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子育て

間違っていることが分かっている10の「子育て神話」

子育てをしていると、様々な「子育て神話」に遭遇します。たとえば「音楽やスポーツは3歳までに始めなければダメ」といった情報を読んだことがありませんか?他にも、インターネットには子育てのヒントやコツがあふれています。相矛盾する情報が氾濫するなかで、親は何が子どもにとって一番良いのかを自分で選びとらなければなりません。でも、いったい何を信じればいいのでしょう。

子育てには絶対の正解はありません。とはいえ、科学的な研究から分かってきたことがヒントになることもあります。この記事では、「子育て神話」に振り回されないために知っておくべき情報をご紹介します。

1. 赤ちゃんが泣いたらできるだけ反応してあげよう

赤ちゃんが泣いたときに、すぐに抱っこしたり、授乳したりしていると、甘やかしすぎだと言う人がいるかもしれません。でも発達心理学では、赤ちゃんが甘やかされすぎることはないということで意見が一致しています。赤ちゃんは泣くことでしか自分を表現できません。泣かせたままにしておくと、基本となる保護者への信頼関係が形成されず、人への信頼が育たないことにつながるのです。赤ちゃんが後の人生で「自分の働きかけに人は応えてくれる」という信頼と「自分は大丈夫」という自信を維持するために、赤ちゃんの訴えには抱っこや言葉でできる限り反応してあげることが大切です。

ただ、赤ちゃんを育てるのは体力気力がいる仕事。疲れ切って余裕がなくなった時に少しくらい泣かせていても、罪悪感を感じたり、心配しすぎずに、自分を大切にしてくださいね。

Pain

2. 歯固めはときに危険

「歯固め」は赤ちゃんが噛むためのおもちゃです。乳歯が生える時の痛みやムズムズがある時に、歯茎をマッサージして、不快感や痛みを和らげてくれる器具です。便利な道具ではありますが、いくつかの注意点があります。

シリコン素材のなかにはアレルギーを引き起こすもの、発がん性物質が含まれているものなどがあります。赤ちゃんの口に入れるものなので、安全性の高い素材を選ぶことが大切です。また、最近は小さな部品を数珠のように紐でつないだ歯固めが販売されていますが、赤ちゃんの噛む力は強いので紐がちぎれて誤飲や窒息の可能性があり危険です。さらに、ある研究では、歯固めを頻繁に噛む赤ちゃんは言葉の発達が遅れる可能性があると指摘されています。これは聴覚が舌につながっているため。舌がふさがっていると、赤ちゃんは話を聞くことが難しくなり、話すのが遅くなると考えられています。

Day 145 - Blue Bear

3. 幼児語はどんどん使おう

赤ちゃんに話しかけるときに、高めの声で、ゆっくりとしたテンポではっきりわかりやすい言葉をつかっていませんか?これを幼児語あるいは赤ちゃん言葉といいます。かつて幼児語は小児の言語発達に悪影響を及ぼすと言われたことがありました。しかし、この見解は間違っていたことが分かっています。赤ちゃんははっきりとわかりやすい話し方をされることで、言葉が自分に向けられていることに気付きます。注意を向けることで、言葉がしっかり耳に入り、言われたことを理解することができます。単純化された文構造や単語を使うことは迅速な言語の吸収と学習にも役立ちます

Awake

4. 「子どもの習い事は3歳までに始めなければならない」は単なる神話

子どもは3歳になる前に技能を身につけておくべきだという神話があります。これは神経細胞(ニューロン)のつながりが3歳以降は弱くなるため学習が難しくなるという説を根拠にしていますが、ニューロン同士のつながりの低下は、新しい技術を学ぶこととは関係ありません。

たしかに3歳までの子供は見たり、聞いたり、触ったりといった五感を通した刺激でニューロンをつないでいきますが、これは日常生活や親との関わりを通して得られるもの。幼い子どもたちにとってはすべてが新しく、この時期は世界を探検していくときなのです。新しいスポーツや音楽は、小児期の後半であってもしっかりと学ぶことができます。

Baby swimming

5. おもちゃがなくても子どもは賢く育つ!

