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子育て

幼児に「ダメ」より伝わる魔法の言葉6つ

小さなお子さんに対しては、つい「ダメ」「いけない」などネガティブな言葉がけが多くなりがちです。この記事では、否定の言葉よりも効果的な6つの言葉がけの方法をご紹介します。

子育てのヒント:Noと言わずに「やってはいけないこと」を伝える方法

まず、親はどういうときに子どもを叱るべきかという「線引き」をしておくことが大切です。たとえば「危険な行為や人に害を与える行為に対しては叱る」と決めておくことは、子どもに安心と信頼を与えます。ただし、やみくもに叱りつけたり、カッとして否定してばかりでは、伝わるものも伝わりません。年齢に合わせた効果的な伝え方が大切なのです。

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  • 乳児期:2歳の誕生日を迎える頃までは、否定の言葉を理解できません。「車に乗っちゃダメ!」と言っても、理解するのはせいぜい「車」という言葉だけ。否定形で話すと、原因と結果の関連性を発見したばかりの小さな子どもたちは混乱するでしょう。小さなお子さんが「ダメ!」と言われて喜ぶことに悩む親御さんは意外に多いもの。多くの親は子どもが生意気なのだと勘違いしていますが、子どもは単に自分の行動が親の反応を引き起こしていることを喜んでいるのです。
  • 幼児期:3歳くらいになると文章を理解できるようになるので、どう行動すればいいのか、どうして叱っているのかを伝えることが大切です。「ダメ」だけでは抽象的すぎます。具体的な行動を促す言葉を使うようにしましょう。また、子どもが理解できるように危険や問題をわかりやすく伝えていくことも大切です。
  • 就学前後:年齢が上がるにつれ、子どもたちは自分の意見や自尊心を持つようになります。彼らは理解したいと同時に、尊重されたいとも思っています。「ダメ」「いけない」などの言葉ばかり使っていると、子どもたちは拒絶されたと感じて反抗的な態度をとるでしょう。

否定に代わる6つの言葉がけ

親は、子どもがやってはいけないことをしっかり線引きすべきですが、否定の言葉でガミガミと叱っても、子どもたちに効果的に伝わることはありません。日常生活の中で「ダメ」の代わりになる言葉を知っておくとよいでしょう。

1. 「ストップ!」

「ダメ」の代わりに「ストップ」「止まって」と言うだけで具体的な行動の呼びかけになることがあります。

2. 「見て」「手伝って」

小さな子どもは「今、ここ」に生きているので、新たに発見したものに魔法のように引き寄せられます。やってはいけないことから気をそらすために、何か面白そうなものを指差して「見て」と言うのは有効な方法です。

年長くらいになってくると「手伝って」が役立ちます。子どもたちが愚図ったり、泣いたりするとき、多くの場合、退屈がひとつの原因なのです。

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3. 「ご飯を食べたらデザートね」「片付けが終わったら遊ぼう」

子どもが食事の前におやつを欲しがっているときは、「今はダメ」と言う代わりに「みんなでご飯を食べてから特大サイズのデザートを選んでいい」と説明しましょう。こうすることで、お互いの目標を達成することができます。

子どもがかまってほしいけれど忙しい時も「今はダメ」や「ちょっと待って」ではなく「片付けが終わったら遊ぼう」「もう少しで終わるから、◯分待ってね」など具体的に状況を説明してあげましょう。

4. 「他にもっと素敵な服がないか探してみよう」

ポジティブな気持ちを込めた表現は、相手も受け入れやすいもの。「その服はおかしい」など相手を否定して、自分の意見を押し付けるよりも、代替案や妥協案を提案する方が子どもには受け入れやすいはずです。

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5. 「痛いよ」

危険な行為や人に害を与える行為は禁止すべきですが、大人にとっては当たり前でも子どもは危険性をわかっていないことがあります。たとえば、積み木を投げたら痛いこと、ガラスが割れたら怪我をすること、道路が危険なことなど、きちんと言葉でわかりやすく伝えてあげましょう。

6. 「どうしてダメなんだっけ?」

親の禁止の9割はカッとして反射的に行われます。それを意識して、まずは「これは本当に叱るべきところ?」と少し立ち止まってみましょう。たとえば、子どもが水たまりに飛び込んだら、「ダメ」と言う前に「どうしてダメなんだっけ?」と自問するのです。もしそのまま家に帰って、すぐにお風呂に入れる状況なら、水溜まりに入ってしばらく遊んでもいいのではないでしょうか?自分に対して説明できないような「ダメ!」にはあまり説得力はありません。

雨降り

もちろん、子育てで「ダメ」という言葉が禁止されているわけではありません。でも、上記のようなポジティブな言葉がけを意識するだけで、親はリラックスした状態で子どもにルールを教えることができるようになります。声のトーンや顔の表情も重要です。子どもにガミガミ言わなくても、子どもたちが話を聞いてくれるようになるので、親にも子どもにも両得な方法です。ぜひお試しください。

出典: parents , christopher-end

プレビュー画像:© flickr/John Benson © flickr/Bradley Gordon