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Lifehacks

おうちで取り入れてほしい モンテッソーリ教育で大事にしている6つの原則

19世紀末、マリア・モンテッソーリは、子どもを一人の人間としてとらえるという画期的な教育法を開発しました。モンテッソーリは、子どもは親や教師の厳格なルールに従って学ぶのではなく、自らの意欲で、自ら選択し、成長していくべきだと考えたのです。さらに、それぞれの子どもには独自のリズムがあり、個別に関わる必要があるとモンテッソーリは確信していました。

当初は馬鹿にされていたモンテッソーリ教育ですが、今では多くの親や教育者にとって重要な指針となっています。

その実績も確かです。マイクロソフト創始者のビル・ゲイツ、Amazon創業者のジェフ・ベゾス、Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ、バラク・オバマ元アメリカ大統領、藤井聡太、トーマス・エジソンなど錚々たる面々がモンテッソーリ教育出身者なんです。

この記事では、モンテッソーリ教育で大事にしている6つの価値観をご紹介します。子どもたちとの日常生活に簡単に導入することができるものばかり。ぜひご家庭で実践してみてください。

1. 自分でできるように手伝う

“Help me to do it myself!” 「ひとりでできるようになるのを手伝って」この言葉は、モンテッソーリが最も多く引用した文章の一つ。モンテッソーリ教育の重要なキーワードです。

子どもが一人で何かできないとき、大人はつい手助けしがちです。しかし、それが子どもの成長に役立つかというと、残念ながらそうではありません。むしろ時間がかかってもいいから、自分でやることを奨励し、力を与えるべきなのです。難しいことを一人でやり遂げることで、子どもたちは自信を得て、自分という人格を作り上げていきます。

The kids stayed home sick from Montessori today

2. 子どもを一人の人間として尊重する

大人は子どもに敬意を払わないことがよくあります。しかし、子どもはその思いや考えを尊重されてはじめて、理解されている、愛されていると感じることができます。独立した人格として尊重された子どもたちは、自分の感情や意見は大切だということを理解し、他人への振る舞い方を学んでいくのです。

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3. 日常生活の練習

子どもの成長には、走り回ったり遊んだりする十分な時間が必要です。それと同時に、モンテッソーリ教育では「日常生活の練習」の時間を重視しています。子どもたちが自分で服を着たり、自分でパンを作ったり、自分で飲み物を注いだりする機会を早くから与えましょう。大人はゆっくりとやり方を見せてあげて、その子にふさわしい経験やお手伝いに挑戦させてあげましょう。自分の五感を使い、試してみることはその子本来の育ちを助けます。また、家のお手伝いをすることで、共同体意識が高まり、子どもたちの自立心を高めることができます。

Amelia Cleaning

4. 選択の自由を与える

モンテッソーリ教育のもう一つの原則は、一定のルールと枠組みの中で、子どもたちが自分のやりたいことを自由に決められるようにすることです。「さあ絵を描こう」など、親や教育者に特定の課題を押し付けられることなく、子どもたちは自分のペースで興味を追求すべきなのです。モンテッソーリは、何かに対する本当の興味は、子どもたちが自由に選択できて初めて生まれると確信していました。

A montessori morning

5. 環境を整える

子どもたちが自由に活動を選択できるようにするには、子どものレベルに合わせた教材を用意し、それを整理整頓しておかなればなりません。これをモンテッソーリは「整えられた環境」と呼びました。おもちゃが散乱している子ども部屋では、子どもが集中して作業をすることができません。また、子どもたちがすぐに見つけられるように、すべてのアイテムに決まった場所があることも重要です。

Pictures & Toy Shelf

6. ゆっくりと

子どもはスポンジのように周囲の環境を吸収し、次々に新しいものを発見していきます。大人が気づかないような小さなものでも子どもにとってはワクワクするほど刺激的。何時間でも見ていたいと思うこともあります。子どもの時間感覚は大人とは全く違うのです。だからこそ、子どものための時間を少し多めに確保しておきましょう。また、親が何かのお手本をみせるときは、ギアを1つ下げ(8倍ゆっくり、とも言われます)、はっきりとやって見せることが大切です。

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モンテッソーリ教育は、自立心と自信を育み、責任感と思いやりの心を芽生えさせると言われています。モンテッソーリ教育の園に入れなくとも、お家でモンテッソーリの理念を子育てに取り入れることは十分可能です。生活環境をととのえ、子どもへの眼差しを少し変えるだけでも長い目で見れば大きな変化が得られます。ぜひ取り入れてみてください。

プレビュー画像: ©flickr/Dangik