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Lifehacks

あげすぎはよくない!?子どもへのプレゼントのルール

そろそろ街がクリスマスの光に包まれる季節ですね。クリスマスは子どもたちにとっては心躍る季節。なんといっても好きなものをおねだりできるんですから。

でも、最近はサンタさんからの贈り物だけでなく、両親、祖父母や親戚からもプレゼントをもらう子どもも増えているようです。クリスマスツリーの下にたくさんのプレゼントが並んでいる光景は幸せの象徴に思えますが、海外では、プレゼントをあげすぎることが子どもたちの成長に悪影響を与えると問題になっています。

プレゼントが多すぎると、子どもたちはどうなるのでしょうか?

たくさんのプレゼントをもらうと、子どもはもちろん大喜びします。でも、贈り物ひとつひとつへの感謝は薄くなり、自分が何をもらったかをすぐに忘れてしまいます。

Laurel opens a gift on Christmas Eve.

長期的な影響

プレゼントをもらいすぎる(極端に言えば、いつも欲しいものを全部もらっている)と、子どもにどんな長期的影響があるのでしょうか。この影響は非常に深刻です。子どもは、物質的なご褒美がなければ自分が認められたと感じられなくなるのです。つまり、自分が愛されていることをを確認するために、常にプレゼントが必要になるのです。

さらに、いつもプレゼントをもらっている子は、こうした物質的な「愛の証」を問題行動で要求する傾向があります。癇癪を起こしたり、大人に命令したり、反抗したりするのです。これは、ある意味、リハビリ中の依存症患者に似た行動です。

プレゼントのあげすぎで起こりうる心理的影響

  • 自己評価の低下
  • 抑うつ
  • 依存症(買い物依存症、ギャンブル依存症、借金など)
  • 利己主義と共感性の欠如

©Getty Images

プレゼントのあげすぎはネグレクトの裏返しかも

子どもたちがプレゼントをもらっても感謝もしない暴君になるまでには、当然ながら、色々なことがあったはずです。というのも、小さな子どもにとっては、消費よりも発見や創造の方がはるかに魅力的なものだからです。

逆に言うと、創造力を発揮し、好奇心を満たすことを目的としたプレゼントをあげると、親は工作を手伝ったり、本を読み聞かせるなど余計な手間がかかります。そのため、純粋に消費のためだけの、子どもを落ち着かせるためのプレゼントを選んでしまう親が多いのです。

極端な例になると、子どもの物質的な欲求はすべて満たしても、精神的な欲求は無視し、子どもとの時間をほとんど持たない親もいます。つまりプレゼントのあげすぎの一番の問題はそれが精神的ネグレクトの裏返しとなりうる点なのです。

Game face

ではどうすればいいの?

ドイツの脳科学者ジェラルド・ヒューザー教授は誕生日やクリスマスに何も与えないことが子どものためになると述べています。ただ、そこまでするのは難しいかもしれません。そんなときは、次のようなプレゼントのルールを設けるとよいでしょう。

子どもにプレゼントをあげるときのルール:

  • 制限を設ける(例:3つのプレゼントルール)
  • 消費のためだけではないプレゼント
  • 活動や創造を促すようなプレゼント
  • 他人と一緒に何かをする必要があるプレゼント

「3つのプレゼントルール」について説明しましょう。これは、子どもに次の3つのものしか与えないという親の心構えです。

  1. 子どもが特に欲しいと思っているもの
  2. 必要なもの(役に立つもの)
  3. 読むためのもの

また、子どもの創造性や活動を刺激するような、単純に消費できないようなプレゼントを選ぶことが重要です。人と一緒にいることや交流を促すもの(家族で一緒にプレイするゲーム機のゲームなども良いでしょう)も良い贈り物です。

ただし、教育的になりすぎて、子どもの気持ちを見失わないように注意しましょう。親が良いと思うものや親がずっと欲しかったものを贈るよりも、子どもが好きなものを贈る方が良いのです。

161 - Spoiled

こうしたことを心に留めていれば、クリスマスや誕生日の節目にプレゼントを贈ることは決して悪いことではありません。そして、子どもたちの心に長く深く残るのは、親との何気ない日常や日々の会話だということも忘れずにいたいですね。

 

プレビュー画像: ©Getty Images ©Flickr/oddharmonic