子供を狙ったものと言われています。

幼い二人の子供をもつにゃおうさん(@nyaonyao123123)がショッピングセンターで体験したあるエピソードをご紹介します。

その日、にゃおうさんは幼い子供2人とともにショッピングセンターのフードコートで夕食をとっていたそうです。そんな中、5歳になる息子さんがトイレに行きたいと言い出し、いつもなら一緒に行くところを出入り口が見える席に座っていたこと、そして食事中だったこと、また下の子もいたことから、一人でトイレに向かわせたのだそうです。

しかし、その瞬間、にゃおうさんの背筋が凍るよな事態が起きたのです。

「5歳息子、普段私とトイレに行くから間違えて女子トイレに入ったんだけど、その後を追うように小太りのおじさんが女子トイレに早足で入っていった」

女性用トイレに向かった息子さん…その後を追うように、男性が女性用トイレに入って行ったのです。ただならぬ事態に、トイレへ走り出したにゃおんさんですが、男性は慌ててトイレから逃げるように飛び出してきたそうです。

息子さんの無事を確認しようとトイレに入ったにゃおんさんは、トイレの入り口付近に女性の存在を確認。男性はトイレに別の女性がいたことで、その場を逃げ出したのです。

故意に息子さんを追って入ったのか、偶然入るトイレを間違えたのか、定かではありませんが、にゃおんさんがお店の人に確認したところ、そのトイレ付近には防犯カメラがないことから、男性の前後の行動が確認できなかったそうです。

しかし、男性が付近に防犯カメラがないトイレだったと知っていたら…?と考えると、その行動の異様さに鳥肌が立つような出来事です。

にゃおんさんは、「フードコートに小柄な娘を1人残していくのも危険。3人でトイレ行って食べかけの料理を片付けられてしまったこともあるし、大人1人で子供2人の外食はまだ早かったらしい」と小さな子供2人を抱えての苦労やジレンマを吐露しつつ、とにかく無事でよかったとこのエピソードをTwitterに投稿しています。

そして最後に、トイレを警戒するきっかけとなった事件についても紹介しています。

犯罪心理学の専門家であり、立正大学の小宮信夫教授によると、「入りやすく見えにくい場所」は犯罪現場になりやすいのだそう。

そのため、スーパーやショッピングモールのトイレは、誰もが利用できる「入りやすい」作りになっており、しかしながら他の買い物客や従業員の視線が届きにくい「見えにくい場所」と言えます。

特に、男性用トイレと女性用トイレへそれぞれ向かう入り口が同じ場所にありがちな日本のトイレは犯罪の標的になりやすいのだそうです。

また、「入りやすく見えにくい場所」は、こういった作りのトイレだけではありません。小宮教授は、入りやすい場所の典型として、車道と歩道の間にガードレールがないところを挙げています。ガードレールがない道では、犯罪者が簡単にターゲットに近づくことができ、車で連れ去ることができます。しかし、ガードレールがあることで、車に連れ込むのに時間がかかることから、犯罪者が目撃されることを恐れ、犯行を犯しにくいのだそうです。

また、「入りやすく見えにくい場所」には物理的な面のほかに、「心理的に見えにくい場所」も該当するそうです。

心理的に見えにく場所というのは、管理されていない、落書きや不法投棄などが多い場所や不特定多数の人が集まり行きかう場所を指します。落書きや不法投棄などがある場所は、人の関心が向いてない場所であり、たとえ人通りがあったとしても、心理的な作用から、「見えにくい場所」と言えます。

また、人の多い場所も、注意や関心が分散し、傍観者効果も生まれるので「見えにくい場所」となり得るのです。

このように、犯罪は人が多い場所の中や白昼のなんてことない道路でも起こります。日常生活のルーティンの中で、「入りやすく見えにくい場所」がないかどうか、お子さんと一緒に確認し、気をつけるようにしていきたいですね。

小宮教授のYouTubeチャンネル「小宮信夫の犯罪学の部屋」のこちらの動画では、日常生活での危ない場所について説明がされています。ぜひご覧ください。

プレビュー画像:©︎Pinterest/ken.fm
出典:©︎Twitter@nyaonyao123123, 小宮信夫の犯罪心理学の部屋