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ヘルスケア

突然起きる厄介なこむら返りの原因と対処法

夜中の睡眠中に突然やってくるこむら返り。ぐっすり寝ていたのに、突然ふくらはぎに走った激痛に目覚めて寝不足…という経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。

この記事では、そんな厄介なこむら返りの原因や予防法についてご紹介します。

こむら返りとは

こむら返りの「こむら」とはふくらはぎのことを指し、ふくらはぎの筋肉が異常に収縮して、痙攣を起こすことで起こります。また、ふくらはぎ以外にも、足の裏や指でもよく起こる症状。主に就寝中に発生することが多く、また妊娠中や加齢によっても起きやすいと言われています。

数秒から数分間、ふくらはぎや足の筋肉が収縮し強い痛みを伴うこむら返りですが、一旦起きてしまうとつった箇所はその後もじんわりと痛みが残ることがあります。

こむら返りが起きるしくみ

こむら返りや足のつりは、ふくらはぎや足の筋肉が伸縮バランスを崩してしまうことで起こります。

筋肉には、過剰に伸びたり縮んだりしないようブレーキをかけるセンサーが備わっています。伸びすぎを防ぐのが筋繊維の中の筋紡錘(きんぼうすい)で、筋肉が引き伸ばされると「縮め」と指令を出します。そして、腱の中の腱紡錘(けんぼうすい)は筋肉が縮みすぎると「緩め」と指令を出します。

いつもはバランスが取れているこの筋紡錘と腱紡錘の働きですが、緩める作用をする腱紡錘の働きが鈍くなると、筋肉が異常に収縮し痙攣を起こし、こむら返りが起きたり足がつってしまうのです

こむら返りが起きる原因

足の筋肉の伸縮バランスの崩れにより起きるこむら返りや足のつりは以下のような原因が考えられます。

1.ミネラル不足

腱紡錘の働きが鈍くなり、足の筋肉の伸縮バランスが崩れることでおきる筋肉の痙攣。腱紡錘の機能低下にはさまざまな原因が考えられますが、大きく関わっているのが、ミネラルと言われています。

マグネシウムやカルシウム、ナトリウム、カリウムなどのミネラルは、水に溶けると電気を通し体内で電解質として神経が情報のやりとりをするときに使われます。カルシウムとカリウムは、筋肉の収縮や神経の伝達をスムーズにする働きがあり、これら2つのミネラルを調整しているのが、マグネシウム。この3つのうち、マグネシウムが不足してしまうと、特に腱紡錘の機能低下に大きな影響を与えてしまいます。

2. 体の冷え

ミネラル不足のほかにも、ふくらはぎは体の中で第二の心臓と言われ、全身の血行を巡らせる大切な役割を持っています。冷えによってふくらはぎが凝り固まってしまうと、血流が滞り血行不良を引き起こしやすくなります。血流が滞って電解質不足となると、こむら返りや足がつる原因になります。

体が冷えやすいのは冬ですが、夏もエアコンで冷房をつけっぱなしで寝たり布団をかけずに寝ると、足の筋肉が冷え血管も収縮し、血行はさらに悪くなり、こむら返りや足のつりの原因となってしまいます。

また、ミネラル不足や冷えの他にも、運動を長時間続けて疲れていたり、ウォーミングアップ不足や運動不足などの時にこむら返りや足のつりが起こることもあります。

こむら返りを予防するには

1.運動中や就寝前に水分補給をする

運動時は睡眠時は、汗を多くかき脱水傾向にあるためミネラルバランスが崩れがちです。その結果、睡眠時や運動中に突然こむら返りが起きてしまいます。突然のこむら返りを予防するには、運動中はスポーツドリンクなどで水分とミネラルをこまめに補給、就寝前はコップ1杯の水を飲み水分補給をするようにします。また足の冷えも血行不良によるこむら返りの原因になりうるため、就寝時に靴下などを履くのも予防につながります。

また、これからの季節に注意したい熱中症ですが、熱中症で体が水分不足のときは電解質のバランスも崩れ、足がつりやすくなります。そのためこむら返りは熱中症の症状である「熱けいれん」の可能性も考えられます。熱けいれんのような初期症状の段階では、必ず高体温になるわけではないので、熱中症を見逃してしまいがちです。初期症状にこむら返りがあることを知っておくと、いざという時にいち早く熱中症に対処することができそうです。

2. ふくらはぎの筋肉をストレッチ

こむら返りの予防にはミネラルや水分補給のほかにも、ストレッチで予防ができます。おすすめは、波止場のポーズです。

<波止場のポーズストレッチの方法

  1. 30〜50cmの台や椅子に片足を乗せ体重をかけます。
  2. もう片方の足はかかとを上げないようにして、太ももとふくらはぎの筋肉を伸ばします。息を吐きながら30秒キープすればOK。
  3. 足を入れ替えて、同様に行います。

こむら返りが起きてしまったら

突然起きて痛みを伴うこむら返り。収縮した筋肉をほぐすには以下のような方法がおすすめです。

  • 膝を伸ばしたまま座り、つった方の足の爪先をつかんで、ゆっくりと手前に引っ張る。
  • アキレス腱を伸ばす要領で足を前後に開き、つった方のふくらはぎをゆっくりと伸ばす。壁に両手をついて行うとやりやすいです。
  • 患部をお湯や蒸しタオルなどで温める。

また、漢方薬の芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)には、筋肉の収縮を抑える働きがあります。こむら返りが起きやすい人は、この漢方薬もおすすめです。

注意:甘草は血圧を上げるので高血圧の人は使用は避ける、または医師に相談をするようにしてください。

こまめな水分補給や食生活の見直しなどでミネラルバランスを整えるとともに、足が冷えないよう対策することで、予防できるこむら返り。しかし、あまりにも頻繁に起こる場合は、糖尿病や腎不全、動脈硬化など思いもよらない病気のサインの場合もあります。おかしいなと感じたら、早めに医療機関を受診するようにしてください。

ふくらはぎの冷えを防ぐマッサージはこちらからご覧いただけます。

下半身の血流改善で体を健康に|ふくらはぎマッサージがおすすめ

プレビュー画像:©︎Pinterest/amazing-solutions.com
出典:サワイ健康推進課, 東京メディカルクリニック