Lifehacks
薬が効きすぎたり効果が軽減したり…気をつけたい薬と食品の組み合わせ
頭痛がひどい時に飲む鎮痛剤や、かぜを引いた時に飲む風邪薬、または病院から処方された処方薬など、薬は日々の暮らしにおいて身近な存在です。
薬を飲むときは水か白湯で飲むというのは誰もが気をつけていることかと思いますが、その理由は飲むのは薬を効果的に体に作用させるため。水以外の飲み物と一緒に飲むと、薬の成分が飲み物の成分と作用しあって、予期しないトラブルが起きることがあります。
また、薬の効き目に食事内容が関係することもあると言われ、水や白湯で飲む以外にも、薬には相性のよくない食品が。この記事では、薬と相性の悪い食品についてご紹介します。
薬を飲む時に気をつけたい食品
- 血圧を下げる薬 × グレープフルーツ、グレープフルーツジュース
薬に影響を及ぼす食材としてよく聞かれるのがグレープフルーツ。特にカルシウム拮抗薬という種類の血圧を下げる薬と摂取すると、グレープフルーツに含まれているフラノクマリン類などの成分が、小腸で薬が代謝される酵素を阻害してしまうのだそうです。その結果、薬の血中濃度が上昇し、必要以上に血圧が下がりすぎてしまう恐れがあると言われています。
学生の時に薬理の先生がグレープフルーツ、オレンジとか柑橘系は薬剤効果1000倍になって毒(許容量ブッチギリ致死量化)と化するから、薬はジュースで飲むと死ぬって覚えとけって言ってたの思い出すな… https://t.co/1HlfcTvpNu
— 半田 裕梨 (@panda_mausuu) September 22, 2021
フラノクマリン類は、グレープフルーツの果汁だけでなく、果肉や皮にも含まれているため、ジュースだけでは皮を使った加工品(マーマレードなど)にも注意が必要。グレープフルーツ以外にも、夏ミカン・ダイダイ・サワーオレンジ・ブンタン(ザボン)・スウィーティー・ハッサク・金柑・ライムなども薬の効果を増強させると言われています。
グレープフルーツの旬は4~5月(アメリカ産)です。グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類という物質と相性が悪い薬が多いので注意が必要です。スウィーティー、ダイダイ、ハッサク、夏ミカン、等の柑橘類にも含まれます。薬剤師は柑橘類に詳しい人多いです(たぶん) pic.twitter.com/dWrd4uGl4g
— ひぐまいし (@higumaishi) May 26, 2021
また薬を飲んだ後も、これらの食品の摂取には注意が必要です。グレープフルーツの酵素に対する影響は約24時間と言われており、薬との相互作用は数日に及ぶものもあると言われています。そのため、薬を水で飲んだ後にグレープフルーツなどフラノクマリン類を含む食材を摂取することは危険です。
これ、小学3年の時に心臓病の薬飲んでたお婆ちゃんが、「お菓子買ってきな」とくれたお小遣いでお菓子と一緒にレモンジーナ買ってきて一緒に飲んだらお婆ちゃんが倒れて救急車で搬送。そして親に死ぬほど怒られたというトラウマがある https://t.co/Ii0FpL2MaP
— 醜形肉塊 (@ekor_j) September 16, 2021
血圧を下げる薬の他、スタチン系の高脂血症剤と併用すると肌がガサガサになったり、副作用の横紋筋融解症が出やすくなります。ED(勃起不全)治療薬で火照り、頭痛、射精障害といった副作用が出ることもあります。
※同じ柑橘類でも、温州みかんやかぼす、レモン、バレンシアオレンジは問題ないと言われますが、心配な場合は医師に相談、または避けるようにしてください。
- 風邪薬 × キャベツ
風邪を引いた時、薬を飲んで栄養をしっかりとって十分に睡眠を取るのが一番と多い、野菜や肉などしっかり食べる方もいらっしゃると思います。
風邪っぽいのでいつもの風邪薬!
でもダイエット中なので…・油少なめ、麺やわめ、味うすめ
・麺の量は並盛りの1/3
・野菜ドカ盛り(キャベツともやし)
・ほうれんそう増し
・トッピングニンニクたくさん家系野菜汁!
ここの店員さんも感じ良くて優しいのです?