おもちゃに「知育玩具」のスタンプが押されているからといって、子どもの発達に不可欠であるという意味ではありません。実はおもちゃは子どもの創造性を抑制し、逆効果とも言えるのです。おもちゃは遊び方が完全に定義されているため、子どもが自分で遊び方を見つける必要がありません。子どもは日常のなかで自発的に遊びを作り出すことでよりよく学習するもの。そして、親との触れ合いで色々なことを吸収していきます。

Baby's First Laptop

6. トイレトレーニングは無理に早く始めなくていい

トイレの訓練は早ければ早いほどいいと思われがちです。でも、子どもがまだ準備ができていないなら、待ったほうがいいのです。個人差はあるものの、脳と膀胱の間の神経回路はおおよそ18〜24ヶ月の間に形成されます。その前に膀胱がいっぱいになっても子どもは感じることができません。そのため専門家は、トイレトレーニングは24〜36ヶ月の間に行うことを勧めています。

Potty training

7. 歩行器や手押し車はできるだけ使わない

海外の整形外科医は歩行器や手押し車の使用について注意を喚起しています。事故のリスクが高いだけでなく、無理な姿勢によって体に負担がかかり、脊椎不全、足の欠陥、筋肉の発達不全につながるからです。歩く前のずりばい、ハイハイ、つかまり立ちの時期は体幹を鍛える大切な時期。自分の体幹や筋肉がしっかりすれば、赤ちゃんは自分で立ったり、歩いたりしようとします。じっくり待ってあげましょう。

Practing

8. テレビの雑音は赤ちゃんに悪影響

テレビをつけていると子育てが楽なのは分かります。でも、目先の状況だけで判断してしまうと先々に影響が及ぶことを忘れないでください。赤ちゃんが起きている時にテレビをつけっぱなしにしていることは、予想以上に有害です。子どもは一度に複数のことに注意を向けることができません。テレビからの音や映像に注意が向けられると、集中して学んだり遊んだりすることができません。研究によると、子どもの言語発達や一般的な学習能力もテレビの雑音の影響を受けます。また、テレビを頻繁に見ることで、体が動かなくなり、肥満になることもよくあります。

Watching TV

9. 罰は不要

赤ちゃんや幼い子どもたちはあらゆるものに興味を示し、ときには自分の限界を試します。そのなかには、親にとってはやってほしくないことや危険なことも含まれます。ですが、そのことで子どもを罰するべきではありません。罰を受けると、子どもは罰を恐れてその行為をやめるかもしれませんが、だからといって自分の行為を悪いことであると理解することはできません。また、自分が不当に扱われていると感じ、自分の間違いを認める代わりに抗議行動に訴えることもあります。子どもを精神的に、あるいは肉体的に罰するのではなく、子どもにそれが悪いことであることを繰り返し教えていきましょう。

Cry baby

10. ひとり遊びばかりしていても大丈夫

子どもがひとりで遊んでいると、親は心配になってしまうかもしれません。でも心配はいりません。子どもは一定の年齢になると親と遊んだ経験から、自分でその場でやりたいことをして遊ぶ傾向があります。このようにして、子どもは独立した決定を下すことを学びます。これは後の人生にとって大切な学びです。

お友達と遊ばなくて大丈夫?と思うかもしれませんが、子ども同士が一緒に遊べるようになるのは5、6歳と言われています。それまでは、集団行動しているように見えても、それぞれが一人で好きなことをしていることが多いようです。

September 2013

もちろん、最終的には、親は自分の子どもにとって何が正しいかを自分で判断すればいいのです。でも判断の前に、専門家の意見を聞くこと、有害な製品や育児方法を避けるためにリサーチすることも大切です。

安全面で注意が必要なベビー用品については、こちらの記事もご覧ください

プレビュー画像: ©flickr/melissa jonas

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