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犯罪防止のため|コンビニトイレのある工夫

日本のトイレといえば、温かい便座にウォシュレットに自動洗浄機能など、世界からも高い評価を受けています。しかし、私たちが外出先で利用することができる公共トイレに至っては、ある点において諸外国よりも工夫が足りないと言われています。それは犯罪防止という観点における工夫。

みなさん、海外に行った時、男女トイレの場所が離れていたり、違う階にあったという経験や、トイレの扉の長さが短く足元が丸見えで落ち着かなかったということありませんか?

実はこのような作りは、犯罪防止に一役買った作りになっています。トイレで起きる犯罪の多くは、トイレに向かうターゲットの後をつけた犯罪者が、ターゲットを個室に連れ込んだり、犯罪者が個室に隠れ、入ってくる人を待ち伏せするというケースがあります。しかし、トイレが男女別で離れた場所にあれば、例えば女性がトイレに向かう後を男性がついていったら不自然に写ります。また、足元が大きく開いた扉のため個室は密閉空間とはいえません。

日本では、男女のトイレや多目的トイレが一つの入り口から枝分かれするデザインが多く、また足元までしっかりと隠れる扉によって個室が密閉空間になりやすい作りになっています。立正大学で犯罪学を研究する小宮信夫教授は、このような作りからの公共トイレが犯罪リスクの高い場所であると指摘をされています。

犯罪防止のため、環境面において工夫が必要とも言える公共トイレですが、最近コンビニで実施されている防犯対策に少しずつ注目が集まっています。

みなさん、コンビニのトイレを利用しようとしたところ、施錠されており、レジで鍵を借りたということありませんか?

2020年の春ごろから感染拡大したコロナにより、多くの店舗でトイレの貸し出しが休止され、逼迫する利用者のどうしてもの時だけの「鍵」なのかと思いきや、実はこれは犯罪防止のための施錠でもあるのです。

先にも紹介したように、トイレにおける犯罪は誰でもトイレに入ることができること、また個室という密閉空間で待ち伏せするということもできてしまうことから、発生していしまいます。

しかし、このようにトイレが使用されていない時は施錠をすることで、トイレに簡単に入れなくなる、また鍵を借りるために販売員と接触しなくてならず、犯罪者を遠ざけることにつながります。

このような工夫は、特にトイレの利用に不安を覚えがちな女性や小さな子供をもつ母親から大切な工夫と反響も寄せられています。

さらに、お店側も鍵で施錠しておくことで、トイレが無断で使われたり、万引き防止、またトイレの個室内で本来の使い方以外の使い方をされるという迷惑行為の防止にもなるというメリットがあります。

トイレを利用する側としては、いちいちレジで鍵を借りたり、利用後に鍵を返却するのは面倒くさいと思うこともありますが、安全にトイレを利用するためには、有効とも言える手段です。

この施錠式トイレは、日本ではまだあまり見られませんが、海外のカフェやスーパーなどでも利用(ドアにテンキー設置)されています。

トイレでの犯罪リスクを下げるお店側の対策。人気の少ない場所のトイレは、特に小さな子供や女性にとっては、時に不気味に映ることもあり、警戒が必要になってきます。安全に利用できるトイレがあることは、利用者にとってはとてもありがたいことです。また、主にこの施錠での防犯対策は女性用トイレに多く利用されていますが、男女限らずどのトイレにも防犯対策がされ、全ての人が安心して利用することができるようになるといいですね。

最近では各自治体により公共施設のトイレの入り口に防犯カメラを設置するなどの動きが出ています。また、東京都渋谷区における「THE TOKYO TOILET」プロジェクトでは、トイレの外壁が鍵をかけると不透明になる特殊なガラスでできており、「中に人が隠れていないか」という不安を解消してくれる作りになっているトイレも設置されています。

少しずつですが変わりつつある公共トイレ、これからもっと工夫がされ安心して利用できるようになっていくといいですね。

以前紹介した、幼い娘をもつ父親のトイレ利用法を紹介した記事も併せてご覧ください。

女性用トイレを利用|娘を持つ父親の真意に反響の声

プレビュー画像:©︎Twitter/maru_world0
出典:Yahooニュース, ママテナ