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ヘルスケア

万病の元になる慢性炎症:気をつけるべき8つの警告サイン

炎症は通常、腫れや赤み、痛みなどの症状として現れます。たとえば、風邪をひいた時の喉の赤みや腫れがそうです。

でも、こうした分かりやすい急性の炎症以外に、「沈黙の炎症」と呼ばれる慢性炎症が存在します。この場合、症状はより多様。最初は軽い症状しか現れないため、自覚されないことが多いのが特徴です。

この慢性炎症が多くの生活習慣病や重篤な疾患に密接に関わっているということが明らかになっています。そのため、隠れた慢性炎症を示すサインに注目することが重要となります。ここでは、そのサインについてご説明します。

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慢性炎症はどのくらい危険なのか?

あらゆる病気の根底に「炎症」が潜んでいると言われています。逆に言えば、炎症は重要な早期警告システム。特に慢性炎症は、さまざまな生活習慣病や重篤な全身疾患の火種になるとても厄介な病態なのです。

慢性炎症の最初の兆候は、絶え間ない疲労感や倦怠感から、下痢や免疫力の低下まで、多岐にわたります。ここで体内の炎症プロセスを止めなければ、脳卒中、心臓発作、糖尿病、がん、アレルギー、自己免疫疾患などの深刻な病気を引き起こす可能性があるのです。

慢性炎症の原因は?

慢性炎症の症状が多様であるのと同様に、その原因も多様。しかし、最も重要な原因は、肥満、食生活、運動不足、ストレス過多です。

特に肥満は大きな原因です。脂肪は炎症を悪化させるメッセンジャー(炎症性サイトカイン)を生成します。

また、長期間のストレスも大きな原因。ストレスを受けると、ストレスホルモン「コルチゾール」が持続的に分泌されます。コルチゾールは抗炎症作用がありますが、慢性的に増えるとその効果は失われ、炎症につながることがわかっています。また、糖類や脂質の多い食生活は体内の炎症因子に悪影響を及ぼすことがあります。

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慢性炎症の8つの警告サイン

慢性炎症は単なる体調不良として、長い間気づかれないことが多いものです。そのため、警告サインに注意を払うことが重要です。

1. 疲労感や集中力の欠如

体が常に緊張状態にあるため、疲労感、倦怠感、集中力の欠如を常に感じています。

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2. 感染症にかかりやすくなる

くすぶっている炎症に免疫システムが攻撃されるため、ウイルスや細菌に感染しやすくなり、感染症が多発します。

3. 寝汗をかく

夜中に大量の汗をかくのは、慢性炎症が原因かもしれません。ただし、がんや更年期障害など、他の原因で寝汗をかくこともあります。必ず医師に確認するようにしましょう。

4. 睡眠障害

体内の長期的な炎症プロセスが、内面の落ち着きのなさや睡眠障害を引き起こすことがあります。

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5. めまい

めまいは、循環器系の問題などでも起こりますが、体内の静かな炎症を示すもう一つのサインである可能性があります。

6. 視覚障害

目も体内の炎症プロセスによって影響を受けることがあります。もし、他の身体的な原因を除外できるのであれば、慢性炎症を考慮する必要があります。

7. 食物不耐性

体内の継続的な炎症によって腸内細菌叢が乱されることがあります。その結果、腸の粘膜が裂け、食物の成分が血液中に入り込み、不耐性反応(消化不良や下痢)を引き起こすことがあります。

8. うつ病

身体的な症状だけでなく、心理的な問題が生じることもあります。イライラが増えたり、うつ状態になったりと症状はさまざまです。このような場合は、必ず医師の診断を受け、精神的な問題の原因を探りましょう。

血液検査で特定

慢性炎症が起きているかどうかはどうすれば分かるのでしょうか。

炎症が起きると白血球が増加し、CRP(C反応性タンパク質)の値が恒常的にわずかに上昇します。高感度CRP検査と呼ばれる血液検査で、この微妙なCRPの上昇をチェックできるため、慢性炎症があるかどうか知ることができるのです。

また、血液沈降度(血液サンプル中の赤血球が1時間以内にどれだけ早く沈むか)をチェックすることでも、慢性炎症の兆候を発見することができます。

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慢性炎症はどのように治療する?

慢性炎症は症状の範囲も広いため、包括的な治療法はありません。他の炎症と同様に、アスピリンやイブプロフェンなどの抗炎症剤が使用されることがありますが、生活習慣を変えるのが何よりの対策です。

まずは健康的な食事と体重に注意すること。砂糖、脂肪、動物性食品の摂りすぎは、炎症を悪化させる原因になります。新鮮な野菜を中心に、食物繊維の豊富な食品をより多く摂るようにしましょう。

また、定期的な運動やスポーツもおすすめです。ウエストがヒップよりも大きくなってきたら食事と運動で脂肪を減らしましょう。ストレスを軽減するために、ヨガや瞑想を試してみるのもオススメです。

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慢性炎症の厄介なところは、炎症の典型的な徴候がないことです。なんとなく不調が続き、原因がわかった時には、すでに気づかないうちに広がり、免疫力を弱めてしまっているのです。上記の警告のサインが現れたら、炎症が体に悪さをしている可能性を考慮し、かかりつけの医師に相談してください。

出典:praxisvita , wienerin
プレビュー画像:©GettyImages © flickr/Leonid Mamchenkov