超腹いっぱいごちそうさまでした? pic.twitter.com/I34eYUv2Vs— なもこ (@nmctw) June 14, 2019
しかし、セトアミノフェンが主成分の風邪薬を飲んだときはキャベツやブロッコリーに代表されるアブラナ科の野菜には要注意です。これらの野菜が含有するグルクロン酸は、アセトアミノフェンを分解して無効化してしまうと言われています。この他にも白菜や小松菜も同様にアブラナ科の野菜のため、風邪薬を摂取したときは避けるようにしたい野菜です。
アセトアミノフェンとキャベツは一緒に飲んではダメ❗
アセトミミノフェンは穏やかな鎮痛作用があり、副作用も比較的少ないのでよく使用される医薬品。
✅カロナール
✅タイレノール
風邪薬などにもよく配合されている。しかし、キャベツと併用するとアセトミノフェンの効果が弱まってしまいます?
— じん@ダイエット専門薬剤師 (@kanriyakuzaishi) July 31, 2020
- 脳梗塞や心筋梗塞の治療薬 × 納豆
健康食でもある納豆が時には病気の治療の妨げになることもあります。脳梗塞や心筋梗塞の治療に使われるワルファリンは、血液をサラサラにして血栓をできにくくする薬として知られています。
納豆は「夜」に20分常温で放置してから食べるようにして下さい。
固まった血栓を溶かすナットウキナーゼは、冷蔵庫から出した直後では働かず、常温で発酵が始まります。
寝ている間に活性化し血液をサラサラにしてくれるので、夜に発症しやすい脳梗塞や心筋梗塞などのリスクを低くすることができます。 pic.twitter.com/WgzrWwd2KX— 自律神経調整師:森田遼介 (@harikyumorita) March 2, 2021
しかし、その薬を摂取している時に、体にいいから..と納豆を食べてしまうと、納豆に含まれるビタミンKがワルファリンの作用を阻害してしまうのだそうです。ビタミンKは、納豆の他にも、クロレラやパセリなどの緑黄色野菜にも多く含まれいます。また、ワルファリンの摂取中は血液が固まりにくくなっていることから、血液サラサラに効果のある食品の食べ過ぎは避ける必要があり、ナッツ類などビタミンEを含む食材や玉ねぎななど血行をよくする効果のある食品を食べすぎると、出血のリスクが上がり、けがなどで一度出血すると血が止まらなくなる恐れもあるそうです。
【 ワルファリンのさじ加減-26 】
食事指導で禁忌扱いは、やっぱり青汁・クロレラと納豆ですね。
緑黄色野菜は、食べ過ぎず、しかし安定して食べてもらうように、指導しましょう。栄養士を味方にしてね。
エーザイの患者さん用パンフレットが分かりやすい。 pic.twitter.com/oAKjqDNhZ7— N. Tsukishima 心電図検定試験対策 始めました (@NaokiThukishima) June 30, 2019
- 便秘薬 × 牛乳
慢性的な便秘のため、便秘薬を利用しているという方も多いことと思います。そんな時、より効果を得るために乳製品を取るのは逆効果なのだそうです。市販の便秘薬のほとんどは、酸性の胃では溶けずに、中性〜アルカリ性の腸で溶けるようにコーティングされています。しかし、牛乳やヨーグルトを同時に摂取すると、胃の中が中性に傾いてしまい、便秘薬が腸に届かないうちに溶け出してしまい、効果を得られないまま終わってしまうのだそうです。
便秘薬で有名なコーラックは牛乳などの乳製品を飲む習慣がある人や胃薬を頻繁に飲む人は注意が必要です。コーラックは腸内で溶けるようにコーティングされている「腸溶製剤」になりますが牛乳や胃薬の影響で腸でなく胃で薬が溶け出してしまいます。両方飲む場合は1時間は間隔を空けて飲みましょう。
— 市販薬で迷ったら (@tkcnr339) November 19, 2019
- カルシウム増強薬 × 牛乳
骨粗しょう症の治療でカルシウム増強薬をのんでいる時に、カルシウムを増やそうと牛乳や乳製品を大量に摂取してしまうと、血液中のカルシウム濃度が上がり、高カルシウム血症になることがあるのだそうです。のどの渇きや多尿といった症状のほか、ひどい場合は昏睡状態に陥ってしまうと言われています。
薬の効果を下げてしまったり体調に支障をきたす恐れのあると言われる薬と食材の組み合わせや食べ方、風邪薬は特にこれからの季節によく利用することが多くなる薬なので覚えておきたいですね。
プレビュー画像:©︎Pinterest/Plantavie