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害虫対策

マダニの取り除き方と処理方法 トイレに流すのはNG!

人間やペットの寄生虫のなかでも怖いのがマダニです。

900種以上いると言われるマダニの多くが、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)ライム病、結核など時に命に関わる危険な感染症を媒介します。

マダニは背の高い草むらに待ち伏せて、やってきた動物に噛みつき、吸血します。気温が高い季節に活動しますが、冬が暖かくなってきたためその活動時期は長くなっています。また、公園や河川敷など私たちの身近な生活圏にも生息域を広げつつあります。

Ixodes ricinus

マダニは皮膚の奥深くまで口吻を突き刺し、固着して(セメントのような成分で固める)、長時間血を吸います。長いときは1週間以上しがみついて離れないこともあります。

マダニを見つけたときは、潰したり、慌ててひっぱたりしてはいけません。頭から胴体がちぎれ、頭部が体内に残ったままになり、化膿したり、傷口から病原体が侵入する危険があります。

マダニを適切に取り除くには、直ちに最寄りの皮膚科や外科を受診するのが一番ですが、受診が遅れそうなときは以下の手順に従ってください。

マダニを取り除く手順

  • ダニ取りピンセットでマダニを皮膚のすぐ上でつかみ、ゆっくりとまっすぐ引き抜きます。取れなければ慎重に前後に動かしてもいいですが、無理をしてダニの胴体が頭から離れないように注意してください。
  • ダニ取りピンセットの代わりに、先端に角度のついた普通のピンセットも使用できます。
  • マダニが食いついてすぐであれば、ワセリンやハンドクリームなどを塗ると離れてくれることがありますが、長時間吸血していると効かないようです。
  • マダニを取り除いた後は、噛まれた傷口を消毒する必要があります。マダニの口吻が傷口に残っていても、通常は無害で、時間の経過とともに皮膚から排出されますが、念の為、医療機関を受診したほうがいいでしょう。数日間は患部をよく観察し、赤みが増さないかどうか確認してください。
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取り除いたマダニを処分する際にやってはいけない2つのこと

マダニは生存能力の高い生き物。きちんと処分することが大切です。絶対にやってはいけない代表的な間違いが2つあります。

1つめのNG:マダニをトイレに流す

マダニは水中で最大30日間も生存することができます。そのため、ダニがパイプ中に引っかかって、再び便器から這い上がってくる危険性があります。便器に座っているときにお尻や性器にマダニに刺されるリスクをなくすためにもトイレに流すのはやめましょう。

After - Clean toilet

2つめのNG:マダニを潰す

マダニを取った後、指でつぶしたり、靴の底でつぶしたりする人が多いようです。しかし、これは2つの点で問題があります。まずマダニは硬い盾でしっかりと守られているため、吸血して膨れた体をつぶしただけでは死滅しないことがあります。

また、むやみに潰してしまうとマダニの体液に接触し、ヒトの体内に入り込む恐れがあります。

マダニの正しい処理方法

マダニは、焼却するか、消毒液で死滅させるようにしましょう。潰す場合は、2枚の葉の間に挟み、硬く平らな場所でコップのような硬いものでこするとよいでしょう。ゴミ箱に捨てるときはマダニが本当に死んでいるかどうか確認し、処分後はしっかりと手を洗いましょう。

この記事では、庭のダニを駆除する方法について説明しています。併せてご覧ください。

出典:kreiszeitunggesundheitzecken
プレビュー画像:© flickr/Ryszard  © flickr/Frisky