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Lifehacks

7つの人気マジックとそのタネ明かし。

同じ「マジック」でも、魔法使いといえばハリーポッターや「ロードオブザリング」のガンダルフを思い浮かべますが、日本でマジシャンといえばマギー司郎やMr. マリックが有名です。

最近では自身の職業を「マジシャン」とは呼ばずに「イリュージョニスト」と呼ぶマジシャンも増えていますが、それは彼らが観客に披露するのはあくまでも「魔法」ではなく、幻想(イリュージョン)であるという考えに基づいています。そして忘れてはいけないのはマジックやイリュージョンの裏には、常にタネや仕掛けが潜んでいるということ。

タネを知ってしまうと楽しみが半減してしまうと思われがちですが、決してそんなことはありません。次に紹介する10の有名なマジックとその種明かしを読めば、きっとあなたもイリュージョンがもっと好きになるでしょう。

shutterstock/Marietjie

1.スプーン曲げ

日本のみならず世界中で一時超能力ブームを巻き起こしたユリ・ゲラー。彼の最も有名なイリュージョンは、念力を送ることでスプーンを曲げるというものでした。しかし多くのイリュージョニストと同じように、彼の「超能力」もテレキネシスによるものではなく、巧妙な手品であることが判明しています。

ユリ・ゲラーはおそらく次の方法でスプーンを曲げていたと考えられています。それは、あらかじめ指に硝酸銀溶液を施しておいて、指で撫でることで合金形成現象によってスプーンを曲げ、最後にはまっぷたつにしてしまうというものです。この方法はあらかじめスプーンを何度か曲げておくとより効果的だそうです。こうした金属疲労を利用したマジックは、既に19世紀から多くのマジシャンによって実演されています。

2.サイン済みのトランプを燃やす

トランプの山から観客の1人が好きなカードを引き、これにサインをします。次にマジシャンはそのサイン入りのカードを封筒に入れ、完全に燃やしてしまいます。しかし、驚くべきことに燃やされたはずのカードをマジシャンがトランプの山の中から引き当てるのです。他にもカードを観客の耳の裏などから出現させる場合もあります。

それではタネ明かしです。トランプには仕掛けは施してありませんし、カードに書かれたサインも本物です。しかし、カードを入れる封筒には下に切り込みが入れてあります。マジシャンは封筒とカードの山を同じ手に持ち、サインをしたカードを封筒に入れるフリをして、切り込みから下のカードの山に滑り込ませます。観客に見えないように手で隠しているので、封筒に仕掛けがしてあることに誰も気づきません。

こうすることで封筒を燃やしても、マジシャンは好きなところからカードを自由自在に出現させることができるのです。

Magic Trick

3.お札の額面を変える

魔法でお金持ちになれるなら、誰でもなりたいですよね。マジシャンの中にはそんな素晴らしい魔法が使える人がいます。彼らはまず1,000円札を綺麗に小さく折り畳み、それをまた広げるだけでいとも簡単に5,000円札に変えてしまうのです。

それでは画期的なこちらのトリックのタネ明かしをしましょう。まずマジック専門店などで販売されている「ダミーの親指」を本物の親指の上に被せます。小さく折り畳まれた1,000円札はこのダミーの親指の中へと消え、逆に5,000円札が中から取り出されます。米ドル札だとこのトリックはさらに効果的です。米ドルは全て同じ色をしているからです。

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4.剣を飲む

このトリックのタネは、これまで紹介されたような「仕掛け」とは多少異なります。このトリックはイリュージョニストの長年に渡る訓練と努力に基づくものだからです。剣を飲むトリックに使われる剣は切れ味の悪いものが殆どですが、とはいえ全て飲み込むとなると大変な技術が必要です。剣飲みができるマジシャンや大道芸人は、絞扼反射を抑えることができ、直立することで咽頭と胃が一直線上に並ぶ状態を作り出すことができます。

こうすることで剣を食道から胃の入り口まで差し込むことができるのです。食道は大変柔軟性に富んでいて、内部はヌルヌルした粘液で覆われているため剣を滑り込ませるのに適しています。しかしながらトリックを披露している最中に集中力が切れてしまい、食道が痙攣などを起こすと、重傷につながる危険のあるトリックと言えるでしょう。

sword swallowing

5.人体切断

アシスタントの美女がボックスに入り、頭と足が外に出ている状態でマジシャンが彼女の胴体をノコギリなどで真っ二つに切断するこのマジックを見たという方は少なくないはず。

それではタネ明かしです。まず1つ目に考えられる方法は、ダミーの足を使ったトリックです。ボックスは十分な大きさの物を用意し、アシスタントの女性は足を中にしまっておくのです。ボックスは観客席より高い位置にあるステージ上に設置されているため、観客にはその正確な大きさを推測することができません。そのため箱はアシスタントの女性がやっと1人入れるだけの大きさだと勘違いしてしまうのです。

wikimedia/public domain

もう1つは2人のアシスタントを使ったトリックです。しかし観客からはステージ上のもう1人のアシスタントを見ることはありません。なぜなら、彼女は既にボックスが設置してある台の中に隠れているからです。もちろんボックスと台は中で繋がっています。

観客から見えるアシスタントがボックスの中に横たわるのと同時に、もう1人のアシスタントが足をボックスの外へと出します。こうすることで胴体を切断されたはずの女性は、観客の目の前でそのつま先を動かすことができるというわけです。このトリックで最も重要なのは足を出すタイミングです。

wikimedia/public domain

6. 空中浮遊

アシスタントの女性は空中に浮かび上がることもあります。マジシャンの重力を無効化する力によって、彼女は空へと舞い上がるのです。最後にマジシャンは女性を大きなフープに通して、観客に彼女がピアノ線などで吊るされていないことを証明します。

しかし、ループを通す必要など全く必要ないのです。なぜならアシスタントの女性は体をカーテンの後ろに隠れているリフティング・ギアなどで持ちあげられているからです。ギアの細い支柱は女性の乗る台からジグザグ状に伸びています。このためジグザグに触れないように気をつけてフープを通せば、女性の周りに全く仕掛けがしていないように見えるのです。さらに、多くの場合アシスタントの女性は長いドレスを着ていたり、上から布をかけられることが多いため、観客には仕掛けが尚更見えづらくなっています。

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7. コインをグラスに貫通させる

イリュージョニストは左手にコイン、右手に空っぽのグラスを持ちます。次に思いっきり左の手で右手のグラスの底を叩くことで、左手のコインがグラスの底を貫通するのです。さてグラスにもコインにも仕掛けはしていないのに、一体どうやってコインをグラスの底に貫通させることができるのでしょうか?

ここで注目すべきはグラスを持つ手です。マジシャンはこのトリックを披露する際、グラスの上部を指先で持ちます。そして右手の手の平に隠してあったコインがグラスの中へと放たれ、チャリンと良い音を出してグラスの中へと落ちます。重要なのは動作のスピードです。人間の目では通常追うことができないスピードでトリックを行う必要があります。

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いかがでしたか。これで次にマジックをご覧になる際は、また違った視点から楽しむことが出来るのではないでしょうか。