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【実は怖くない】クマバチについて知っておきたいこと

春から初夏にかけては、色とりどりの花々が目を楽しませてくれます。春の訪れを喜んでいるのは、私たち人間だけではなく動物たちも一緒。芽吹いた草花たちに、生き物たちの活動も活発になります。

桜の季節が過ぎた頃から、5月の中旬ごろまで公園を鮮やかな薄紫色で彩る藤の花。満開の藤棚の下では、ふわりと甘い香りも漂います。でも藤の花を楽しんでいる時、ブンブンと羽音を鳴らした大きなハチがいて怖いと感じたという人もいるのではないでしょうか。

クマバチは怖い?怖くない?

この藤の花の近くにいる大きなハチの正体は「クマバチ」。藤の花の蜜は固いフタに閉ざされているため、クマバチのように大きく力がないと密までただどりつけないのだそう。また藤にとっても、クマバチが体につけた花粉を運んでくれるので受粉を助けてもらえるという共生関係にあるそうです。

そんなお互いを助け合う関係にある藤とクマバチですが、クマバチは見た目ゆえに私たち人間から怖がられてしまいがち。

でも、実ははこれはクマバチにとっては全くの濡れ衣なのだそう。

こちらをご覧ください。

「いい貼り紙がしてある」とEMURA Tetsuya(@emuratee)が投稿したは、クマバチについて書かれた貼り紙。

貼り紙
Twitter/emuratee

「体が大きくてよく目立ち、大きな羽音をたてて飛ぶため、人々に恐怖心を与えますが、決して人を襲うことはありません。

手でつかんだりしないかぎり刺されることはまずありません。

毒性は低くミツバチに相当する程度です。しかしアレルギーのある方は近寄らないでください」

そう、貼り紙は大きくてブンブン音を鳴らすだけで怖がられていたクマバチの濡れ衣を晴らす内容だったのです。

サイズが大きいがために、凶暴だ、刺されたら強烈な毒に違いない…なんてイメージを持たれやすいクマバチ。実際は極めて温厚なハチなのだそうです。

ひたすら花を求めて飛び回るクマバチ

温厚なハチと言われるクマバチは、ミツバチの仲間。スズメバチやアシナガバチの仲間は肉食性で他の昆虫を食べることもあるそうですが、クマバチはミツバチやマルハナバチと同じで、花の蜜や花粉を食べる花蜂です。そのため、ひたすら花を求めて飛び回るので、人間には関心を示さないのがクマバチの特徴。もちろん、危害を加えたら寄ってきますが、たとえ刺されても重症に至ることは少ないそうです。ただし、針は太く刺された時の痛みはあります。

また、クマバチのオスは常にメスを待っており、空中を飛ぶものを見つけるとクマバチのメスに限らず他の昆虫や鳥類など、必ず「メスかどうか」確認に行くというアクティブな行動を見せますが、実は針が無いため刺せません。ホバリングしているクマバチに出会っても心配は無用です。また、メスかどうかの確認のため、たまにしつこく寄ってくることもありますが、その時も心配は要りません。怖がらずにそっとしておきましょう。

モフモフ系なクマバチ

クマバチは大きいだけで怖がられがちですが、よく見ると丸々してフワフワした毛が生えたモフモフ系の生き物。大人しく温厚なため、心なしか見た目もスズメバチたちのように怖い顔つきではなく、かわいらしい顔なのだそうです。

クマバチは単独生活

ハチというと、女王蜂と働き蜂という集団生活を築いているイメージがありますが、クマバチは社会性を持つハチではなく、基本的に単独行動です。枯れ木や木材に長く開けた穴の中に巣を作り、親子としての関わりがあるのみだそうです。そのため、他のハチのように集団で人が襲われるという心配もないのがクマバチです。

クマバチのオスとメスの見分け方

温厚、モフモフ系なクマバチですが、そうは言ってもメスには針があるので刺されるのは避けたいですよね。

クマバチのオスメスは頭部分で見分けられます。

<オス>

  • 目が丸く大きい
  • 目の間の額部分に白〜黄色っぽい色の毛が生えている

<メス>

  • 目が細長い
  • 顔全体が黒い(目の間にオスのような白っぽい毛はない)

見た目だけで怖いと判断されがちなクマバチ。これからは公園などで見かけても、今までのように怖がる心配は不要になりそうですね。

注意:

温厚な性格なクマバチですが、繁殖や巣作りを行う春〜秋の時期は警戒心が高まるため、見つけてもむやみに刺激を与えずそっとしておくようにしましょう。

また、地域によってはスズメバチ・オオスズメバチのことを「クマンバチ」と呼ぶところもあるそうです。スズメバチの針には毒があり刺されると危険です。間違えないようご注意ください。

プレビュー画像:©︎Twitter/emuratee
出典:みんなのハチ駆除屋さん, YAMAKEIOnline