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Lifehacks

アウトドア時に注意|草むらに潜むマムシの危険

ここ数年じわじわと再ブームが到来し、コロナも相まって人気に火がついたキャンプ。山や川といった自然豊かな場所で過ごす時間は、いつもの忙しい日常から離れリラックスできるものです。

しかし、自然は緑豊かなだけでなく様々な生き物の住処であり、時には気をつけなくてはいけないことも。虫刺されはもちろんのこと、今の季節注意をしたいのが、毒ヘビのマムシです。

みなさん、今から紹介する1枚の写真ですが、実はこの中にはマムシが1匹隠れています。見つけることができますか?

Twitter@Hebiken_JSC

この写真は、日本蛇族学術研究所が運営するジャパン・スネークセンター (JSC) が公式Twitterで紹介したものです。拡大された画像を見て初めて、そこにマムシがいることがわかります。

全体写真だとこの赤丸のあたりに潜んでいます。

マムシは北海道から本州、四国、九州と幅広い範囲に生息をしています。蛇の活動期間は4〜10月ですが、7〜9月の夏季は私たち人間も自然の中で活動することが多く、特にマムシによる咬傷が多く発生しているのだそうです。マムシは日差しの強い昼間の時間帯はおとなしく、倒木や石の下、水田に隠れていますが、気温が下がった夕暮れ時や夜などは明るい昼間は見かけなかったような場所にも出てきて活動をしていることがあります。

一般にマムシの攻撃範囲は30cm以内で飛びついてくることはないと言われています。しかし、先ほど紹介したように、マムシは擬態能力がとても高く、パッと見ただけではすぐに見つけることができません。

また、マムシは他の蛇と違い人が近づいても逃げずにその場でじっとしていることが多いと言われます。そのため、知らずに近づいてしまったり、踏んでしまい咬まれてしまう人が多く非常に危険です。

ツイート内でも「夜間のアウトドアは注意」とあるように、暗がりの中に潜んでいるマムシには、目視でほぼ気がつく事ができません。夜間に出歩く時は、特にマムシへの注意が必要となってきます。

マムシの毒は出血毒に分類され、血管の細胞を壊して出血を起こします。マムシの牙は細く短いため、万が一咬まれてもチクッと感じるだけで、最初は虫さされやとげが刺さったのかと勘違いすることがあるそうですが、かまれた直後から強い痛みが生じ、徐々に腫れてきて、1日でパンパンに腫れ上がります。症状が進むと頭痛やめまい、嘔吐などの症状や、視力低下などの目の症状が出たり、重症例では意識障害や急性腎不全で命に関わってしまうこともあると言われています。

マムシに噛まれた場合は、早い段階で治療をすることで重症化のリスクを抑えることができるため、動き回らず安静にしてすぐに救急車を呼び医師の処置を受けるようにしてください。また、咬まれたと思ったら、スマートフォンで撮影するなど、その時の様子を記録に残すと、医療機関での治療がスムーズになるそうです。

注意:毒を絞り出そうと吸引などしてもヘビ毒の吸収は早く、吸引したところでたいして回収できないため、決して口などで吸引をしないでください。救助者の口の中に毒液が触れる可能性もあり危険です。

マムシによる咬傷のリスクを下げるには、マムシがいそうな草むらに出かける際には長袖長ズボンを着用し、特に河川付近では不用意に草むらに入らないようにすることです。特に夜間に出歩く際は、短パンやサンダルなどで動き回るのは必ず避けるようにしてください。ジャパン・スネークセンターではマムシを含め、野生のヘビを見かけた際には、1m以内には近づかないように、と注意を呼びかけています。

また、アウトドア時など以外でも、愛犬の散歩などで山に行く場合もヘビによる危険が伴うこともあります。楽しい夏のアウトドアですが、思わぬところに潜む危険には十分注意を払っていきたいですね。

プレビュー画像:©︎Twitter/Hebiken_JSC