意外に多い「前から後ろに拭けない」というお悩みに専門家が回答

女性の皆さんは、きっと排便後のお尻の「正しい拭き方」をご存知でしょう。小さい時に「お尻は必ず前から後ろに拭きなさい」と教えられるものですから。

しかし、あるTikTokの動画で、この重要なルールに問題がある女性が意外と多いことが明らかになりました。

前から後ろに拭く理由

そもそも、なぜ排便の後、必ず前から後ろに拭かなければならないのでしょうか？

これは尿道に雑菌が入るのを防ぐため。尿道に雑菌が入ると、尿路感染症や膣感染症などを引き起こす可能性があります。特に女性は肛門から尿管までの距離が短いので、前から後ろ（尿道から肛門の方に）向かって拭くことが大切なのです。

「でも、体の構造的に無理！」という声が

ここまではいいのですが、女性によっては、このルールはあくまで「理論」であって、実際には「太っている」「腕が短い」「体が硬い」などの理由で「無理！」と感じることも少なくないようです。

TikTokにあげられた動画では、ある女性が「前から後ろへ」のルールを守っていないと告白しています。

@thatspicylemon #stitch with @squiddey i know we’re supposed to wipe from front to back but IT ISNT POSSIBLE OK??? someone tell the doctors to stop telling us to wipe front to back because we aren’t #girlsonly #fyp #foryou ♬ original sound – thatspicylemon

彼女は「トイレットペーパーを持つ手を後ろまわしてお尻を拭くって一体どうやるの？」と質問しています。

この動画は何百万回も再生され、コメントでも数え切れないほどの女性たちが賛同しています。「前から後ろへのルールはまったくナンセンス」「なにより太った人には無理」などなど。

そして、これに対するコメント動画では、別の女性がこう答えています。「正直なところ解剖学的構造がそうなっていないのに、なんで前から後ろへ拭くことになっているのか見当もつかない。立ち上がって拭けっていうの？もちろん私は後ろから前に拭いてるわ」

さらに彼女はこう付け加えています。「どこに汚れがあるかわかるでしょ。拭いてはいけない場所もわかるよね？女性なら肛門から膣まで拭くことはないはずよ」

専門家が教える簡単な方法

このTikTok動画とそれに対する反応は、米国ロサンゼルスの骨盤底の健康を専門とする理学療法士ヘザー・ジェフコート博士を憂慮させました。ヘザーは「排便後に後ろから前に向かって拭いた場合、どれほど注意していても、細菌感染のリスクがあり、それが尿路感染症を引き起こす可能性がある」と常日頃から注意を喚起していたからです。

ヘザーは早速、自分でも動画を作り、排便後に前から後ろへ体を拭くことがいかに簡単かを説明しています。

「解剖学的な理由で手をお尻の後ろに回すのが難しいからと言って、立ち上がったり、片足をあげたりして、複雑なバランスをとる必要はない」とヘザーは言います。

簡単な方法としてヘザーが紹介しているのは、トイレットペーパーを持った手を前から差し込み、後ろに向かって拭くという方法。「体の正面からトイレットペーパーを持った手を尿の出口に当てて、それをお尻の方に向かって移動させるだけでいいのです」

ただ、この方法を使うときは「トイレットペーパーを毎回換える」ことが大事だとヘザーは付け加えています。拭くたびに新しいトイレットペーパーを使わなければ、衛生的に意味がありませんから。

ヘザーはやり方はどうでもいいので「前から後ろに」のルールは守ってほしいと訴えています。

@theladypartspt Reply to @squiddey @thatspicylemon You CAN wipe from FRONT TO BACK!🙌🏻Here’s how.. #girlsonly #fyp #foryou #foryoupage #pelvichealth #learnontiktok ♬ original sound – Heather Jeffcoat, DPT

「お尻の拭き方」ってなかなか人には聞けない話ですが、多くの女性がトイレのドアの向こうで頭を悩ませているのは明らかです。ソーシャルメディアで多くの女性がこうした悩みを共有したり、専門家が正しい方法を解説してくれるのはありがたいですね。

出典：buzzfeed

プレビュー画像：© tiktok/theladypartspt